映画『SLUM-POLIS』(2015年)、『MATSUMOTO TRIBE』(2017年)など、自主映画界で注目作を立て続けに発表していた若干25歳の若手監督・二宮健。満を持しての商業映画デビュー作、『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ』が10月21日(土)に公開される。二宮監督は本作のオリジナル脚本も手掛けており、29歳の売れない女優オリアアキを主人公に、現実と妄想の目まぐるしい交錯劇をスタイリッシュな映像とともに綴っている。

オリアアキを演じるのは、石井岳龍、園子温、三池崇史といった日本の映画界が誇る鬼才監督の作品に立て続けに出演し、もっとも勢いのある女優のひとりとして注目されている、桜井ユキ。映画初主演を飾る本作で、恋人カイトを演じた高橋一生を相手に、一糸まとわぬ姿で激しい濡れ場を披露。圧巻の女優魂を見せつけている。桜井ユキが、本作にかける思いや撮影の舞台裏を赤裸々に語ってくれた。

準備したものを使えるような役ではなかった

Q:オリアアキを演じる上で、役作りとして行ったことは?

オリアアキは、準備してきたものをそのまま使えるような役ではなくて。撮影現場や共演者を相手に生まれた感情をその都度、表に出していく方が役として成立するのではないかと考えました。台本を読んでいると、どうしても無意識にシーンを想像してしまうのですが、今回はそういったものが何ひとつ当てはまらず、良い意味で私の想像を裏切ってくれました。何も構えることなく、決め込むことなく臨めた現場でした。

Q:肌を露出するシーンに抵抗はなかったですか?

肌を露出するシーンやハードなシーンがあるということを知った上で台本を読んだのですが、気がついたら読み終えてました。そして、オリアアキという役が大好きになっていました。アキにはあのシーンが必要だと感じたので、ためらいはありませんでした。

Q:肌を露出するシーンに備えて、行ったことは?

肌にボディクリームを塗った程度で、とりわけ表面的なケアは行いませんでした。下着の型がつくのを気にせず、いつも通りに下着をつけて撮影現場に行ったほどで(笑)。ただ、本作は演じる年齢に応じて、肌や体のラインの調整が必要でした。肌を露出するシーンでは、細目でいて欲しいという監督の希望があったので、撮影直前の食べ物はわかめスープだけに留めました。撮影後は、お腹いっぱい食べましたが(笑)。

高橋一生は濡れ場の気遣いもイケメン!

Q:恋人カイトを演じた高橋一生さんの印象を教えてください。

「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(2016年・フジテレビ)では、本読みでご一緒したのですが、お芝居で共演したのは今回が初めてでした。肌を露出するシーンの前に、“大丈夫?”“人がたくさんいないほうが良いでしょ?”などと、こちらが緊張しないように声を掛けてくださって。すごく紳士な方でした。カットの声が掛かると、お互い裸になっているわけですが、私に布を被せてくださったり、胸の部分を見ないようにしてくださったり(笑)。終始、気を遣ってくださいました。

Q:下世話な質問で申し訳ございません。あのシーンでおふたりは……

もちろん、前張りはつけていますが、脱いでいます(笑)。裸です。

Q:それなのに、全くいやらしく見えず、アートな雰囲気すら漂っていますね。

二宮監督に、キレイに撮っていただいて感謝しています。屋上のセットがすごくキレイで、電飾やベッドやシーツひとつ取っても監督のこだわりがあふれていました。美術セットに助けられた部分も大きいと思っています。

Q:ラストシーンはどのように解釈されましたか?

これまで、カイトや自分の過去に囚われていたオリアアキが、それらと決別してようやく人生の新しいスタートを切ることが出来たと感じました。本作は観る方次第で、ストーリーや世界観の解釈が変わる映画だと思っています。具体的なストーリーを意識するよりも、フラットな気持ちで観て、本作を体感していただきたいですね。

(C)2017 KingRecords

映画『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ』
10 月21日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:アーク・フィルムズ
公式サイト:http://sleepingbeauty-movie.com/
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取材・文/田嶋真理 写真/横村 彰