(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

そのセリフ、ハードボイルド!名言とともに振り返る『探偵はBARにいる』

コラム

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アジア最北の歓楽街である札幌・ススキノを舞台に、街の“プライベートアイ”を自称する探偵と相棒の活躍を描いた映画が『探偵はBARにいる』シリーズです。原作は札幌在住のミステリー作家・東直己の『ススキノ探偵』シリーズ。2011年に『探偵はBARにいる』が、2013年に『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』が公開されました。そして、待望のシリーズ第3弾となる『探偵はBARにいる3』が、12月1日に公開されます。

同シリーズの魅力の一つといえるのが、ハードボイルドなセリフです。主人公の探偵はこれまでのシリーズで印象的なセリフを残しています。今回はそれを振り返りながら、彼の魅力を紐解いていきたいと思います。

「持つべきものは友か金か。言うまでもないだろう。」

ハードボイルドな探偵モノといえばトラブルが付き物。日常的に荒事に巻き込まれながらも、さっそうと敵をいなし、クールに事件を解決する……というイメージがあります。

しかし、『探偵はBARにいる』の探偵は、時に完膚無きまでにボコボコにやられ、時に敵に捕まり命乞いすることもあります。もちろん、敵をやっつける主人公らしい強さも見せますが、無敵のヒーロー然としていないところに人間味を感じられるキャラクターといえるでしょう。そんな探偵が敵にやられ、相棒の高田に助けられた時に口にしたのがこのセリフです。

たとえ痛々しいぐらいにやられても、冷静に自分を振り返ることができる。そこに、探偵らしさとハードボイルドな空気が感じられます。

「感情に流されれば寿命を縮める。俺が貫いてきた主義だが、主義にこだわればソビエトも消える。」

本作の探偵に持ち込まれる依頼には、時に危険を伴うものがあります。映画ではあるトラブルに巻き込まれた探偵が敵につかまり、雪原に埋められることになります。ピンチから命からがら抜け出した探偵は、依頼人に対して話が違うと詰め寄ります。その後、酒を飲み、遊び、日常生活に戻る過程の中で出てきたのがこのセリフです。

一時の怒りに身を任せることが、自らの身を亡ぼすことは、数々の修羅場をくぐってきた探偵にはよくわかっています。それでも、「俺を怒らせたやつらに報復することに決めた」とつぶやいた探偵からは、仕事への矜持と熱い心が感じられました。

「表と裏簡単に裏返る。人間と同じだ。」

『探偵はBARにいる』シリーズでは、携帯電話を持たない探偵が、バー「ケラーオオハタ」で仕事の依頼を電話で受けています。依頼人に「御用の際はこのバーに」という言葉とともにバーのショップカードを手渡すのも、本作における名セリフの一つです。

このバーは探偵と高田のたまり場になっている場所。探偵がカウンターに座ると、すぐに缶のタバコと胃薬の太田胃散が出てくるところに、どことなくハードボイルドな探偵らしさを感じます。ここで、ギムレットを飲みながら、オセロに興じる探偵がつぶやいたのがこのセリフです。

シリーズでは当初敵だと思われていた人物が実は……という逆転劇があるのですが、それをこのセリフが象徴しています。事件に絡む人物たちには、表に見えているのとは別の一面がある。それを推理する探偵の姿を追っていくことは、本作における醍醐味のひとつといえるでしょう。

「探偵は依頼人守らなくちゃいけないんだよ… お前守らなくちゃいけないんだよ!」

探偵の人間臭さ、熱血漢な性格を伝えるこの一言は、シリーズ過去2作に共通して登場する最大の名セリフです。時には依頼人や周囲の人物のトラブルに巻き込まれ、ボロボロになりながらも事件の真相に迫る探偵。1作目ではこのセリフを口にするも、結局依頼人であるヒロインを救うことができませんでした。

2作目では当初事件の犯人だと思われていた人物が、実は無実だったことが明らかになります。しかし、思いつめたヒロインは、その思い込みから凶行に及ぼうとするのです。このままでは再び依頼人を不幸にしてしまう……。探偵は身を挺してヒロインを救おうとし、そのときにこのセリフを再び口にします。

このセリフからは依頼人を救おうという彼の優しさと、探偵としての生きざまが伝わってくるようです。

「まあ今回はあれだ…手ぇ引け。1人っきりの友達、なくしたくねぇや」

最後に探偵の相棒を務める高田の印象的なセリフを紹介しましょう。

高田は北大農学部で助手を務めるインテリでありながら、空手の師範代という作中では屈指の喧嘩の強さの持ち主。基本的に口数が少なく、できればずっと寝ていたいという怠惰な人物でもあります。作中では探偵のピンチを救うものの、いつも遅れてくるという、ちょっと間の抜けた変人として描かれています。

しかし、数少ないセリフの中で、相棒であり友人でもある探偵を気遣うセリフを口にします。このセリフはトラブルに巻き込まれてボロボロになっていく探偵に対して告げられたもので、ぶっきらぼうで言葉は少ないものの、彼の優しさを感じる名言です。

(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

『探偵はBARにいる』では探偵を大泉洋が、高田を松田龍平が演じています。最新作ではヒロインとなる謎の美女を北川景子が、探偵の昔なじみの元・娼婦を鈴木砂羽が、失踪する女子大生を前田敦子が、裏社会を牛耳る敵役をリリー・フランキーが担当。シリーズではおなじみの安藤玉恵、松重豊らも出演しています。

完全無欠のヒーローではなく、泥臭く人間味のあるキャラクターが魅力の『探偵はBARにいる』の探偵。ハードボイルドなセリフは、そのキャラクターを際立たせる良いエッセンスになっています。最新作では過去作を超えるような名セリフが生まれるか? ハードボイルドな探偵の言動に注目です。

(文/Jun Fukunaga@H14)

記事制作 : H14

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