Albert L. Ortega gettyimages/イベントでゾンビのメイクをしたファンに囲まれるジョージ・A・ロメロ監督

正統派からコメディ、新要素“ウイルス感染”まで! 世界的人気「ゾンビ映画」の軌跡

コラム

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『ウォーキング・デッド』がロングヒットを飛ばし、『バイオハザード』は6作目まで製作され、日本でも昨年、『アイアムアヒーロー』が映画化されてヒットするなど、世界的にもゾンビものはすでに人気ジャンルとして確立していますが、ゾンビの第一人者と言えるのが今年7月16日に亡くなったジョージ・A・ロメロ監督。彼が1968年に製作した『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』がカルト的な人気を博したことから、正統派からアクション系、コメディ系など、現在のゾンビものの増殖に繋がっていると言っても過言ではありません。そこでゾンビ映画の軌跡を振り返ってみます。

ジョージ・A・ロメロ監督の三部作はゾンビの基本

死者が甦るという設定の作品は1930年代からあるものの、いわゆるゾンビものとしてジャンルを確立したのは、やはりジョージ・A・ロメロ監督の1968年製作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(原題:Night of the Living Dead)、1978年の『ゾンビ』(原題:Dawn of the Dead)、1985年の『死霊のえじき』(原題:Day of the Dead)というゾンビ三部作。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は、ゆっくり歩く、人を襲う、襲われて噛まれた人もまたゾンビになるという基本スタイルが出来上がった作品。まさにリビングデッド=生ける屍というわけです。ちなみにゾンビものでよく見られるショッピングモールに避難するという設定は『ゾンビ』で初登場。この『ゾンビ』は、イタリアのホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェントが『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を観てロメロの才能を確信、製作費を集めて作らせた作品です。

ゾンビはコメディとも相性バッチリ

トビー・マグワイア主演版『スパイダーマン』シリーズで一気にメジャーとなったサム・ライミ監督はキャリアの初期はカルト的なホラーの名作を多く発表してきた人。そんな彼の『死霊のはらわた』シリーズは正確にはゾンビとは言えないけれど今も根強い人気を誇る作品。特に『死霊のはらわたII』(1987年)はアメリカのエンターテインメント・ウィークリー誌の「ゾンビコメディ・ベスト12」でも2位に選ばれるほどです。このランキングで堂々の1位に選ばれているのが『ベイビー・ドライバー』(2017年)が公開されたばかりのエドガー・ライト監督、サイモン・ペグ&ニック・フロスト出演の『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)。ジョージ・A・ロメロを敬愛するエドガー・ライトが『ゾンビ』をパロディ、無気力な主人公ショーンが街中にあふれたゾンビをユルく退治していく様が笑えます。ちなみにエドガーはこの作品をきっかけにロメロが2005年に監督した『ランド・オブ・ザ・デッド』にゾンビ役でカメオ出演しています。パロディと言えば『バタリアン』(1985年)もそうで、こちらの元となっているのは同じくロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』です。

走るゾンビには恐怖も倍増!

走るゾンビが最初に出てきたのは1980年のイタリア映画『ナイトメア・シティ』。走ったり凶器を用いたり車の運転をしたりと、生ける屍というより知性を残した超人っぽくてかなり怖いです。その後、『28日後…』(2002年)でも人間を狂暴化させる謎のウイルスが蔓延した世の中で、ウイルスの感染者が全力疾走で追いかけてくる様子が描かれています。『バイオハザード』シリーズでも生物兵器T-ウイルスが漏洩して、人間ばかりか動物までも感染してゾンビ化していました。そして日本で公開されるゾンビ映画の最新作にして傑作の呼び声が高いのが、韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(9月1日公開)。韓国版新幹線であるソウル発釜山行きの高速鉄道KTXの中で、謎のウイルスによるパンデミックパニックを描いています。こちらも全力で走ってくる“ゾンビ”で、人間が襲われて感染するのも激早! 車内という密室の中で、乗客がどのようにサバイバルしていくかに注目です。

文=安藤千晴

記事制作 : 熊谷真由子

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