10月21日に公開される『斉木楠雄のΨ難』は、週刊少年ジャンプで連載されている人気ギャグマンガの実写映画です。生まれながらに最強の超能力をもっていながら、能力のためにかえって災難に巻き込まれてしまう高校生・斉木楠雄の学園生活を独特な世界観で描いた作品です。

主演は“マンガ実写化の請負人”ともいわれている人気俳優の山﨑賢人。原作通りピンク色の髪といったビジュアルで、完全無欠の無表情なキャラクターを演じています。

本作では、見た目も設定も突飛なキャラを演じることになった山﨑賢人ですが、かつては実写化不可能といわれたギャグマンガが次々と実写化されています。ギャグマンガの実写化に配役された俳優たちは、その役をどう演じてきたのでしょうか。今回は、過去にギャグマンガのトンデモキャラを演じた俳優を紹介します!

スキンヘッドにパンツ一丁!…『珍遊記~太郎とゆかいな仲間たち~』松山ケンイチ

伝説的ギャグマンガといわれている漫☆画太郎の『珍遊記』は、2016年に『珍遊記~太郎とゆかいな仲間たち~』のタイトルで実写映画化されました。

この時、主人公である凶悪な暴れん坊・山田太郎を演じたのが松山ケンイチです。スキンヘッドにパンツ一丁というビジュアルで、ギャグや下ネタを連発する役どころで、松山ケンイチの新境地として話題を集めました。松山ケンイチ本人は、リアルタイムで原作マンガを読んでいなかった世代のようですが、衝撃的なナンセンスギャグの世界観を見事に再現しています。

ちなみに、冒頭で絶大な妖力を誇る少年だった山田太郎は、その力を封印されてしまうのですが、その封印前の姿を演じたのは、特殊メイクを施されたピエール瀧。せっかくなら酒で火を吹き、屁で空を飛ぶ松山ケンイチも見てみたかったという人も多いのでは?

筋肉ムキムキのパンツ野郎!…『HK 変態仮面』鈴木亮平

わずか1年あまりの連載期間にも関わらず、驚くべきインパクトを残したあんど慶周のギャグマンガ『究極!!変態仮面』。その実写化作品が『HK/変態仮面』(2013年)です。パンティを被るとヒーローに変身する正義の味方という、とんでもない設定のキャラクターを、当時まだ無名に近かった鈴木亮平が演じました。

今でこそ人気俳優の鈴木亮平ですが、映画主演は本作が初めて。主人公の筋肉ムキムキの体を実現するため、体重を15Kg増量しつつ脂肪を落とすという肉体改造を1年かけて行うという、ストイックな役作りを行いました。『HK/変態仮面』が単なるギャグ映画ではなく、骨太なヒーローもの作品として受け入れられた背景には、彼の凄まじい努力があったといえるでしょう。

河童の村長と元スター!…『荒川アンダーザブリッジ』小栗旬&山田孝之

荒川河川敷を舞台に多彩なキャラクターたちの生活を描いた、中村光のラブコメマンガ『荒川アンダー ザ ブリッジ』。2012年に主演を林遣都が、ヒロインを桐谷美玲がそれぞれ演じて実写映画化されました。

しかし、この時もっとも注目を集めたのは、なんといっても人外の造形で描かれた2人のキャラクターです。河童の着ぐるみを着た“村長”と、見た目も完全に星である元イケメンロックスター“星”。彼らをいったい誰がどうやって演じるのか? 公開前からそのキャスティングが話題となりましたが、彼らを演じたのは小栗旬と山田孝之でした。

小栗旬は河童の着ぐるみに河童メイクで、一見すれば小栗旬だとはわからないようなビジュアルで村長を演じました。一方、山田孝之も顔と一体化した星型の黄色いマスクで星を熱演。この2人の挑戦は、イケメン俳優がイケメンの役どころばかりを演じるとは限らないと、世間に意識させたと言えるでしょう。後のイケメン俳優たちにも、大きな影響を与えたのではないでしょうか。

あのクイーンのボーカルそっくり!…『魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE』渡辺裕之

昨今のギャグマンガ実写化映画の先駆けといえる作品が、2004年に公開された『魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE』です。既にアニメ化もされていた原作ですが、ファンからはマンガでしか描くことができない世界観だといわれていました。

しかし、本作では絶妙なキャスティングと荒唐無稽なオリジナルストーリーで、原作の世界観を見事に再現しています。この成功があったからこそ、実写化不可能といわれてきたギャグマンガが、映画原作と成り得る時代になったのかもしれません。

中でも、もっともインパクトがあったのは、クイーンのボーカルにそっくりな容貌の高校生(?)フレディを演じた渡辺裕之。この役を演じるにあたり、黒々と日焼けをし、ヒゲも口とアゴのラインを繋げ、カメラが回る直前に筋トレをして筋肉隆々の体を仕上げるなど、ベテラン俳優らしい本気度の高い役作りを行いました。

なお、フレディはセリフをひと言も喋らない、無表情なキャラクター。それを端正な顔立ちの俳優が演じることで、面白さが爆発しています。今作が渡辺裕之のキャリアの中で、とびぬけた異色作になったことは言うまでもありません。

『斉木楠雄のΨ難』/10月21日公開/出演:山﨑賢人 橋本環奈 新井浩文 吉沢亮 笠原秀幸 賀来賢人 ムロツヨシ 佐藤二朗 内田有紀 田辺誠一/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=アスミック・エース/公式サイト:saikikusuo-movie.jp/(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会

斉木楠雄はインパクト大のビジュアルながら、心の中で周囲のボケにツッコミを入れる、冷静な役どころ。実写化俳優の一人者として知られる、山﨑賢人のこれまでになかったギャグ演技に期待大です!

(文/岸とも子@H14)