ドリュー・バリモア、ダコタ・ファニング、クロエ・グレース・モレッツ……その愛くるしいルックスと類まれな演技力で、世界中を魅了してきたハリウッドの天才子役たち。このたび、ニューウェーブとなりそうなとびきりキュートな女の子を発見しました。その女の子とは『gifted/ギフテッド』(11月23日公開)で、驚異的な数学の才能を持つ7歳のメアリーを演じたマッケナ・グレイスです。この作品は『キャプテン・アメリカ』役でおなじみのクリス・エヴァンスが出演する事でも話題ですが、なによりも彼女の完璧すぎる演技力にも注目です!

正義感の強い天才少女を“眼差し”で表現

(C)2017 Twentieth Century Fox

グレイスが演じたのは、著名な数学者だった母親を自殺で亡くした過去を持つ、7歳の少女メアリー。母の死にもくじけず叔父フランク(クリス・エヴァンス)と2人で前向きに暮らしています。彼女は、高等数学ですらスラスラ解くことができる才能の持ち主。簡単な足し算をする学校の授業にイライラすると、先生を挑発したり、クラスメイトの悪童に、正義の鉄拳を食らわせたりと負けん気の強い少女です。

そんな強烈な個性を持つメアリーを、グレイスはキュートに好演しています。メアリーの挑発に、意地悪な質問を返す先生へ「ハァー」とため息をつく、おしゃまな立ち居振る舞いは『E.T.』(1982年)で、主人公の妹ガーティを演じたドリュー・バリモアを彷彿とさせるほど。加えて、ちょっとタレた目から放たれる意思の強い眼差しは、はっきりと物を言う正義感の強いメアリーという役柄に説得力を持たせています。

喜怒哀楽もお手のもの。豊かな感情表現はもはや名人芸

(C)2017 Twentieth Century Fox

彼女の資質に気付いた担任教師は、フランクにメアリーを特別な学校に通わせることを提案しますが、フランクは姉(メアリーの母)の意思を尊重し普通の学校に通わせ続けます。大人たちの思惑をよそに、学校生活に慣れたメアリーは、ごく当たり前の生活環境の中でささやかな幸せの時を過ごします。

フランクと海に遊びに行ったり、何かと面倒を見てくれる隣人ロバータ(オクタヴィア・スペンサー)とノリノリで歌って踊ったり……グレイスはメアリーの喜怒哀楽を、演じているとは感じさせないほどのリアルな演技で体現します。監督のマーク・ウェブにして「名人芸」と言わしめたグレイスの豊かな感情表現は、観ているものの心をグッとつかみ、メアリーに感情移入させてくれます。

世界一大好きな家族と離れて暮らすことを恐れる、健気な姿にホロリ

しかしそんなメアリーの穏やかな日常が突然終わりを告げることに。母親ゆずりの数学の才能を知った祖母イブリン(リンゼイ・ダンカン)が、彼女に英才教育を施すため迎えに来るのです。

世界一大好きなフランクと離れることに不安と悲しみを爆発させるメアリー。その圧倒的な悲しみは、ショーン・ペンが7歳程度の知能しかない父親役を演じた『I am Sam アイ・アム・サム』で、離ればなれになることを悲しむ娘ルーシーを演じたダコタ・ファニングもかくやというほどの名演技。ダコタが可憐でおとなしいルーシーの深い喪失感を“静”の演技で表現していたのに対し、グレイスは活発なメアリーの拒絶を “動”の演技で表現。その熱の入った演技は、観る者の涙を誘うことでしょう。

本作で驚異的な演技を披露しているグレイス本人は、作品に込められたメッセージについて「完璧な家族とは、お母さんとお父さん、大きな家にたくさんのお金があることだと思うわ。でも私は、愛と思いやりのある人と暮らすことだと思う」と現在11歳とは思えないコメント。自身が演じたメアリーも顔負けの天才っぷりを発揮しています。

タイトルの『gifted/ギフテッド』とは、生まれつき平均より著しく高度な知的能力を持つ人を示す言葉のこと。チャーミングな顔立ちに、優れた頭脳から繰り出される抜群の演技力を兼ね備えるグレイス本人も、天から特別な才能を与えられたギフテッドな子どものようですね。

(文/足立美由紀・サンクレイオ翼)