(C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

冷酷無残な殺人者、裏切りの女スパイ…吉高由里子の世間のイメージと演技とのギャップが凄い!

コラム

  • twitter
  • facebook
  • はてなブログ
  • google+
  • LINEで送る

ハイボールのCMや、バラエティ番組等で見せる姿から、快活なイメージが強い吉高由里子。しかし、彼女の出演作を振り返ってみると、実はそんな印象を覆すような役柄も数多く演じてきました。そして、最新作『ユリゴコロ』(9月23日公開)では、能面のような冷たい表情で人を殺める殺人者を演じ、お茶の間の吉高とのギャップが過去最大級となっています。今回は、世間のイメージとの振れ幅がスゴい彼女の演技についてご紹介します。

世間のイメージを鮮やかに裏切る吉高の演技

(C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

テレビ番組などで見せる姿や、さまざまなエピソードから快活でどこかマイペースな人物という印象を持たれがちな吉高ですが、これまでさまざまな作品でそんな世間のイメージを鮮やかに裏切る演技を見せてきました。初めての主演映画となった『蛇にピアス』(2008年)では、そのキュートな笑顔を封印し、痛みによって生を実感する無気力な女性を熱演。話題を呼んだ大胆な濡れ場シーンでは、女優としての凄みを見せつけました。

『カイジ2 人生奪回ゲーム』(2011年)では、カイジを陥れる女スパイを好演。勝負を左右する局面で裏切りを繰り返す彼女の表情は、冷淡な中にも生きるための執念を感じさせる鬼気迫ったものでした。また全身整形したストーカーを演じた『重力ピエロ』(2009年)では、加瀬亮に「どこまでが演技か分からない。自分の想像を軽々と飛び越えてくる」と言わせる熱演を見せるなど、お茶の間で見せるものとは一味違った顔を見せてきました。

5年ぶりの主演映画で魅せた吉高の冷酷無残な一面

(C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

そして最新作『ユリゴコロ』で、吉高は初めて殺人者に挑戦し、これまでにないほど冷徹な表情を見せています。生まれながらに“人の死”に本能的な衝動を感じ、殺人を心の拠りどころに生きる吉高扮する美紗子。無表情で殺人を繰り返す、その冷たい目には、鳥肌が立つほどゾッとさせられてしまいます。

洋介との運命的な出会いで愛という感情を知り、人間性を帯びていきますが、一方で殺人から逃れられない悲しみを抱え、自らの葛藤を深めていく美紗子。吉高は、この複雑な感情を持つ難役を静かに、しかし感情的に演じきりました。

吉高の肝が据わった女優魂は“世界のニナガワ”こと蜷川幸雄も認めています。それは『蛇にピアス』の衣装合わせでのこと。吉高は監督の蜷川に「ほとんど裸の映画なのに、裸を見ないで撮れるんですか?」と言い放ち、バッと裸を見せたそうです。その後、蜷川は「撮影現場では傷つくことも言った、しかしそれには少しも動じない」と吉高を高く評価しています。このエピソードからも分かるように、演技のことになると人が変わったかのよう。役柄に応じて、時として明るい一面をシャットアウトする吉高。彼女がイメージと真逆の役でも見事に演じられるのは、演技へ取り組む真摯な姿勢ゆえなのでしょう。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼

関連映画

マイシアターとは?
お気に入りの映画館を「マイシアター」に設定しておくと、上映中の作品やスケジュールがかんたんに確認できるようになります。
マイシアターは2つまで設定できます。