ジャニーズ事務所所属のタレントが映画やドラマに出演するとなれば、非の打ち所がないイケメン役が当たり前でした。しかし、最近は必ずしもそうとは限らず、むしろキラキラしたアイドル像とは逆の、「非イケメン」を演じることも少なくないようです。

「吾輩の部屋である」の菊池風磨はダサかわいい!?

例えば、現在放送中のドラマで、Sexy Zoneの菊池風磨が主人公の「吾輩の部屋である」(日本テレビ系)。同作で菊池演じる大学院生・哲郎の風貌は黒髪のボサボサ頭でメガネをかけ、長い間愛用していると思しきTシャツにジャージ姿。誰も来ないこの部屋で、日夜、スポンジ入れの吸盤のことや片思いの相手から届いた謎のメールのことなどについて、ああでもない、こうでもないと考え続けている冴えない役を演じているのです。

Sexy Zoneでの菊池といえばクールで、髪の毛もカラーリングされ、哲郎とは正反対のイメージ。でも、ドラマでの飾り気のないその姿は、ファンにとっては逆に嬉しいようで、SNSでも「ダサかわいい」「萌え死んだ」と大好評。普段とのギャップがまた、“セクガル”(Sexy Zoneの女性ファンの通称)にはたまらないのでしょう。

メガネは「非イケメン」を演出する大事な小道具

Sexy Zoneでは、中島健人もかつて2014年の映画『銀の匙 Silver Spoon』で「非イケメン」を演じていました。この作品での中島の役は、何の目標もなく、全寮制の農業高校に入った主人公・八軒。中島も映画の中でメガネをかけていましたが、試写会で中島は「役に合うメガネ選びに3日かかった」とコメント。吉田恵輔監督も「どんなメガネも健人がかけると、すぐカッコ良くなっちゃう」と話していました。

現在公開中の映画『ナラタージュ』でも、メガネが内面を表現する一つのポイントになっています。主人公の高校教師・葉山を演じる嵐の松本潤に対し、行定勲監督は「目線の強さをいつもの40%まで落としてほしい」「眉毛が見えないように前髪を作ってほしい」と言ったことを公開前のトークイベントで明かしていました。これでさらにメガネをかけることにより、葉山の「あいまいな内面」を表現したのです。

「非イケメン」でも演技で光るジャニーズ

ほかにも、菅田将暉主演の2016年の映画『溺れるナイフ』に出演した、ジャニーズWESTの重岡大毅は、役に合わせたボサボサの眉毛とダサめの衣装がファンに強い印象を残しました。そんな重岡には、かつて関ジャニ∞の錦戸亮に言われた言葉が心に残っているそうです。それは「カッコつけんな」。この一言で、重岡は無意識のうちに周りからどう見えるかを考えていたことに気付かされ、その意識の変化が同作のありのままの好演技につながっていったようです。

ステージでは光り輝く彼らですが、あえてそれを消すことが新たな魅力につながり、新境地を開拓していくことで、ファンにとっては、「ギャップ萌え」を感じるところもあるのでしょう。「非イケメン」でも、やっぱりジャニーズはジャニーズ。見た目以外の部分でも、キラリと光る何かを見せてくれているような気がします。

(文/北舘和子)