結成20年目を迎えたモーニング娘。を中心とするハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)が、すさまじい勢いで変化している。黎明期から活動全般に携わってきたつんく♂が総合プロデューサーを退いたのをはじめ、結成、解散、加入、脱退などを経て新たな時代を迎えた実力派女性アイドル集団の現在とは。

2017年は、モーニング娘。結成20年のアニバーサリー・イヤー

今年、モーニング娘。が結成20周年を迎えた。1997年にテレビ番組「ASAYAN」のオーディション企画をきっかけに誕生した同グループは、「LOVEマシーン」などの大ヒットで黄金期を迎え、国民的グループに。その後、チャート・アクションが振るわない時期もあったが、2010年代に入り、フォーメーションダンス&EDM路線に転向したことをきっかけに再び全盛期を迎えている。とはいえ、ご存知のとおり、モーニング娘。はメンバー・チェンジを繰り返していくため、結成時のメンバーはすでにグループに所属していない。それどころか、現在のメンバーのほとんどは結成時に生まれてさえいない。

独自のカラーで多くのファンを魅了してきたハロー!プロジェクト

モーニング娘。を筆頭に女性アイドルが多数所属し、実力派アイドル集団と言われるハロプロも、前身の“Hello!”誕生から数えて今年で19年。来年20周年を迎える。モーニング娘。に結成から関わっていたつんく♂が、総合プロデューサーとして楽曲の制作をはじめ活動全般に携わり、その独自のカラーで多くのファンを魅了してきた。ハロプロに所属するグループには2つのタイプがあり、ひとつはモーニング娘。、アンジュルム(スマイレージ)のようにメンバー・チェンジを繰り返して伝統を受け継ぐタイプ。もうひとつはBerryz工房、℃-uteなどのように、基本的に固定のメンバーで活動していくタイプだ。

最大の激動期といえる、ここ数年のさまざまな動き

淡々と説明してきたが、モーニング娘。の再ブレイクと各グループへの注目度の上昇の一方で、ここ数年のハロプロはこれまでで最大の激動期にあったと言っていい。まず10年以上の歴史を紡いできたBerryz工房と℃-uteが2015年と今年に相次いで解散(Berryz工房は正しくは無期限活動停止)。2014年に喉頭がんを患っていることを公表したつんく♂が、同年10月に行われたモーニング娘。2014年のニューヨーク公演直後に総合プロデューサーを退任。新グループとして、Juice=Juice、カントリー・ガールズ、こぶしファクトリー、つばきファクトリーが生まれたものの、カントリー・ガールズは元Berryz工房の嗣永桃子が脱退(引退)、メンバー3人が他のグループに移籍し、残る2人も学業を優先することになった。その他、さまざまな理由によるメンバーの脱退(卒業)&加入も多くみられた。

つんく♂の手のひらから飛び出したハロプロの新たな時代

なかでも大きいのは、つんく♂の総合プロデューサー退任だろう。黎明期からほぼすべての楽曲を手がけ、グループ名の命名、メンバーの人選、コンサートのセットリストに至るまで活動全般に携わっていたことから、ハロプロはつんく♂の手のひらにあるものと多くの人が思っていたのではないか。少なくとも今のハロプロを作り上げた最大の功労者がつんく♂であることは間違いない。退任してからすでに約3年。つんく♂も一人の作家として楽曲を提供しているとはいえ、すでにハロプロは新たな時代を歩み始めている。当初はどこかつんく♂を意識していたように聞こえた、他の作家による楽曲からも次第に“つんく♂色”が抜け、メンバーたちの歌い方もかつてとは変わってきている。行き先はまだ見えない。でも彼女たちの乗った船は穏やかな風を帆に受け、新たな時代へ進み始めている。

この秋からモーニング娘。‘17は、結成20周年を記念してさまざまなイベントを開催する。まずは、9月14日(木)に新木場STUDIO COASTで行なう「モーニング娘。結成20周年記念イベント〜21年目もがんばっていきまっしょい!〜」。このイベントで披露する楽曲はファン投票で決定するだけに、ハロプロのこれまでを振り返る一夜にもなりそうだ。そして9月23日からは、全国ツアー「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋〜We are MORNING MUSUME。〜」を開催。20年間を振り返りながらも、21年目以降のさらなる飛躍を遂げようとする彼女たちは引き続き注目だ。

(文/上野正春@アドバンスワークス)