(C)2017 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会

安藤サクラや神木隆之介…“実力派”の若手がこぞって出演する入江悠監督作品の魅力

コラム

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6月10日に公開される『22年目の告白―私が殺人犯です―』。22年前の連続殺人事件の殺人犯が事件の真相を明かす告白本を出版し、新たな事件を引き起こしていくサスペンスエンターテインメントです。

作品のメガホンをとるのは、今邦画界でもっとも脚光を浴びている若手監督・入江悠。自主映画作品としてスタートした『SR サイタマノラッパー』シリーズや、人気バンドの楽曲をモチーフにした群像劇『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』、柳広司の短編ミステリーを実写化した『ジョーカー・ゲーム』など、着実に良作を生みだしてきました。

そんな入江悠監督の作品には、若手の実力派と謳われる俳優たちが続々と出演を果たしています。超実力派2世女優・安藤サクラ、邦画界の至宝・神木隆之介、SNSでの話題作りが注目を集めるイケメン俳優・野村周平。今回は彼らの魅力がぞんぶんに引きだされた入江悠監督映画を3作紹介しましょう。

アラサーの女性ラッパー役となった安藤サクラ…『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(2010年)

安藤サクラが出演しているのが、『SR サイタマノラッパー』シリーズの第2作目である『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』。群馬を舞台に、ヒップホップ音楽に青春を捧げた女子ラップグループが、時を経て再結成したときに直面した夢と現実のギャップを描いた青春音楽映画です。

安藤サクラの役どころは、山田真歩演じる主人公の友人で、ラップグループ“B-hack”の一員。一流ホテルで働くために上京したものの、借金だらけになった実家の旅館を切り盛りするために、群馬に出戻るはめになったという苦労人です。志半ばで夢を諦めた20代後半の女性の哀愁と、再び夢を追い始めようとする無様さは、笑えると同時にどこか心に突き刺さります。

サウンドトラックには安藤サクラのソロ曲「B列車で行こう」が収録されていますが、これは彼女が田舎旅館を継ぐために帰省する電車の中で、青春時代の思い出を巡らせるという内容の楽曲。絶妙な低音ラップが光る良曲で、映画を観た後で聞くととても切なく響きます。演技だけでなくラップでもアラサー女子の痛々しさを極限まで体現してくれる安藤サクラには、ハッキリ言って脱帽です!

神木隆之介が新人類の社会に憧れを抱く旧人類の少年を演じる…『太陽』(2016年)

劇作家で演出家の前川知大率いる劇団「イキウメ」の同名舞台の映画化である『太陽』で、神木隆之介は入江悠監督作品に初出演しました。本作の舞台は心身ともに進化しつつも太陽の光に弱くなり夜しか生きられなくなった新人類「ノクス」と、ノクスに管理されながら貧しく生きる旧人類「キュリオ」が暮らす未来の世界。いわゆるディストピア作品です。

神木隆之介の役どころは、キュリオの貧しい村に生まれ、ノクス社会への憧れを抱く主人公の少年・鉄彦。感情的で理性を失いやすいキュリオの特性そのままの性格をした鉄彦の、閉塞感溢れる“息苦しい”演技は必見です。ノクスへの転換手術の申し込みに落選した時には母親を「なぜキュリオに生んだ!」と罵り、ノクスである友人に「ノクスなんてたいしたことないなんて言うのは、お前がノクスだからだ」と八つ当たりする様には、思わず胸が痛くなります。

その後、母親は死に、幼馴染はノクスに生まれ変わり、叔父は村人たちから惨殺されます。どこまでも絶望的になっていく鉄彦の世界。しかし、それでも彼の目がくすんでいないように見えるのは、神木隆之介が演じるからこそのオリジナリティだと思うのです。入江監督独特の長回しの群像劇シーンでは、叔父が村人たちからのリンチを受けている中、「その中に加わってはいけない」と必死で耐える姿にグっときました。また別の入江作品でもお目にかかれることを願います。

野村周平がロック好きでアフロな、いじめられっ子に…『日々ロック』(2014年)

野村周平は『週刊ヤングジャンプ』で不定期連載されていたマンガの実写化映画『日々ロック』で主演を務めました。作中では勉強もスポーツもできないイジメられっ子の主人公・日々沼拓郎が、音楽を通してさまざまな経験をし、ロックスターとして成長していく姿が描かれています。

野村周平はこの時、マンガのビジュアルそのままの暑苦しいアフロヘアーに。それまでのイケメンで爽やかなイメージを一新させました。

まさに撮影への意気込みがはっきりと伝わるようなハッチャケぶりですが、その理由のひとつには、入江監督への絶大な信頼があった模様。なんと初面談で入江監督と話をした際、興奮のあまり突然服を脱ぎ始めたというエピソードがあります。クランクイン直前にも「身も心も素っ裸に入江監督にあずける」とコメントしており、その言葉通り、全裸での演技もまったく躊躇せずにやり遂げたそうです。

ちなみに野村周平は、現在も放送中のドラマ「SR サイタマノラッパー~マイクの細道~」に、主人公たちが修行を積むヒップホップ寺の僧侶役として出演。『22年目の告白―私が殺人犯です―』にも、伊藤英明演じる刑事の妹の恋人役で出演しています。まさに、入江監督作品の常連俳優といえるでしょう。

これからますますの活躍が予想される入江悠監督。『22年目の告白―私が殺人犯です―』では、22年前の事件の犯人を名乗る“美しきクズ”を藤原竜也が、22年前の事件によってすべてを失った刑事を伊藤英明が演じます。邦画界随一の演技派俳優たちを、どの様に魅せるのか? 今作にも期待したいところです。

公開日:6 月10 日(土)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:www.22-kokuhaku.jp

(文/もちづき千代子@H14)

記事制作 : H14

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