数多のスターが生まれては散っていく映画界において、年齢を重ねてもなお、いまだに燦然と“輝き”を放ち続ける名優たちの主演作が続々と公開されています。『リベンジ・リスト』(6月17日公開)で主演を務めるジョン・トラボルタをはじめ、ニコラス・ケイジ、そしてブルース・ウィリスなど、ますます磨きのかかった彼らの演技は衰えを知りません。しかし、悲しいかな、どうしても目がいってしまうのが残酷な時の流れを感じさせる髪の生え際……。今回は、男が直面する“悲しき運命”に抗い続けるダンディズムあふれるスターたちを、最新の出演作とともにご紹介します。

疑惑の生え際に目が釘付け!? 新作で本格アクションへ完全復帰!

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『リベンジ・リスト』で、復讐の鬼と化す元特殊工作員を演じたジョン・トラボルタ。若かりし頃は、リーゼントやロングヘアーが似合う男でしたが、御歳63歳となった現在でも妙にフサフサなのは、もはやミステリーです。本作では、数々の作品を手がけてきたメイクアップアーティストのステイシー・バターワースが彼のウィッグを担当していますが、果たしてどこまでがウィッグなのか……。彼の髪に関してはさまざまな説が飛び交っていますが、彼自身が“髪ングアウト”をしていない以上、ここで不毛な議論を行うつもりは毛頭ありません。

事件を闇へと葬った悪徳警官と裏社会の組織に怒りの制裁を加えていくトラボルタの姿は、名作『フェイス/オフ』(1997)とも甲乙つけがたいハマりっぷり。往年の肉体派への回帰を図ったトラボルタですが、60代にしてその肉体を維持できていることが生え際以上にミステリーかもしれません。

作品ごとに華麗なる変貌をとげるヘアに観客も困り顔!?

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『フェイス/オフ』でトラボルタの宿敵を演じたニコラス・ケイジですが、奇しくも『リベンジ・リスト』と同日の6月17日に、主演作『ドッグ・イート・ドッグ』が公開。どん底人生からの一発逆転を狙い、地元ギャングから報酬75万ドルの大仕事を請け負った前科者に扮しています。

若い頃はフサフサでしたが、後退していく生え際と反比例するように色気と説得力が増し、現在の地位と名声を手にしたニコケイ。ただ、作品によって髪型が奇抜に変わることも多く、ストーリーよりも髪の毛に気を取られる人も少なくないはず……。得意の“困り顔”連発の本作では、哀愁を漂わせた男の魅力を放っていますが、頭に気を取られず、円熟味の増した彼の姿を目に焼きつけましょう。

毛根以外は不死身のオヤジに世の女性もメロメロ?

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かつて「男ってのは、髪の量で決まるんじゃない!ハートで決まるんだ!」という名言を吐いた“ハゲてもカッコいい男”の代表格ブルース・ウィリスは、女優デミ・ムーアのハートを射止めて結婚(のちに離婚)し、その後は美人モデルと再婚を果たすなど、世の薄毛を気にする男に勇気と希望を与える存在です。

不可解な連続銀行強盗事件の真相を追うFBI捜査官の戦いを描いた『マローダーズ/襲撃者』(6月24日公開)で、ウィリスはどこか裏のありそうな銀行経営者を演じています。毛根は死んでも、不死身のオヤジを演じたら右に出る者はいない彼だからこそ出せる、渋さと貫禄がスクリーンから伝わってくるはずです。

3人とはちょっと毛色が違いますが、170億ドル相当の金塊をめぐる実話を映画化した『ゴールド/金塊の行方』(6月1日公開)で主演を務めたマシュー・マコノヒーは、特殊メイクによって見事なハゲ姿を披露しています。本作にはプロデューサーとしても参加し、頭に加え、メタボ体型と乱れた歯並びを作り上げるなど、役作りへの並々ならぬ本気度を見せています。スマートなイケメンのイメージをかなぐり捨てた彼の姿は一見の価値ありです。

Photo by Lewis Jacobs

第一線で若手俳優たちとしのぎを削りながら、生え際の後退とも静かな戦いを続ける親父スターたちの姿は、どこか男の哀愁を漂わせ、むしろカッコよさを醸し出しています。人はいつか禿げる。そんな抗うことのできない運命のいたずらに毅然と立ち向かう男たちが放つ輝きは、悩める者たちの希望の光となるでしょう。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)