(C)2017 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会

宮崎あおいに中居正広…劇場型犯罪の“犯人役”を演じた意外な俳優たち

コラム

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6月10日に公開される『22年目の告白―私が殺人犯です―』は、22年前の連続殺人事件の殺人犯の“告白”が新たな事件を巻き起こすサスペンスエンターテインメントです。本作のテーマのひとつになっているのが“劇場型犯罪”。これは犯罪が行われているにもかかわらず、人々がそれを芝居や娯楽のように楽しみ、惹き込まれていくのが特徴といわれています。

これまでも『22年目の告白―私が殺人犯です―』のように、劇場型犯罪を扱った映画は幾つか作られており、有名俳優たちがその犯人役を演じているようです。今回は、その中から意外なキャスティングが光った作品を3つご紹介します。

中居正広が冷酷無比な天才的犯罪者を熱演!…『模倣犯』(2002年)

宮部みゆき原作の本格ミステリー小説を映画化した『模倣犯』は、天才を自称する犯罪者の暴走を描いたサスペンス作品です。主人公である犯罪者・ピースを演じたのは、当時SMAPのメンバーだった中居正広でした。

ピースは完全犯罪にできる自信があるからこそ、劇場型犯罪を繰り返して警察やマスコミを挑発。さらには、自分が陥れた無実の人物を救済するために相棒を売る供述をし、一躍“正義の人”として脚光を浴びるようになります。しかし、ピースの発言を怪しんだルポライターの「今回の犯人は単に前の事件を真似しただけの馬鹿による犯行だ」という挑発に逆上したピースは、爆弾自殺へと追い詰められてしまうのです。

この映画の原作は厚いハードカバーの上下二巻の小説。それを2時間強で集約するのは少々無理があったようで、映画自体の評価はあまり高いとはいえませんでした。しかし、その中でも中居正広は共感性を欠いたサイコパスを上手く演じ切っています。冷静沈着かつ冷酷な天才犯罪者をスマートに表現しており、俳優・中居正広の新たな側面を見せつけた作品といえるのではないでしょうか。

実際の劇場型犯罪をモチーフに宮崎あおいが実行犯を演じる…『初恋』(2006年)

『初恋』は、日本史上最大級の未解決事件であり、もっとも有名ともいえる劇場型犯罪「三億円事件」をモチーフにした作品です。

ただ、この映画、厳密にいえばミステリーやサスペンス映画ではありません。“三億円事件の実行犯は女子高生だった”という設定のもとに展開されていく、切ない青春ドラマなのです。主演は宮崎あおい。好きになった相手・小出恵介演じる岸に必要とされる喜びから、三億円事件の実行犯になった孤独な少女・みすずを演じています。

作中では史実通りに三億円事件の計画は成功しました。女であるみすずは捜査線から外れ、3億円を持ったまま居なくなってしまった岸を待ちながら、受験勉強に励みます。その後、みすずは東大に合格。しかし結局、岸は戻らず、お金もみすずの手元には残りませんでした。

彼女にとっては好きな人と一緒にいるための手段が、三億円事件だったというわけです。これがもし本当に日本中を騒がせた劇場型犯罪の顛末だったとすると、なんとも切ない気持ちになりますね。宮崎あおいによる、ある意味純粋な欲のない少女の演技が、それに拍車をかけています。劇場型犯罪がテーマではありますが、あくまでも本筋はラブトーリーなのです。

若き日の沢田研二が主演!長らく封印作品だった『太陽を盗んだ男』(1979年)

『太陽を盗んだ男』は、鬼才・長谷川和彦監督によるアクション映画。“原爆を作って政府を脅迫する”という奇想天外なアイデアを実現しようとした主人公・城戸を、当時アイドル的人気を誇っていた若き日の沢田研二が演じています。

城戸は中学校の理科教師なのですが、ある日茨城県東海村の原子力発電所から液体プルトニウムを強奪し、自分のアパートで手作りの原爆を完成させてしまいます。そして日本政府を脅迫し、「プロ野球のナイターを試合の最後まで中継」、「ローリング・ストーンズ日本公演」などと、菅原文太演じる交渉役の刑事にバカバカしい要求を繰り返すのです。

原子爆弾製造や皇居前バスジャックなどのセンセーショナルな内容に加え、国会議事堂や皇居前ではゲリラ撮影が行われていたそうで、当時としてもかなりの際どさを誇るカルト的映画だったといわれています。劇場型犯罪を見事に娯楽作品として昇華した、希少な映画ではないでしょうか。あまりにもタブーが多い映画ゆえ、現在でもテレビ放送は不可能と思われます。

その他にも、82歳の老婆が政府やマスコミを手玉にとり、100億円の奪取に成功した事件を描いた『大誘拐 RAINBOW KIDS』(1991年)や、誘拐事件の犯人が身代金の受け渡しをTV中継で公開するよう要求する『誘拐』(1997年)など、劇場型犯罪を扱う名作は他にもまだまだ存在しています。

(C)2017 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会

もちろん『22年目の告白―私が殺人犯です―』も、既に名作の予感がしています。作中では藤原竜也演じる主人公・曾根崎雅人が、22年前の連続殺人事件の真実を明かす告白本「私が殺人犯です」を出版。これに世間やマスコミが食いついたことで、次の事件が巻き起こり、ダブル主演の伊藤英明が演じる牧村刑事が巻き込まれていきます。果たして曽根崎の本当の目的は何なのか?

狂気的な演技に定評のある藤原竜也が、劇場型犯罪を仕掛ける曽根崎をどう演じてくれるのか楽しみですね!

公開日:6月10日(土)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:www.22-kokuhaku.jp

(文/もちづき千代子@H14)

記事制作 : H14

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