(C)2017「アウトレイジ 最終章」製作委員会

強面役がハマりすぎる男・ピエール瀧、怖さマックスの『アウトレイジ』最新作では意外にも雑魚!?

コラム

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強面おじさんのオールスター映画『アウトレイジ』シリーズの最新作『アウトレイジ 最終章』(10月7日公開)に初参戦し、名だたる強面俳優たちの仲間入りを果たしたピエール瀧。両肩に掘られた入れ墨姿で吠えるような顔は、強面おじさんたちの中でも群を抜く恐ろしさです。その姿からはむせ返るような貫禄が溢れ出ているピエール、それもそのはず、これまでにもその強面を存分に活かした強烈な役どころを数多く演じてきました。ところが本作では強面でありながら「実は雑魚!?」と首をかしげてしまうようなコミカルな演技を披露しているのです。

珍エピソードの宝庫!ピエール瀧って一体何者?

念のため、ご存じない方のためにご説明しますと、ピエールの本業はミュージシャンで、テクノバンド“電気グルーヴ”のフロントマン。ドイツ公演の際にケンタウロスの格好をして、地元新聞の一面を飾ったり、富士山の着ぐるみで歌い、踊ったり、と超真剣におバカなパフォーマンスを行っています。

さらに、過去には阪神の入団テストを不合格になったり、演歌歌手としてもデビューした、異色な経歴の持ち主。その後、ナレーターやタレントとして活躍の場を広げ、近年では俳優としても数々の作品に出演し、幅広い役柄を演じています。

まさに凶悪!怖すぎる元暴力団組長の死刑囚

そんなピエールが「完全にハマり役」と絶賛され、俳優としての評価を確固たるものにしたのが、実話を基にした映画『凶悪』(2013年)です。ピエール扮する死刑囚の告発を元に、事件の真相が暴かれていく本作の白眉は、ピエールが呑んだくれの老人を、さらに酒浸りにして保険金殺人を行うシーン。

嫌がる老人に無理やり酒を飲ませ、笑いながらスタンガンでいたぶるピエールの真に迫った演技は、まるでプライベートの映像が流失したのかと思えるほど生々しく、まさに“凶悪”そのものでした。

「ハハッ!」と笑いながら人を瞬殺するパラサイト

人間を捕食するパラサイトとの壮絶な戦いを描いた映画『寄生獣 完結編』(2015年)では、両手を何mも伸ばしながら笑顔で追いかけてくるパラサイトを好演しているピエール。その引きつったぎこちない笑顔は、気持ち悪さを通り越して心地悪さすら、感じさせました。

完成披露の舞台挨拶では、「お酢を飲んだり、グルコサミンを摂ったりして関節が伸びるように必死で鍛えました」と冗談を飛ばしたピエールですが、そんなお茶らけた言葉とは裏腹に“人を食ったような演技”は称賛を浴びました。

新人刑事を悪の道へいざなう県警随一の悪徳刑事

実際にあった警察の不祥事を基にした映画『日本で一番悪い奴ら』(2016年)では、新米刑事が悪に染まるきっかけを与える先輩刑事を演じたピエール。「グッチョングッチョンになりゃいいんだよ…」と新人に“刑事のイロハ”をレクチャーしながら、ホステスの胸を揉みまくるピエールの顔は、善良な刑事のそれではなく、完全に成り上がった悪党そのもの。

「グッチョングッチョン」というセリフの言い方といやらしい表情が見事にマッチングしており、恐ろしさに加えて、いやらしさまで表現するピエールの底知れない魅力が溢れ出る1本でした。

迫力満点!全身入れ墨びっしりの暴力団幹部

そして『アウトレイジ 最終章』でも、ピエールは花菱会の幹部・花田を凄みたっぷりに演じきっています。しかし、「ヘイヘイ」と兄貴分たちのご機嫌をうかがったり、ビートたけし演じる大友にもナメられたりと、これまで演じてきた極悪人のイメージとは一味違った雑魚キャラな一面も。

抗争の発端となる事件を起こしておきながら「どうしたらいいんですかねー」と、とぼけて見せたりと、新たな境地に達したピエールの演技は、シリーズ待望の新作を待ち焦がれるファンだけでなく、“ピエール・ウォッチャー”にとっても必見の作品となりそうです。

このような怪演ぶりについつい目を向けがちですが、映画『アナと雪の女王』(2014年)では、ピエールは陽気な雪だるま・オラフの日本語吹き替えを担当したりと、コミカルな役も意のままに幅広く演じています。あくまでミュージシャンに軸足を置きながらも、もはや日本映画には欠かせない唯一無二の存在となったピエール瀧。俳優としての彼の活動に今後も注目です。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼

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