17年ぶりの映画出演となる滝沢秀明が、映画初主演を務めたことで話題となっている『こどもつかい』。“この世で一番怖いのは、こどもの恨み──”というキャッチからも伝わるように、今作が紡ぎだす恐怖の一端を担うのは、ずばり子ども。作中に登場する“目が真っ白な7人の子どもの霊”というビジュアルもインパクト抜群です。

過去に公開された日本のホラー映画には、『こどもつかい』のように子どもが怖すぎる作品が存在します。純粋無垢、だからこそ怖い! そんな彼らが観る者を恐怖に陥れるジャパニーズホラーを紹介します。

邦画史上最恐の白い子ども「俊雄」

日本のホラー界に金字塔を打ち立てた作品といえば、『こどもつかい』で監督を務めている清水崇の代表作『呪怨』(2003年)ですよね。この作品の中で、人々に次々と呪いをかけていくのが、この世に強い怨念を残して死んだ女性・佐伯伽椰子。そして、その息子が邦画史上最恐ともいわれる呪われた子ども・佐伯俊雄です。

何といっても凄まじいのが、彼のビジュアル! 真っ白な肌にぽっかり口を開けた、強烈すぎる様相……正直、初めてその姿を見た時には戦慄しました。

しかし、シリーズを重ねるごとに、その姿にはなんとなく慣れてきてしまった人もいるのではないでしょうか。これは製作側すら感じていたことのようで、『貞子vs伽椰子』(2016年)公開時には、佐伯伽椰子による“伽椰子と俊雄のほのぼの親子日記”と銘打ったインスタグラムを開始しています。どうやらこの日記によると、伽椰子と俊雄は呪っている時以外は、公園のブランコで遊んだり、にんじんを食べないことを怒られたり、学校に遅刻しそうになってトーストを咥えて飛びだして行ったり……。ごく普通の小学生と母として生活しているようでした。余りにもほのぼのすぎる日常風景に、衝撃を覚えた人も少なくないのでは。

水を通じて伝わる“ひたひた”した怨念「美津子」

ジャパニーズホラーの巨匠ともいえる中田秀夫監督の『仄暗い水の底から』(2002年)には、行方不明になったまま誰にも見つけてもらえずにいる河合美津子という女の子が出てきます。

彼女は突然バーン! と登場するような派手な類の幽霊ではありません。水を使って、ただひたひたと静かに主人公親子を追い詰めていきます。コップの水の中に浮かぶ髪の毛、蛇口から流れ続ける濁った水、内側から激しく叩く音がする貯水タンク……。そして美津子は、娘を想う主人公に究極の選択を迫るのです。

美津子が本当に求めていたのは何なのか、結局はわかりません。だからこそ、静かな怨念をまとわせた美津子という存在が、余計に恐ろしく映るのです。

破傷風菌に冒された少女の叫び声はトラウマ必至!「昌子」

破傷風菌(テタノスパスミン)に侵された少女と、その両親の闘病生活を描いた映画『震える舌』(1980年)。テーマを聞いて医療ドラマかと思いきや、予告編でも「新しい恐怖映画」と銘打たれていたくらい、ホラーに寄せられた作品です。

ホラーとはいえこの映画、幽霊や呪い、超常現象が出てくるわけではありません。ただもう、破傷風を発症した三好昌子の痛みに耐えきれぬ叫び声や、エビ反りで痙攣する姿、舌を噛んで血だらけになる様子に戦慄させられます。これが本当に突然に発生するため、観賞中は静かなシーンも一切気を抜くことができません。

ちなみに、破傷風による痙攣は脊椎を折ることもあるくらい本当に激しいそうで……。子役の若命真裕子が、こんな演技をしていることにも驚愕です。お子さんのいらっしゃる方にとっては、愛するわが子が苦しみ、そのために自分も追い詰められていく……これこそが最大の恐怖かもしれません。

決して家に入れてはいけない……成海璃子演じる「絢子」

人気作家・菊地秀行の同名原作を映画化したミステリー作品『雨の町』(2006年)。内臓のない子どもの死体が見つかった地方都市で、主人公のルポライターが子どもの死体が起き上がるのを目撃し、35年前にこの地で起こった小学生集団失踪事件との関連性を調べていくというストーリーです。死んだはずなのに蘇ってくる子どもが家に入らないように袋に詰めて棍棒で殴る様は、恐怖というより悲しみに満ちていました。

35年前に失踪した子どもの一人で、主人公に付き纏い続ける少女・絢子を演じていたのが若かりし頃の成海璃子。彼女の美しい顔が恐ろしい形相へと変わるシーンは恐怖ポイントですが、それ以上に主人公から拒絶された悲しみが透けて見える表情が切なくて堪りません。ちなみにこの作品、脇を固めているキャストに真木よう子と安田顕の名前が。改めて見るとキャスティングがかなり豪華です。そういう意味でも、見てみる価値がある作品と言えるでしょう。

こうしてみると、“怖い子ども”というのはジャパニーズホラーに欠かせない、エッセンスの一つであることが伺えますね。

(C)2017「こどもつかい」製作委員会

6月17日に公開される映画『こどもつかい』は、子どもの霊をあやつる謎の男“こどもつかい”が、大人たちを恐怖の闇に陥れていくというストーリー。霊になった子どもたちは、いったいどんな恐怖を私たちに届けてくれるのでしょうか。怖いながらも期待大!

(文/もちづき千代子@H14)