映画『忍びの国』は7月1日より全国公開

『忍びの国』伊勢谷友介インタビュー

インタビュー

  • twitter
  • facebook
  • はてなブログ
  • google+
  • LINEで送る

かっこいい男は命の使い方を知っている

嵐の大野智がスゴ腕ながらも怠け者の伊賀忍者にふんして話題の戦国エンターテイメント『忍びの国』。人でなしの忍びと、圧倒的な武力を誇る織田軍との戦いが、史実を背景にダイナミックに描き出される同作で、もっとも侍らしい最強の侍を演じた伊勢谷友介。映画の撮影の様子とともに、自らの思う「カッコいい男」について語った。

ユニークな忍者像と現代への戒め

Q:いわゆる時代劇とは一線を画す少し変わったテイストの時代劇ですが、どこに魅力を感じて出演を決められましたか?

忍者のとらえ方が、従来の「笑みもなく暗躍している」という感じの作品とまったく違う表現になっています。今までにない忍者像で面白いと思いました。主人公も、ただの“イイモノ”ではない。むしろ、自分の欲望が自分の一番大切な者を失うきっかけになっている。欲に忠実な忍者の悪い部分が現世の我々に引き継がれていると思うので、そこをちゃんと意識しないといけないという戒めの要素があって面白いと思いました。

Q:「忍者の悪い部分が現代に引き継がれている」というのは?

僕が演じた日置大膳(へきだいぜん)は、自分を律しつつ、自分の信じた道を進む旧来型の侍です。そういう存在が淘汰される側として描かれている感じがしました。だから、今生きている僕らは自分の欲望に忠実な忍びの側。そういう意識で現代と照らし合わせながら観ると、すごく面白いと思います。

命の使い方を意識するカッコよさ

 

Q:大膳は劇中でひたすらかっこよかったですが、伊勢谷さんが思う「カッコいい生き方」とはどんなものですか?

僕が思うカッコいい人間は、自分の命の使い方をちゃんと意識している人です。自分が生きているこの時代を客観視して、どこに問題があるのか、その問題をクリアするためにどこを努力すべきなのかちゃんと理解してそれを行動に移し、きちんと生きる糧に変えられる人が僕の理想です。

Q:今の時代の問題点は何だと思いますか?

今、地球の再生能力を超えて消費していると言われています。ということは、未来の人たちが見たら、今生きている人たちの未来を全く考えていない行動に憤りを覚えますよね。それを改善しようという意識を持たないといけない。「志を立てて、以て万事の源となす」という吉田松陰先生の言葉にすべて帰着すると思っています。志を持つことがすべての源になるという意味です。

Q:伊勢谷さんはご自身の会社「REBIRTH PROJECT」で、エシカルエコノミーの啓蒙や震災復興支援などの社会活動を行い、それを実行されていますね。

それも松陰先生の「知行合一(ちこうごういつ)」という言葉の現れです。知識だけでは意味がない、行いが伴ってこそ知識は意味があるという意味です。知ることと行うことは合わせて一つ。知っていても行わなければ知らないのと一緒ですからね。松陰先生の時代は本作とも現代とも離れていますが、一人の人間の生き方として、与えられた時間や条件を未来に対してどう使っていくのかというところは同じだと思っています。命をきちんと大事にすることで、その意思はたとえ死んだ後でも引き継がれていくと思います。

人間の面白さに魅了された

Q:大膳を演じるにあたって、心掛けたことはどこですか?

時代劇らしからぬ現代語での会話みたいな雰囲気とは違う流れを作らなければいけないと意識して、アカデミックに演じることが役目だと思いました。王道のまっすぐなラインで、軽く見えないように心掛けました。

Q:アクションや大人数のシーンが多く、撮影は大変だったのではないですか?

僕自身はそれほど大変ではなくて、むしろもっとアクションシーンをやりたかったです。弓や大槍を扱ったシーンも撮影したんですが、残念ながらカットされていまして(笑)。でも、鎧の形やバランスなどグラフィカルなところを、監督や美術部さんがすごく意識して作ってくださって、カッコよくしていただきました。作っていただいたところに僕がキャラクターを合わせていくほうがいいと思っているので、本作に限らず俳優として参加するときは、すべからくそうするようにしています。

Q:主演の大野さんとの初共演のご感想は?

忍者側のテンションを司る立場ですからそういうスタンスだったのかもしれませんが、「いつ本気出すんですか?」って聞きたくなるくらい、ひょうひょうとされていました(笑)。アクションで覚えなきゃいけないことがたくさんあっても、常にリラックスして臨んでいるという印象でした。

Q:完成品をご覧になって、どう感じられましたか?

エンターテイメントとして本当に面白かった(笑)。次から次へといろいろ出てくるので、飽きずに観られました。意外とそこは重要なファクターだと思います。人間の面白さという部分で魅了された感じで、アクションシーンもよかったんですが、僕はキャラクターの生きざまが描かれた部分が一番楽しめました。僕自身については、「おじさんになったな」と思いました(笑)。実際に年も取っていますけど、劇中のポジションというか、立場として。役者は常に人の評価の中で生きる職業なので、与えられた中で最大限にやっていくことの繰り返しです。今後もその中で頑張りたいと思います。

取材・文:早川あゆみ 写真:日吉永遠

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)

関連映画

マイシアターとは?
お気に入りの映画館を「マイシアター」に設定しておくと、上映中の作品やスケジュールがかんたんに確認できるようになります。
マイシアターは2つまで設定できます。