『君の膵臓をたべたい』7月28日より全国東宝系にてロードショー
(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社

映画化で原作本はどこまで売れる?2017年上半期公開作から探る

コラム

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文=平辻哲也/Avanti Press

読んでから見るか、見てから読むか? これはメディアミックス戦略のパイオニア、角川書店の往年のキャッチコピーだが、 映画が公開されることで本は売れる。上半期に公開された映画と、公開に連動して再ブレイクした本についていくつかのトピックスを紹介する。

映像化で注目度アップ! 古い作品も続々重版

日販調べの2017年上半期文庫ベストセラーランキングを見ると、映像化作品が10位のうち7作もランクインしている。

1位は4月期にTBS系でドラマ化された「リバース」(湊かなえ)、2位はNetflixで昨年ドラマ化、今年2月にはNHKで放送された「火花」(又吉直樹)、4位は小松菜奈、福士蒼汰主演で映画化された「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(七月隆文)、5位は2013年にドラマ化、今年2月には実写とアニメのW映画化も決定した「ビブリア古書堂の事件手帖(7)」(三上延)。昨年公開され、興収約250億円のメガヒットとなったアニメ映画のノベライズ「小説 君の名は。」(新海誠)は6位にランクイン。7位は浜辺美波、北村匠海のW主演の映画で7月28日から公開される「君の膵臓をたべたい」(住野よる)、10位はテレビと映画でアニメ化された「ソードアート・オンライン(19)」だ。

新海誠『小説 君の名は。』(角川文庫)、『この世界の片隅に』 (C)こうの史代/双葉社

『君の名は。』人気は根強く、その勢いは出版業界にも及んでいる。同じアニメで言えば、昨年11月12日に封切られ、いまだ公開が続いている『この世界の片隅に』の同名原作コミック(こうの史代)もロングセラーとなっている。コミック部門では実写映画が7月29日公開の「東京喰種:re」(石田スイ)も5、9位にランクインしている。

今や、初版数百、数万部で大ヒット、10万部以上で大ベストセラーと言われる出版業界だが、一度、ブレイクすれば、儲けは大きい。ハリウッドでの実写ドラマ化が発表された人気コミック「ONE PIECE」の尾田栄一郎さんの推定年収は31億円とも言われ、話題になった。

書店では、世の中の動きに敏感に反応して、特集の棚を作ったり、広告用のポップを飾るなど絶えず工夫している。都内の書店チェーンで話を聞いた。

「ヒット映画の原作は総じて、売れますね。海外ものは難しいのですが、『美女と野獣』はノベライズだけでなく、原作もよく出ました。コミックでは、羽海野チカさんの『3月のライオン』も。アニメ放送もあって、まとめ買いが多かっただけでなく、『ハチミツとクローバー』など過去作のお買上げもありました。マーティン・スコセッシ監督が映画化した遠藤周作の『沈黙』(1966年発表)は古い作品なので、難しいかと思いましたが、意外と動きました」

左からボーモン夫人/村松潔 訳『美女と野獣』(新潮文庫)、
羽海野チカ『3月のライオン』(白泉社)、遠藤周作『沈黙』(新潮文庫)

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)

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