(C)2016 Ironworks Productions, LLC.

世界的名声からアルコール依存症に…ダニエル・ラドクリフは私生活も役も“迷走”が止まらない!

コラム

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『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)の公開から早16年……。ハーマイオニー役でデビューしたエマ・ワトソンは、2000年代で最も高い興収を上げた女優としてギネス認定され、今や名実ともにハリウッドを代表する女優へと上り詰めました。

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一方、ハリー役のダニエル・ラドクリフは、アルコール依存症や群発頭痛に悩まされ、その私生活は波乱万丈。大作映画に出演するわけでもなく、その存在感も薄くなっている彼ですが、実は私たちの知らないうちに独自の路線を歩みだしていたのです。

ミステリー?ファンタジー? 分類不能な唯一無二の力作

ラドクリフが、おかしな方向へ走り出したのが、不思議な力を宿す角が突然生えてきた男というインパクト大な役を演じた『ホーンズ 容疑者と告白の角』(2015年)からです。この角を前にすると、なぜか周囲の人が心の内に秘めた欲望をさらけ出してしまいます。この角を利用して、恋人殺しの汚名を着させられた主人公イグ(ラドクリフ)が、真犯人を探し出していくという、ミステリーともファンタジーともとれる唯一無二な作品です。

冒頭では恋人の死を嘆いたり、角の力に戸惑いを見せたりと、繊細な一面を見せるイグ。しかし、残酷な現実を突きつけられる中で次第に狂気へ駆り立てられ、外見も内面も悪魔的な変貌を遂げていきます。吹っ切れた感のあるラドクリフの姿からは、演技を超えた狂気的な何かを感じずにはいられません。

スキンヘッドが眩しい!ゴリゴリのネオナチ役に挑んだ意欲作

丸メガネの可愛らしい少年。そんな彼のイメージをガラッと変えた作品があります。ラドクリフ演じる内気なFBI捜査官ネイトが、白人至上主義の組織へ潜入し、命懸けで計画を食い止めようとする映画『アンダーカバー』(2016年)です。実際に潜入捜査を行っていた捜査官の体験が基になっており、ラドクリフは役作りの際、その捜査官から話を聞き、数多くの白人至上主義の本を読み漁ったそう。

劇中で自らの頭を丸刈りにするシーンでは、「ハリポタ」のイメージからの脱却を図ろうとする彼の覚悟を感じさせます。こけた頰と鋭い目つきで乱暴な言葉を吐き散らす姿には、もうあの頃の面影は残っていません……。

主役はまさかの死体!? 賛否両論を巻き起こした怪作

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俳優として試行錯誤を繰り返すラドクリフ。そんな彼の最新作が『スイス・アーミー・マン』(2017年9月22日公開)です。なんとラドクリフが演じたのは、スイス・アーミー・ナイフ(十徳ナイフ)のような万能性を備えた“便利な死体”という、どうかしているとしか思えない役。

体内に溜まった腐敗ガスをお尻から噴射して、ジェットスキーのように海上を疾走したかと思えば、死後硬直でカッチカチになった腕を“斧”代わりにして大木を一刀両断。しかも死んでいるのに、なぜか“会話機能”まで備えており、ひとりぼっちでも寂しさを感じさせないという高性能ぶりには、笑わずにはいられません。

瞬きを一切しない大きく開いたままの目や、引きつった笑みは、シンプルに気持ち悪く不気味。新境地へと達したラドクリフの怪演が堪能できる本作ですが、サンダンス映画祭で上映された際には、下品なギャグに途中で席を立つ人もいたとか。それでも最優秀監督賞を受賞するなど、賛否両論を巻き起こしました。

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11歳でハリー・ポッターを演じ、世界的な名声を得たかと思えば、私生活では辛い時期を経験したラドクリフ。次々と自身のイメージを覆すような奇抜な役柄に果敢に挑戦し、怪優となった彼の今後の作品選びにも注目です。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼

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