「子連れ狼」ならぬ子連れウルヴァリン!? 『LOGAN/ローガン』監督の日本愛がさく裂!

インタビュー

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最後のウルヴァリンをヒュー・ジャックマンが全身全霊で熱演する、マーベル映画最新作『LOGAN/ローガン』が6月1日(木)に日本公開される。全米では3月3日に公開され、わずか3日間で8530万ドル(約97億円)を記録、全世界では6億ドル(約650億円)を突破し、「ウルヴァリン」シリーズの中でもNo.1の爆発的ヒットとなっている。本作の舞台は、ミュータントがほぼ絶滅し、荒廃した近未来。治癒能力を失いつつあった、老いたウルヴァリンこと、ジェームズ・ハウレット(愛称はローガン)の最後のミッションは、謎めいた少女ローラを守ること。迫力のアクション・シーンのほか、ローガンの内面や家族愛を繊細に描いた人間ドラマも高い評価を得ている。『ニューヨークの恋人』(2001年)、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)に続き、ヒューとの3度目のタッグを終え、来日したジェームズ・マンゴールド監督にお話を伺った。

Q:本作を最後にすると決めたのは、ヒュー・ジャックマンだったのでしょうか?

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

そうだ。『ウルヴァリン:SAMURAI』を取り終えた後、ヒューから“ウルヴァリンをもう1本作るとしたら、どういう形で終わるんだい?”と聞かれた。もう1本作らないという選択もあったが、私はウルヴァリンの最後の旅を描きたかったんだ。

Q:ヒューは皮膚がんを患っており、これまでに死を意識したことがあったかもしれません。本作の脚本を書くにあたって、ヒューの個人的な事情は頭をよぎりましたか?

脚本には、自分たちの経験が反映されることもある。しかし、本作に限っては、ローガンが抱える心の葛藤を描くという明確な意図があったため、ヒューの病のことは考えなかった。ちなみに、ウルヴァリンには治癒能力があるが、私が手掛けた2作では完全には癒されないんだ。僕は、滅びないものに関心がない。滅びないものには、語るべき物語がないと思っているからね。

Q:ローラを熱演した天才子役のダフネ・キーンを見つけるまでに、何人ほどオーディションされたのでしょう?

数千人単位だね。僕ひとりで全員をチェックしたわけじゃないけど、世界中から探したよ。たくさんの候補者がいたけど、これだと思う子はなかなか見つからなかった。というのも、僕らはとても理想が高かったからね。(オーディション資料をめくる仕草をしながら)ノー、ノ―、ノー……ローラを見た途端、これだ!と。まるで藁(わら)の中から1本の針を探すようなものだった。

Q:ダフネの、ここがすごいと思ったところは?

彼女は自分をキュートに見せることに興味がないんだ。それでいて、彼女は女性らしくて力強い。しかも、目で人間の思考を伝えることが出来る。僕が映画を撮るときに、役者に対して重要視しているのは、聞く耳を持っていることと思考力を持っていること。演技力はトレーニングによって磨かれていくが、この2点に関しては、教えることが難しい。役者が考えているところを撮影するわけだから、思考力は特に大切だ。彼女はこちらが教えなくても思考力を持っていたんだ。

Q:撮影現場は、どのような雰囲気だったのでしょう。

ダフネの両親はふたりとも役者だが、自分の娘が大人向きのアクション映画へ出演することに対して、若干の懸念があった。私自身、9歳と12歳のこどもを持つ父親だから、ふたりと直接話をして、不安を取り除いていったよ。大人たちの懸念をよそに、ダフネはとても楽しく撮影に取り組んでいた。僕らは家族のように和気あいあいとしているし、一緒に食事もした。ウルヴァリンがそばにいて、彼女が鉄爪をつけているという状況はハロウィーン的だから、コスプレやごっこ遊びの感覚だったかもしれない。それに、彼女が戦って倒した相手が、実際に死ぬことはないからね(笑)。

Q:監督は日本通として知られています。小津安二郎が好きだったり……

ハイ!(日本語で)

Q:古いパチンコ台にも興味があるそうですね。

僕が子供の頃、パチンコを1台持っていたんだ。いまのパチンコ台は、ビデオゲームみたいな電子制御になっていて、大嫌いだ。昔のパチンコ台は釘師の技巧が光っていて、風情があったのに、残念だよ。

Q:個人的な意見で恐縮ですが、本作のポスターを見て、「子連れ狼」を思い出しました。

「子連れ狼」(※1970年代に流行した時代劇漫画。アメリカでは、Lone Wolf and Cubという英名で知られている)のことは、もちろん知っているよ。『LOGAN/ローガン』は、「子連れ狼」を含めた多くの作品にインスパイアされているんだ。具体的には、『レオン』(1994年)、『ペーパームーン』(1973年)、ジョン・ウェイン主演の傑作『11人のカウボーイ』(1971年)。原作のコミックブックにローラというキャラクターがいたので、ローガンとローラに対しては、老いたガンマンと子ども、老いたサムライと子ども、そんな関係をイメージしていた。インタビュー記事の見出しが、Lone Wolf and Cub にちなんで、Lone Wolverine and Cub(子連れウルヴァリン)になるといいね(笑)。とてもチャーミングなタイトルだと思うよ。

Q:いまのコメント、必ず使わせていただきます(笑)。

実は昨日、リバイバル専門の劇場で、昔の日本映画を観たんだ。

Q:本当ですか!? 映画のタイトルを教えてください。

須川栄三監督の『太陽は呼んでいる』(1963年)。元ヤクザで、小指の無い男が、漁師の娘と恋をする話だった。テクニカラーの映像が美しくて、英語の字幕がなくても内容を理解出来たよ。

Q:PR来日したセレブたちは、空き時間に買い物や観光をするものですが、監督は映画を勉強されていたんですね(笑)。

僕は映画が大好きなんだ。日本に来るたび、素晴らしい時間を過ごしているよ!

『LOGAN/ローガン』6月1日(木)より全国公開 配給/20世紀フォックス映画配給
公式サイト/http://www.foxmovies-jp.com/logan-movie/

取材・文/田嶋真理 写真/横村 彰

記事制作 : 田嶋真理

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