文=平辻哲也/Avanti Press

劇場映画第2弾が公開中の話題のエンタテインメント・プロジェクト「HiGH&LOW」シリーズ。9月10日(日)までよみうりランドにて開催されている「HiGH&LOW THE LAND」と「HiGH&LOW THE MUSEUM」は、その世界観を完全再現した“最強の夏祭り”イベントだ。土日祝日には、『HiGH&LOW THE MOVIE』(2016年夏公開)のアクションシーンなどを増やした約30分長いSPECIAL EDITIONの応援上映も開催中。「HiGH&LOW」知識が限りなくゼロに近い48歳男性の目線でレポートする。

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映画も旅も、気ままな一人派の48歳。これまでアニメ「KING OF PRISM」の応援上映、成田HUMAXシネマズのペアシート専門劇場「フタリウム」訪問など “場違い”な映画体験を繰り広げてきた。が……さすがに、遊園地に一人で出かけるのは人生初。おまけに、私は千葉市在住。東京・稲城にある「よみうりランド」までは片道2時間半。東京都を横断するという、ちょっとした旅なのだ。

ゴンドラから見たよみうりランド

ゴンドラに乗って、いざ「HiGH&LOW」の世界観に突入

応援上映とは、映画のシーンや音楽に合わせて、観客がサイリウムやフラッグを振ったり、手拍子や掛け声を送って自由に楽しむことができるというスタイル。「キンプラ」の応援上映では予告編からサイリウムの光と声が飛び、ビックリ。おまけに妙な一体感もあって、知らないなりに、かなり楽しかった。ドラマを見たことがないハイローも楽しめるか? 今回もあえて事前情報は封印して向かうことにした。

チケットは前日の8月18日、オンラインで購入。入園券と映画の鑑賞券込みで3000円。土日開催の応援上映は12時半、16時の2回で、出演者による舞台あいさつもある。劇場版第2弾『END OF SKY』の公開初日である19日に登壇するのは、「White Rascals」の遠藤雄弥、西川俊介と「鬼邪高校」の鈴木貴之、一ノ瀬ワタル、青木健だ。……と書いたものの、「鬼邪高校」って、どう読むんだ? 「横浜銀蝿」世代なので、「仏恥義理(ぶっちぎり)」とか「夜露死苦(よろしく)」なら分かるが……。

さて、電車を乗り継いで、やってきました、京王よみうりランド駅。駅からよみうりランドまでは、ゴンドラ(片道300円、往復500円)。6人乗りに一人。ここからして、アウェー。この日は「夕方から大荒れになるかも」というビミョーな天気予報だが、曇り空。ゴンドラが高度を上げると、調布の街と地平線が見えて、ちょっとテンションも上がる。

ゴンドラから見た調布の街

入園すると、ハイロー一色。お化け屋敷、観覧車、ジェットコースター、タワー、バンジージャンプといったアトラクションもコラボ展開中。大小さまざまな看板や横断幕があり、会場の「日テレらんらんホール」までは矢印通りに行けば、迷うことはない。園内には土曜日とあって、家族連れ、カップル、10~20代の女性ファンの姿が目につく。ファンはタオルマフラーを巻き、Tシャツを着ているので、一目瞭然だ。

いざ、会場へ

入り口で、非売品の「特製うちわ」をゲット。チームごとに違うバージョンがあるとのこと。「うれしい、〇〇だ」「〇〇が欲しかったな」という声も聞こえる。私が手にしたのは「RUDE BOYS」。少しググってみると、窪田正孝演じるスモーキーが率いるグループらしい。これも何かの縁だ。「RUDE BOYS」を応援しよう。

待ち遠しいハイローの世界

会場はほとんどが10~20代の女性だが、1割くらい男性も。10~20代くらいの若者がほとんどだが、同年代の男性も発見。TシャツもEXILE関連。よく見れば、中学生くらいの娘さんと奥さんが隣に。一家揃ってのファンらしい。さすがにアラフィフ一人はいない。

お化け屋敷とのコラボ

鬼邪高校メンバー登場で盛り上がった舞台挨拶

応援上映会は、最新作の予告編からスタート。隣の20前後の女性2人組はサイリウムを用意し、点灯させる。しかし、会場の光は少なめ。女性客は声援を送りたいようだったが、雰囲気に押されて、小さくサイリウムを振るだけだった。「キンプラ」はこんなものじゃなかったぞ。会場はサイリウムだらけだった。どうした? ハイローファン。元気ないぞ。むしろ、ファンに声援を送りたくなった。頑張れ! ファン! (後で冷静に考えると、『HiGH&LOW THE MOVIE2 END OF SKY』の公開初日と重なったことも大きかったかもしれない)。

ストーリーは、5つのチームが仕切る街「SWORD」に、かつて「ムゲン」のリーダーとして、この街を統治していた男、琥珀(AKIRA)が帰還することから始まる。ほかの街の連中と手を組んで、街を破壊。5つのチームのリーダーたちはその裏切りに戸惑いながらも、立ち上がる……。「全員主役」と謳うだけに、登場人物がとにかく多くて、顔と名前を一致させるだけでも大変。だが、巨大な街のセット、数百人規模の群衆シーンは金がかかっていて、本気感は伝わってくる。ダンスが得意な音楽グループ所属の出演者によるアクションも見ものだ。

世界観ただよう「THE MUSEUM」

内容としては、石井聰互(現・岳龍)監督の『狂い咲きサンダーロード』(1980)や『爆裂都市 BURST CITY』(1982)を現代版にして、さらにお金をかけたような感じか。敵の反社会勢力・家村会の会長役に、中村達也の姿を見つけると、なんかホッとしてしまう。頑張れ、達也さん!! いかん、いかん、敵だった……。この日も応援上映は控えめなお客さんばかりなので、私も心の中でRUDE BOYSを応援する。

30分の特別映像は、映画の前段のストーリーに加え、劇中はアクションが中心で、右上に「HiGH&LOW」のロゴが表示される。なくてもいい没カットという気もするが、「おお」とか「かっこいい」とか声が聞こえてきたので、ファンには、お宝映像と言えるのだろう。

外に展示されていたフラッグ

一番盛り上がったのは、上映後の舞台あいさつ。上映中は少し元気がなかったファンも大声援。特に、「鬼邪高校」(おやこうこう=やっと読み方が分かった!)の強面のスキンヘッド、関虎太郎役の一ノ瀬ワタルの意外なシャイぶりに「かわいい!」と声が飛ぶ。その一ノ瀬がスマホを取り出し、リーダー役の山田裕貴に直電。山田は第2弾の初日舞台あいさつを終えて、ひと段落ついたところだったようで、「つけ麺食っていた」とか。こういうバックステージ話は面白いのだ。

サブリーダー役の鈴木貴之が印象的なことを言っていた。

「アクションばかりの映画に、たくさんの女性が見てくれて、ありがとう」

確かに、その通り。ハイローはとどのつまり、若者たちのグループ抗争の話である。それに、反社会勢力も絡む。『仁義なき戦い』や『爆裂都市』で女性ファンがいっぱいになることはない。EXILE TRIBE恐るべし。

ARアプリで“雨宮兄弟”と記念撮影

上映後はハイローの世界観を再現した「HiGH&LOW THE LAND」&「HiGH&LOW THE MUSEUM」の入場券(1000円)を買って、「THE MUSEUM」へ。こちらはドラマや映画のセット、実際に使用したバイク、衣装、小道具などを展示したスペース。 行列はさほどでもなかったが、入場制限がかかっていて、約30分待ち。

かっこいい展示品

その最中に、突然、「しばらくの間、ケータイをしまってもらえますか」とのアナウンス。なにかと思えば、さきほどの出演者が来場するので、写真撮影は控えてほしい、ということだった。ファンたちは、「間近に見られて、ラッキーだった」と満足そう。

「THE MUSEUM」の中の様子

映画を観たばかりのハイロー初心者でも、展示品にはちょっとした感動を覚える。これが大ファンなら、興奮間違いなし。中でも、AR技術を使った、出演者との記念写真は面白い。決まった位置に立ち、スマホの専用アプリ(無料)でパチリ。アラフィフおやじも、雨宮兄弟とポーズを決めてみた。

専用アプリでキャストとポーズを決めてみた

その直後の夕刻、突然の雷雨。気象庁の雷警報のレベルが上がったということで、「安全な施設で警報解除まで避難していて欲しい」と館内アナウンスが。園内は金属だらけなので、危ないらしい。想像を超える展開で、あっけない幕切れ。夏祭りの雰囲気を再現し、食事も楽しめる「HiGH&LOW THE LAND」への入場は叶わなかった。しかし、ハイローワールドを垣間見られ、貴重な体験だった。ファンなら一日中、もっともっと楽しめるだろう。最後に、1つだけ忠告したい。一人では絶対に行かないほうがいい。そんな人はいないと思うけど……(笑)。

「HiGH&LOW THE LAND」入れず……無念