北海道は札幌、ススキノのバー“ケラー・オオハタ”を根城にする探偵(大泉洋)とその相棒・高田(松田龍平)が、毎度厄介な事件に巻き込まれながらも活躍する、大人気“ススキノ探偵”映画シリーズ3作目『探偵はBARにいる3』の撮影は2月から3月にかけて行われた。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

雪は降っていなくてもビル風の冷たさが肌を刺すようで、体感温度は気温よりも低く感じる東京以北最大の繁華街・ススキノ。遡ること3月、『探偵はBARにいる3』の撮影現場を見にいざ札幌へ。宿泊は当然ススキノ界隈である以上、夜のフィールドワークを怠るわけにはいかない。ススキノ中心部の狸小路にある焼鳥屋Jのおやじさん曰く「(定休日の)日曜の夜もこの通りの店は灯りを点けてさ、撮影に協力したのさ。あそこでやられてたよ、洋ちゃん(笑)」。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

大泉洋の人気は全国区ながら、北海道でのそれは尋常じゃない。店の客全員が映画を見ているし、「昨日も見たよ!」とロケも目撃している。皆それなりに酔っぱらってもいたけれど......。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

朝8時。3階まで吹き抜けのアトリウムにステージが設えられ、北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督と札幌市長が登壇するスポーツイベントに集まった観客という設定のエキストラは日ハムのユニホームと着用、より熱心なファンに見えるよう着飾った人が前列に配置された。この大勢の聴衆で賑わうロケで撮影されるのは、マリから依頼を受けた探偵が、北城とヤバいブツの取引をするところ。中央の階段上に探偵とマリが小ぶりのボストンバッグを持ち、追ってくるだろう階下にいる北城と子分たちを巻こうとする。陰のある役だったマリが本作で一番無邪気な表情で探偵に微笑んだその刹那、「全員ぶっ殺すぞ!」と叫び空に向けて引鉄を引くや、大勢の聴衆がキャーと悲鳴を上げ、右へ左へ逃げ惑う。階上に立つマリの後ろから見た場内は、モーゼの十戒で海が割れるかの如し! 傍目には見事な動きに見えたモブシーンだが、イベントの観客以外にもフードコートで食事をする人、ただ横切る人、2階のバルコニーからイベントを見る人など、1000人以上の群集がいる。隙を縫うように照明機材、カメラとレールなどが狭いスペースに隠すように置かれ、逃げるエキストラも慣れないその状況に瞬時に対応して動かねばならず、一発OKというわけにはいかない。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

大泉洋の行く手を阻むように逃げる群衆たちも、最初のうちは前から突進してくる俳優に対して遠慮がちになるのも致し方なく、大泉自ら「僕は全然知らない人ですからね。どんどんぶつかってきてください!」と声をかけたり、銃声に驚いて泣き止まない赤ちゃんを待ったり、繰り返すうちにすっかり慣れてしまった人たちに緊張感を促したりと、本番前には助監督が走り回って指示を出していく。また複数台のカメラを同時に回し、本番を繰り返すが、銃声を出せるのは店が開店する10時前まで。

制作・キネマ旬報

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

『探偵はBARにいる3』12月1日より丸の内TOEIほか全国にて
監督:吉田照幸  脚本:古沢良太  原作:東直己
出演:大泉洋、松田龍平、北川景子、前田敦子、鈴木砂羽
配給:東映
(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会