肉食系、草食系、壁ドン、顎クイなど少女漫画から生まれたトレンドワードは数知れず。そこに新たなジャンルが加わった。女の子に優しい=女好き、強引で男らしい=ワイルド、好きな子の前だけ素直=一途……その要素を兼ね備えた男性を“けだもの男子”と呼ぶのだ。もちろん顔面偏差値はハイアベレージを示すS級でなければならない。そんな全世界の女子卒倒必至の新たな男性像をドラマ化したのが、累計発行部数200万部突破の人気コミック原作の「花にけだもの」だ。中村ゆりか、杉野遥亮、松尾太陽(たかし)、甲斐翔真、AKB48の入山杏奈が、“けだキュン”ラブストーリーに花を咲かせる。

“花にけだもの”って一体なんだ!?

主人公を陰で支えるミステリアスなキャラ・千隼を演じる松尾は、「花にけだもの? なんぞや!? と思った」と個性的なタイトルとの出会いを振り返る。しかし、原作を読んでみると「荒々しいタイトルとは裏腹にドキドキキュンキュンすることに驚いた。最後の方は女子目線で読んでしまって、キラキラした気持ちになった」と、200万部突破という人気に納得したという。演じる上では「原作のテイストは忠実にしつつも、かみ砕き、ドラマならではの千隼像を作り上げたい。それでこそ僕が務める意味がある。初めて聞く“けだもの男子”の先駆者になりたい」と、トレースではなく、立体的に演じきった自信をのぞかせる。

一方、杉野は、王子様の仮面を被った超プレイボーイの豹を担当。「オーマイガーというくらいに超プレイボーイ」と自身の役柄を表現するも、「原作漫画は一気に読んでしまえるくらい面白く、展開もスピーディーで、人気があるのも納得の作品。原作ファンの方々の期待を背負っている分、生半可な気持ちではやれない。自分の中での挑戦として取り組みました」と己の“けだもの”感を絞り出しての熱演を報告した。

プライベートでの属性は?

劇中で“けだもの男子”に成り切った松尾と杉野だが、プライベートでの属性はどうだろうか。「周りからは草食系といわれるけれど、確かに実際も草食系」という松尾。「それに物静かに見えるようで、怖いイメージ、大人っぽいと言われこともある。でも実際に会ってみるとそうでもないと言われる。ギャップがあるようだけれど、親しみやすさは大切なので、それはそれでいいのかなと思っています」と笑う。“塩顔男子”と呼ばれるという杉野は、「自分ではそうは思っていないけれど、かといってソース顔でも醤油顔でもないし、辛ミックスでもない。僕はなんでしょう?」と苦笑いする。自分の属性については、「理想はやっぱり“けだもの男子”。ネーミングは野獣をイメージさせるけれど、女性には優しいし、好きな子には一途という、実は硬派で魅力的な男性。それは自分の目標とする姿に近い」と、“けだもの男子”への憧れを口にした。

劇中とは真逆に、実際には控えめな2人。高校時代もそうだったらしい。杉野は「バスケと勉強の日々でした。田舎の学校でしたし、東京へは行ったこともなかった。部活の顧問が厳しい先生だったので、かなり追い込まれました。その分、精神的にも肉体的にもかなりタフになった」と当時を回想。だから「ドラマでキラキラした役を疑似体験できて良かった半面、そういった経験がない分、感覚を掴むのに苦労した」という。高校時代から芸能活動をしていた松尾は「周りも僕の芸能活動を知っていたので、当初は特別扱いされてしまうのではないかと不安が大きかった。でも実際はクラスの一人、友人の一人として見てくれた。その部分では凄く助かった」と学友に感謝しきり。芸能活動との並行ゆえに部活には入れなかったそうだが「一般人として高校時代に戻ることができるならば、サッカー部に入ってみたい。スポーツ系の部活には憧れる」と想像する。

若手俳優戦国時代を生き抜く秘策

松尾、杉野ともに20代。昨今は20代俳優の台頭が激しい。その戦国時代をどのように戦い抜いていきたいか。2人が己の武器とするものは何なのかを聞いた。「ありのままでいること」と、語るのは松尾だ。「俳優として活動しているときは、超特急のタカシではなく、個人としての松尾太陽でいようと思っています。事務所には同世代の俳優さんがたくさんいて、彼らはみな俳優一本で勝負している方がほとんど。そんな方々の前で俳優として仕事をするときに、超特急にすがるのは失礼。だから俳優として活動するときは、名義を別物にしているんです。松尾太陽として飾らず、自然体に、ありのままでいたい」と自らに言い聞かすように打ち明ける。

一方、杉野は「一生懸命に日々を生きる」とコツコツマインドを挙げる。「この仕事は少ないパイを取り合う部分もあるかもしれない。“這い上がっていくぞ!”というような気持ちも長い目で見たら必要かもしれない。でもタイミングや運というのも関係してくると思うので、自分としては目の前にある与えられたものに懸命に取り組んでいく方が性に合っている気がする。どうしたら売れるだろうか? 周りよりも一歩先に行くには? と考えることもあるけれど、結局は日々の自分の頑張り次第。コツコツと地道に実績を残していくしかない」と実直な一面をのぞかせる。

ストレス発散は「考えない」「泣く」に戦い抜いていきたいか

確固たる指針を持って若手俳優サバイブに身を投じている2人。ストレスもあるだろうし、ときに落ち込むことだってあるだろう。そんな彼らのストレス発散法とは? 「何も考えず、ただ自分のやりたいことをやる」という松尾。「リセットを覚えることは大切です。嫌なことがあったら忘れるように努力し、自分がやりたいことを思い切り楽しむ。ここでも“ありのまま”が活きますね」と語った。杉野は「思い切り泣いて、寝る」を実践しているという。「泣ける映画やCMを観たり。泣くと目が腫れて困ることもあるけれど、デトックス。そうすると、よくわからない心のもやもやも晴れて、また頑張ろうとスイッチを切り替えることができる」と教えてくれた。

dTV×FOD共同製作ドラマ「花にけだもの」は10月30日(月)よりdTV&FODで配信スタート 公式サイト:http://video.dmkt-sp.jp/ft/s0004072

(文・石井隼人)