歌手の安室奈美恵さんが来年で引退することを発表しましたね。いつの間にか活動がなくなっていたというフェードアウトスタイルではなく、その潔さがカッコイイ! と評判ですが、海外スターでも引退宣言したり、サッと表舞台から身を引く人がいます。その事情を探ってみました。

オスカー3回受賞!ダニエル・デイ=ルイスが2度目の引退宣言!

『マイ・レフトフット』(1989年)、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007年)、『リンカーン』(2012年)でアカデミー賞主演男優賞を3度受賞している名優中の名優、ダニエル・デイ=ルイス。彼は60歳を迎えた今年、俳優業からの引退を宣言しました。綿密で入念な役作りで知られる彼ですが、実は以前にも引退同然だったことがあります。

1998年頃から靴作りと木工作業に没頭し、イタリアで靴職人として働き始めた彼は1997年の『ボクサー』以降は休業状態に。けれど『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)に出てほしかったマーティン・スコセッシに熱心に口説かれ、久しぶりに映画に復帰。以降は少ないながらもコンスタントに出演していました。今回ももしかしたら再びの復帰もありえるかもしれませんが、しばらくは靴作りに勤しむのかもしれません。俳優としてはこれからも十分活躍できる年齢なので、業界からは惜しむ声が続々!

36歳で潔く引退した伝説の大女優グレタ・ガルボ

Photo/Getty Images 私生活も徹底して隠していたグレタ・ガルボ

妖艶で神秘的、弧を描く眉が印象的なクラシック女優グレタ・ガルボ。“スウェーデンのスフィンクス”とも言われた彼女は、サイレント~トーキー初期の大女優です。『アンナ・クリスティ』(1930年)や『マタ・ハリ』(1931年)、『グランド・ホテル』(1932年)、『椿姫』(1936年)などで知られています。

1920年頃から演技を学び、短編映画の端役などで出演していた彼女は1924年の初主演作『イエスタ・ベルリングの伝説』で脚光を浴び、1941年の『奥様は顔が二つ』を最後に引退。およそ16年という短い女優活動でした。もともと人嫌いで、インタビューに答えることも、公の場に出ることも、宣伝活動をすることもなかった彼女らしい潔さ。その後も映画界復帰を願い、多くの映画人が作品のオファーをしたそうですが、一切の返事をすることなくニューヨークで静かに余生を過ごしました。

老境に入った初代ジェームズ・ボンドやあの名優も

Photo/Getty Images 現在はゴルフ三昧!のショーン・コネリー

初代ジェームズ・ボンドとして知られるショーン・コネリーは、2006年76歳のときに俳優業からの引退を宣言しました。70歳を迎えた頃から、しばしば休養をとっていた彼は、腎腫瘍摘出手術を受けたことをきっかけに引退を表明しています。現在はスペインの自宅近くでゴルフを楽しんだり、ごくたまに故郷スコットランドの映画祭に出席したりと悠々自適に暮らしています。

また、2008年に亡くなっている『明日に向って撃て!』(1969年)などに出演したポール・ニューマンも引退を表明したひとりです。もともとオートレースに参加したり、食品会社を経営したりと“副業”も順調だったポールは、亡くなる前年にアメリカのトーク番組で「自分が求める演技ができなくなってきたから俳優業はもういいよ。家族と過ごす時間やチャリティ、レストラン経営などもあるから充分だ」と語っています。

アカデミー賞を3回受賞しているレジェンド、ジャック・ニコルソンも2010年の『幸せの始まりは』を最後に引退。彼の場合、ハッキリと宣言したわけではなかったものの、「記憶力に問題があり、セリフが出てこないため、もう引退したと語っている」と報道されました。さらに、ジャックと『イージー・ライダー』(1969年)で共演した盟友ピーター・フォンダもインタビューで「彼は引退しているよ」と語っています。ただ、ドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』(2016年)のハリウッドリメイク作へのキャスティングが噂されているので電撃復帰もあるかも!?

パーキンソン病を患い、俳優業は事実上の引退であるマイケル・J・フォックスや、モナコ公国のレーニエ大公との結婚を機にハリウッドを“寿引退”したグレース・ケリーなど、さまざまな事情でショービズ界から身を引くスターたち。生涯現役で活躍することは改めて凄いことだとわかりますね。

文=安藤千晴