映画『関ヶ原』は8月26日より全国公開

『関ヶ原』東出昌大 インタビュー

インタビュー

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深夜に筋トレ?岡田准一は規格外な先輩

司馬遼太郎の国民的ベストセラーを映画化した群像スペクタクル時代劇で、東出昌大が若き武将・小早川秀秋役に挑戦。裏切り者や卑怯者という従来のイメージを覆す、戦国史上最大の合戦の鍵を握るキーパーソン役への想い、役者としての「正義」について、真摯に語った。

全国の小早川さんへ

Q:東出さんから見た、本作の小早川秀秋の人物像は?

秀秋については優柔不断で愚鈍というイメージがありましたが、今回はその真逆をいくというか、“新説”として原田眞人監督が提示したいとおっしゃっていたんです。創り手のひとりとして、歴史におけるパブリックイメージを覆すというのは、ものすごい挑戦でした。

Q:撮影現場で特に意識されたことは?

“気持ちでやろう”と、そればかりでした。監督が本読みの段階から、「芝居のしゃべり方ではなく、本物のしゃべり方を」という演出をなさっていましたから。そうした監督の言葉や演出をちょっとずつ盗み見ながら、作品の方向性に沿っていきました。クランクインの前日に監督から「全国の小早川さんが胸を張れる秀秋になってくれ」と言われたので、その言葉が大きかったです。

Q:テレビドラマと映画の芝居では何か違いがありますか?

テレビドラマ「あなたのことはそれほど」では監督のご提案に沿って、離婚届を燃やしたり引き裂いたり、ヴィジュアル的な奇抜さを重視しました。これはある映画監督さんの受け売りですが、映画は大きさ的に瞬きひとつでタタミ一畳分くらいの表現になるから、画面が小さいテレビドラマの芝居とは違っていいんじゃないかと。映画のほうが“気持ち”の芝居を汲み取ってもらいやすいかもしれないです。

座長・岡田准一に2度びっくり

Q:初共演となる岡田准一さんの座長ぶりはいかがでしたか?

よいしょに取られたら微妙ですけど(笑)。100何十人が集まった本読みの段階で、唯一セリフが全部入っていて、台本を読まずにお芝居をなさっていたんです。撮影の4~5か月も前から、誰よりも多いセリフを入れて準備されている、その姿勢がまず、すごいなと。僕のこれまでの経験からは規格外、すごい大先輩だなと思いました。

Q:撮影現場での会話から刺激を受けたことは?

秀秋と三成のシーンはいつも緊迫していたので、雑談する雰囲気ではなかったんです。ただ聞いたところによると、岡田さんと島左近役の平岳大さんが合戦シーンの撮影中に「これ、(三成率いる)西軍が勝てんじゃね?」と話していたそうで(笑)、何てほのぼのしたいい会話だろうと思いました。岡田さんは普段の居ずまいが“いい兄貴”という感じ。僕はボーッとしているせいか、帰りの車内で「原田組はどう?」とか「体調は大丈夫?」とか気遣ってくださました。

Q:撮影中、岡田さんとはどんなやり取りをされたのですか?

深夜まで撮影があった日に、「こういう日は、帰って一杯飲んだりするんですか?」と聞いたら、「これくらいの時間に帰ったら、だいたいトレーニングをする」とおっしゃったんです。深夜12時過ぎに帰って筋トレって(笑)。僕はたぶんひと言、「信じられない」と言ったと思います。

監督の想いを背負って立つ人間に

Q:関ヶ原は三成にとって正義を貫くための戦いですが、東出さんにとっての「正義」とは?

三成のあとではスケールが違いすぎて話しにくいですけど(笑)。僕はありがたいことに、プロデューサーさんや監督が「〇年来温めた」という企画にも参加させていただくことが多いのですが、今回の原田監督の場合は構想25年とうかがいました。かつてはそういうお話を聞くのも怖い気がしていましたが、監督たちの長年の企画の最後の仕事を託されるのが役者だと思うようになりました。いまはきちんと向き合って、みなさんの覚悟、純真な想いを背負って立つ人間にならなければ、という気持ちです。

Q:「あなたのことはそれほど」の怪演も話題になりました。

ドラマの打ち上げで、監督に“今後の東出の課題”について尋ねたら、「もっとラクにやることも覚えなさい」と。「一生の仕事として選んだのだから、精一杯やろう」と思い、どこか頭でっかちになっていたんですけど、肩に力が入りすぎたらダメだよ、と言ってくださる方もいる。まだまだだと思います。

Q:歴史好きのご自身から見て、本作の注目ポイントは?

父親の影響で司馬遼太郎作品を読み始めたのですが、日本の一大決戦である関ヶ原の裏で展開した心理描写にも、僕らと大差ない人間ドラマを発見できることに面白さを感じました。たとえば「俺は間違ってない、これは正義だ!」とアツくなる三成に、右腕の島左近が「正義ばっかり振りかざしても周りはついてきませんよ」と諭す。それは「あいつは自分勝手だろ」「だけど正論だけじゃみんなはついてこないぜ」という、まさに大学のサークル内のポジション争いの如くで、岐阜の関ヶ原と学生街の居酒屋ではスケールは全然違うけど、本質が似ているところに感動がある。さらには歴史的事実として、当時なぜ失敗したのか、結果論も楽しむことができる。映画ならではの派手な合戦シーンも、ぜひ堪能していただきたいです。

取材・文:柴田メグミ 写真:日吉永遠

ヘアメイク:石川奈緒記

スタイリスト:檜垣健太郎(little friends) 

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)

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