『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』は9月30日(土)公開 (C)LOCO DD 製作委員会

全員脱退、金欠、アルバイト…地方アイドルたちの“シビア”な現実

コラム

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AKB48やももクロなどの王道系アイドルだけでなく、地下アイドルから2.5次元アイドルまで多様化が進んだアイドルシーン。特に活動拠点を東京以外の地方においたローカルアイドル、通称“ロコドル”は増加の一途で、現在日本各地で900組以上のロコドルが活動していると言われています。

そんなロコドル3組の活動を追った映画『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』が9月30日に公開されます。女の子たちがひたむきに頑張る姿を切り取った本作は、地方で活動するアイドルの厳しい現状が伝わってくる、ある意味残酷な映画でもあるのです。

メンバー全員が脱退という異例の事態!

(C)LOCO DD 製作委員会

『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』は、長野の「オトメ☆コーポレーション」、福岡の「FantaRhyme(ファンタライム)」、静岡の「3776(ミナナロ)」の3組のアイドルを、3人の監督が追ったオムニバス映画。それぞれコンサートの舞台裏やファンとの交流、インタビューからなるドキュメンタリーパートと、ロコドルたちが主演を務めるドラマパートで構成された異色作です。

構成が異色なら、その中身もショッキング。田中要次が監督として「オトメ☆コーポレーション」の活動を追った一編「Last DAYS〜君といた場所〜」は、撮影期間中にメンバー全員がグループから脱退するという衝撃的な展開を迎えます。1000人の観客を集められなければ、全員脱退という条件の下、2016年に行われた初の全国ツアー「春闘全国総決起集会」。気になる結果は712人……。メンバーは全員脱退し、グループも7年間の活動にピリオドを打ちました。

カメラは、コンサートのステージ上でメンバーがファンに“全員脱退”を伝えるという残酷な瞬間もとらえています。脱退後、他のグループへ移籍して、再起を図る子もいれば、表舞台を去り、裏方として再起を図る子もいます。そんな女の子たちの人生の決断を生々しく活写。結果が出なければ、お払い箱という、シビアな世界を垣間見ることができます。

落ちてる500円玉に思わず反応!? アイドルもつらいよ…

(C)LOCO DD 製作委員会

芸能界の華やかさと一線を画した、等身大な一面もロコドルの魅力の一つです。グループの大半が赤字だと言われている地方アイドルは、ライブやレッスンなどアイドルとしての活動の傍ら、アルバイトをしている女の子も決して珍しくありません。

福岡の「FantaRhyme」が出演する一編「ファンタスティック ライムズ!」では、熱気あふれるコンサートシーンと並行して、ステージを降りた彼女たちの姿がドラマで描かれます。メンバーの二人が喫茶店でアルバイトをしていたり、偶然通りかかった公園で落ちている500円玉を思わず拾い上げてしまったり……と、アイドル活動だけでは成り立たない生活の厳しさにもスポットが当てられています。

しかし、苦しい生活にも負けずに、アイドルとして活動を続ける二人。「自分がしようことも夢も、全部胸張って生きれる」という力強いセリフからは、フィクションの壁を通り越し、リアルな感情が伝わってくるはずです。

メイクも物販もモチロン自分たちでやります!

メジャーデビューしているアイドルとは異なり、金銭的な理由から必要最小限のスタッフで運営されるロコドル。例えば「オトメ☆コーポレーション」のメンバーは、新宿で行われた最後のコンサートの控え室で、メンバーがお互いに髪をセットし合います。さらにはコンサート終了後には、疲れた体にムチを入れ、物販の呼び込みまで行うんです。ステージ裏でのメンバー同士の仲睦まじげな様子や、ファンと交流する姿は、メジャーアイドルとは違った魅力に満ち溢れているのです。

ステージ上の華やかなイメージと、その裏側にある汗と涙を、見る者に突きつける『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』。ステージ上での笑顔が眩しければ眩しいほど、現実とのギャップに、なんだかちょっぴりビターな気持ちになります。しかしそんな現実にも負けず、ステージを夢見る女の子たちと、それを応援するファンがいる限り、各地にロコドルは生まれ続けることでしょう。

(文/スズキヒロシ・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼

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