10月27日に公開予定の『ゲット・アウト』。ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人で恋人のローズの実家で週末を過ごすことになります。そこで、クリスはその家に隠されたある“秘密”に端を発する、恐怖の出来事を体験することになるのです……。

主人公が「知らなければ良かった!」と思うような、一家の秘密をテーマとした映画は、他にもいくつか存在します。その中でも、今回は実際にあった出来事をモデルにした作品を紹介します。そこには、一体どんな秘密があったのでしょうか?

自分を引き取ったお婆ちゃんが実は…『アニマル・キングダム』(2010年)

オーストラリア・メルボルンで通称グラニー・エヴィル(悪魔おばあちゃん)と呼ばれた女性キャスと、彼女を頂点にした犯罪一家のペティンギル家。彼女たちの正体が明るみに出るきっかけとなったのが、1988年に起きた警官射殺事件です。

『アニマル・キングダム』の主人公ジョシュアは、17歳のときに母親が急死したことで、祖母に引き取られることになります。これまで、母親はなぜかジョシュアを祖母に会わそうとせず、長く疎遠の状態が続いていました。実際に出会ったジョシュアに対して、優しく接する祖母。しかし、そんな彼女こそが、ペティンギル家のキャスだったのです。

一見どこにでもいそうな普通の一家が、一体どんな思いがけない“仕事”で生計を立てていたのか? そして、それを知ったジョシュアが弱肉強食の世界へと足を踏み入れ、1988年の事件を迎えることになるのかは必見です!

その模範的な青年はなぜ母を殺したのか…『美しすぎる母』(2007年)

アメリカの裕福な名士だったバーバラ・ベークランドは1972年、息子のアントニーに殺されました。その顛末を描いた作品が、スペイン・フランス・アメリカ合作映画『美しすぎる母』です。

若く美しいバーバラは社交界の華でしたが、1人息子のアントニーが産まれると、彼を溺愛するようになります。やがて、美しい青年に成長したアントニーとバーバラが共にいる姿は、まさに絵に描いたような完璧な家族……と周りには見えていました。しかし、その裏側で家族の気持ちは大きくすれ違っていったのです。

なぜ、バーバラはアントニーに殺されなくてはならなかったのか? その謎を解き明かすエピソードが、作中では一つ一つ積み重ねられていきます。その中で描かれる、まさに人には知られたくない家族の行動には驚かされるばかり! 大ブレイクした俳優エディ・レッドメインが、模範的な美青年といえる、アントニーを演じている姿も見どころです。

こんな家には絶対住みたくない!…『エクトプラズム/怨霊の棲む家』(2009年)

最後に紹介するのはアメリカのホラー映画らしく、引っ越した家そのものに隠された秘密があったというもの。『エクトプラズム/怨霊の棲む家』は1986年に、スネデカー一家が実際に経験した出来事をモデルにしています。

物語はキャンベル一家が息子マシューのがん治療の為に、病院の近くにある家に引っ越すところから始まります。自分の住処としてマシューが選んだのは地下にある部屋でした。しかし、その日からドアが勝手に閉まる、マシューの夢に謎の少年が現れる、エクトプラズムが吐き出されるなど、一家に不可解な現象が起こり始めるのです。

果たして、この家に隠されていた秘密とは何なのか? 衝撃のラストでは「こんな家が誰にも知られずに存在していたなんて!」とゾッとすること請け合いです。「たしかに、超常現象が起きてもおかしくない」と納得できるその結末は、ある意味スッキリできるホラー映画と言えるのではないでしょうか。

『ゲット・アウト』(原題:『GET OUT』)/製作:ジェイソン・ブラム/監督・脚本:ジョーダン・ピール/出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、キャサリン・キーナー/配給:東宝東和/公開:10月27日(金)TOHO シネマズ シャンテ他、全国ロードショー!/(c) 2017 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved/公式HP:http://getout.jp

このたび公開される『ゲット・アウト』は数多くの作品を世に出してきた映画プロデューサーのジェイソン・ブラムの新作です。 彼は『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ、『インシディアス』シリーズ、『パージ』シリーズなど斬新なアイディアで見るものを魅了するホラー映画を手掛けてきたました。今回タッグを組んだのは、コメディアンのジョーダン・ピール。2014年にはアメリカン・コメディ・アワードなどを受賞した彼が今回、映画監督としてデビューを飾りました。

作中で主人公のクリスは彼女の両親に大歓迎されます。事前にローズから聞かされていたように、どうやら一家は差別主義者ではないようです。その家では黒人の管理人ウォルターと家政婦ジョージナも働いていました。ただ、彼女の弟のジェレミーだけは、クリスに差別的な態度をとって……。というこのあらすじ、実はすでにミスリードが含まれています。

この脚本を書いたのは、先に紹介したジョーダン・ピール。そんな彼ならではのブラックユーモアが、この映画にはふんだんに盛り込まれているのです。この家で一体何が起きているのか? それを知るきっかけとなる登場人物アンドレを演じている、俳優ラキース・スタンフィールドにあるインタビューで実際に聞いたところによると……。

「僕自身が完成した映画を観て、凄く震えた。アメリカに深く根付いている人種問題などを取り上げていて、今このときに人種間で互いをどう見ているか、長い時間の蓄積が差別などの色々な問題に、どう繋がっているのかが浮き彫りになっている」

この映画を観たとき、予想のつかない展開に大笑いし、大興奮した後に、自分の思い込みの深さに気付かされることでしょう。その背筋がゾッとする瞬間こそ、ジェイソン・ブラムが仕込んだ“ホラー”だったのかもしれません。

もしかすると、アナタの家にも隠された秘密があるかもしれません。それを知る勇気はありますか?

(文/デッキー@H14)