近年、「低視聴率」といわれ、苦戦を伝えられることが多くなったフジテレビ伝統のドラマ枠「月9」。ところが、7月17日より7年ぶりにレギュラー放送が開始となった山下智久主演『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』の平均視聴率が初回16%を記録、その後も高視聴率を記録して、伝統の月9の輝きを取り戻しているようだ。バブル期から続くフジテレビの看板である月9ドラマ、その高視聴率歴代上位を占めているのは、ご存じ「木村拓哉」である。

「キムタク=月9」という図式が成り立つ高視聴率男ぶり。その秘訣は…!?

歴代高視聴率1位は、2001年に放送されたキムタク主演の『HERO』だ。さらに、2位もキムタク主演の『プライド』というワンツーフィニッシュ。また、4、5位もキムタク主演ドラマと、まさに「キムタク=月9」という図式が成り立つ高視聴率男ぶりなのだ。これだけ高視聴率が集中すると、その実力を認めざるを得ないだろう。いったいどこにその秘密があるのだろうか……?

長台詞も完璧に演じ切る“役者魂”

2014年、13年振りにレギュラー放送された『HERO』第2シリーズで共演した女優・吉田羊によると、最終回の法廷シーンでは、木村ほぼ一人で話す長台詞があったものの、リハーサルから1回もNGを出さずに完璧に演じきったとのこと。さらに、台本が届いたのがSMAPの出演した『武器はテレビ。SMAP×FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)の2、3日前で、セリフを覚える暇などないはずであり、吉田がどうやって覚えたのかと尋ねると「アニメを放送していた30分休憩の間に覚えた」と答えたのだという。吉田いわく、「(木村は)台本を覚えるにしても、普通の人が1時間くらいかかるところを1分位で覚えちゃうんじゃないか。それくらいの集中力を持ってらっしゃるんじゃないか、という私の予想です」とのこと。まさに、ガチな“HERO”である。

また、首相役を演じた2008年の月9『CHANGE』の最終話でも、台本15ページ分、20分を超える長台詞を、カットなしの一発OKで完璧に演じきったことで注目を浴びた。どんなときもプロ意識を持ち、演技に挑むキムタクには感服せざるを得ない。

裏方スタッフを必ず名前で呼ぶという

また、キムタクは、多くのスタッフが携わるドラマの現場でも、一人一人の名前を覚え、大道具スタッフ、カメラや照明のアシスタントまで必ず名前で呼び、チームで作り上げている感を大切にしているのだという。また、あだ名で呼ぶこともあるのだとか。そんなことをされたらどんな人も「キムタクのために良い仕事をしよう」と思ってしまうのが当たり前だろう。高視聴率の秘密は、キムタクのそんな気配りにもあるのではないだろうか。

ちなみに、月9ドラマ歴代視聴率ベスト5で唯一キムタクの名がないドラマは、香取慎吾主演『西遊記』だ。つくづくSMAPのメンバーが愛されていたことを物語っているように思える。

徹底したプロ根性や細かな気配りによって成し遂げられてきたといえるだろうキムタクの高視聴率伝説。今後、キムタクを超える「月9」のHEROが現れるのか……楽しみである。

(文/ゆきかたとも)