10月27日公開予定の映画『ブレードランナー 2049』は、1982年公開の傑作SF映画『ブレードランナー』から35年の時を経て生み出された待望の続編である。前作から30年後となる“2049年”の世界を舞台とした今作は、主人公“ブレードランナー”Kを人気俳優ライアン・ゴズリングが演じ、ハリウッドの伝説的スーパー・スターであるハリソン・フォードが35年ぶりに“ブレードランナー”デッカード役を演じることが話題に。また、<デッカードの正体はレプリカントなのか?>など、長年ファンのあいだで議論されていた“謎”が明かされることにも期待が高まっている。退廃的な未来都市を描いた前作だが、その“未来”がすでに間近に来ていることをご存じだろうか? 今回は未来を描いた映画のなかで“現実が時代に追いついてしまった”といえる作品に注目してみた。

もうすぐやってくる!『ブレードランナー』で描かれた未来

『ブレードランナー』は、フィリップ・K・ディック著のSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作とし、リドリー・スコット監督が手掛けた作品である。当時、未来として描かれた風景は「2019年」の設定であるため、あと2年で、現実が『ブレードランナー』の世界に追いつくことになるのだ。蒸気に包まれ、ネオンが煌々と輝く高層ビル、空に浮かぶ船など、本作には、いま現実になっていてもおかしくないような情景が多く描かれている。 また、『ブレードランナー 2049』でも物語の中心となる人造人間「レプリカント」も、形は違えどSiriなど人工知能を持つロボットが生まれているため、もしかしたら遠くない将来、実現する可能性もあるかもしれない……!?

予言の書?アニメ『AKIRA』の世界

このように、かつて名作で描かれた未来に、現実の時間が追いついてしまった作品は他にもある。

1988年公開のアニメ映画『AKIRA』の世界は2019年の設定だ。超能力による戦闘や荒廃する巨大都市といった近未来の姿を描いたこの作品には、未来を予見するような場面も登場する。例えば、「オリンピック開催を控え、大規模な都市開発が進められている」こと。さらに、作品の舞台となる“ネオ東京”が「第三次世界大戦後に復興した」という設定を、「東日本大震災からの復興」と読み取る人もいるようだ。また、原発事故や現在の雇用の不安定化を示唆するような描写もあるということで、“予言の書”として受け止めるファンも多い。

『BTTF2』や『鉄腕アトム』の時代設定はすでに過去に

映画の中の時代設定を越えてしまったのが、1989年の大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』だ。同作のタイムトラベル先は2015年の設定であった。それを記念して、2015年にはさまざまなイベントが催された。例えば、主人公・マーティー役のマイケル・J・フォックスと、その相棒・ドク役のクリストファー・ロイドが語り合う動画が公開され、一躍話題に。また、同年8月には、映画の中に登場する浮遊するスケートボード(ホバーボード)をトヨタ自動車のブランド「レクサス」が発表。しかし、実際のホバーボードとは異なり、磁石のレールの上のみを走行するものだった。

また、『鉄腕アトム』の“アトム”が誕生した年も2003年の設定であるため、とっくに現実の時代を通り越している。実際の2003年にはそれを記念し、アトムは、手塚治虫がアニメスタジオを構えた新座市の“特別住民”として登録されている。

今やわれわれは、かつて観たり、読んだりした「未来の世界」にいるのだ。「現実」と「フィクションで描かれた未来」とを比べながら、今回紹介した作品たちをチェックしてみてはいかがだろうか?

(文/ゆきかたとも)