8月9日に18thシングル「逃げ水」をリリースした乃木坂46。同作では、昨年9月に加入した「三期生」から、大園桃子と与田祐希がWセンターを務めているが、オリコンの週間シングルランキングで17作連続の初登場1位を獲得。改めて押しも押されもせぬ国民的なアイドル・グループとしての圧倒的なパワーを見せつけた。

彼女たちは現在、“乃木坂46 真夏の全国ツアー2017”を開催中。そのスタートとなった7月1日、2日の東京・明治神宮野球場では、テレビ東京系「乃木坂工事中」で共演しているバナナマンの日村勇紀が“ヒム子”としてサプライズ登場。さらには、ツアー・ファイナルとして東京ドーム2DAYSを行うことを発表(11月開催予定。詳細未定)。会場では「このメンバーでやっとあそこに行けるんだと思うと、こみ上げるものがある」と涙ぐむ生駒里奈の姿が印象的だった。

ターニングポイントになるかもしれない初の東京ドーム

そんな中、ファンの間では「東京ドーム公演がターニングポイントになるかもしれない」と噂されている。そうした予想を呼ぶ背景には、加入して約1年となる三期生の台頭がある。今年2月に3日間行われた“乃木坂46 5th YEAR BIRTHDAY LIVE”では、初日は「橋本奈々未卒業コンサート」と題され、中心メンバーとして生駒や白石麻衣らとともに乃木坂46を築き上げてきた橋本奈々未が卒業し、芸能界からも引退。そして2日目からは三期生が、初めてBIRTHDAY LIVEのステージに登場。乃木坂46は毎年恒例のライヴ・イベントで、1つの時代の終わりと新たな時代の幕開けを示した。

三期生は、その後17thシングル「インフルエンサー」のカップリングに「三番目の風」を収録。“乃木坂46 三期生単独ライブ”全8公演も成功を収めた。活発化する活動に比例し、それぞれの人気もうなぎ上り。最新シングルとなる「逃げ水」では大園、与田がセンターを務め、メンバーの久保史緒里は女性ファッション誌『Seventeen』の専属モデルに起用されることとなった。グループにとって三期生は、まさに三番目の風となっている。

それだけに乃木坂46が主要メンバーの卒業を見越し、早くから三期生をプッシュすることで世代交代をスムーズに行おうとしているのではないか、といった憶測が広がるのも無理からぬことだ。

乃木坂46からアイドル・グループの世代交代雛形が生まれる!?

ニューシングル「逃げ水」の選抜18名を見ると、14人が20歳超え。お姉さんメンバーとして人気の衛藤美彩、白石、新内眞衣、松村沙友理などは20代後半を迎えようとしている。先日のAKB総選挙で卒業を発表した渡辺麻友(AKB48)が23歳であることを考えると、ファンも“いつ誰が卒業することになっても……”と少なからず覚悟を決めている部分があるはずだ。

とはいえ、本来はグループを活性化させる意味での世代交代なのだが、その過程には困難も付きまとう。どうしてもファンは勢いを増していく状況の中、グループのカラーを作ったメンバーに思い入れがあるもの。それだけに作戦としてその先の一手をきっちり読んでいかないと、新旧メンバーのパワー・バランスが崩れることにもなる。

一方、乃木坂46の三期生には、グループが登場した時の初々しさや清楚さがある。そして6年前の生駒たちのように、まだ何色にも染められていないからこそのさまざまな可能性を感じる。また、加入当初からの積極的な活動展開により、すでに一、二期生の人気を脅かすメンバーも登場。世代交代に向け、盤石の体制が整いつつある。

このような乃木坂46の“動向”は、アイドル・グループにとっての世代交代の1つの雛形を示すことになるかもしれない。とはいえ、世代交代をせず、今のままの乃木坂46が永遠に続いてくれることを願っているファンも多いとは思うのだが……。

と、ここで原稿を終えるつもりが、8月6日になって“ひめたん”の愛称で親しまれてきた、一期生の中元日芽香が卒業を発表。体調不良が大きな理由で芸能界かも引退するという。今後のスケジュールなどは調整中とのことだが、寂しく思うファンも多いことだろう。

(文/兒玉常利@アドバンスワークス)