文=望月美寿/Avanti Press

ジャッキー・チェンの勢いが止まらない! なんと今年だけですでに3本の出演映画が日本で公開済み。戦場が舞台の鉄道アクション『レイルロード・タイガー』、バディものとロードムービーとアクション・コメディーを合体させた『スキップ・トレース』、ニンジャの師匠役で声の出演をしたアニメ『レゴ(R)ニンジャゴー ザ・ムービー』。いずれもさまざまなエンタメ要素をMIXして“てんこ盛り”にした、ジャッキー主演&出演作ならではのエンターテインメント作品だった。

そして今年4本目の日本公開作となるのが『カンフー・ヨガ』。中国のカンフーにインドのヨガをプラスした、まさに“メガ盛り超大作”。全世界で283億円突破の大ヒット・アクション・アドベンチャーである。

超高級車、動物、美男美女が大集合の“メガ盛り”

物語はいたってシンプル。考古学者のジャックが、同じく考古学者にして、ヨガの達人のインド美女アスミタや仲間たちとともに、失われた財宝を探して世界を駆け巡る……というもの。だが、そこにプラスされたオプションがすごい。ドバイの街中をランボルギーニ、アストンマーチン、フェラーリ、ベントレー、ブガッティ、マクラーレンといった高級車が爆走するカーチェイス! 壊れた際のスペア(!)も含めるとその数なんと70台。さらに、ライオン、ハイエナ、コブラ、ラクダ、鷹、白馬といった動物も大集合! 冒頭の時代劇のパートに流れる象の大軍を使った大バトルを、ゲームCGのように描いた点も斬新だ。

左からムチミヤ、アミラ・ダスツール、ディシャ・パタニ、ジャッキー・チェン、アーリフ・リー

さらに注目したいのが共演陣。インド映画の女優の美しさは世界的に知られているが、ヒロインのアスミタを演じたディシャ・パタニも、彼女の助手役のアミラ・ダスツールも期待を裏切らない。ジャッキーのアシスタントを演じるのは、美人ヨガインストラクターとして有名な中国のムチミヤ。富豪の娘を演じる新人シャン・ユーシエンも要チェックだ。男性陣も負けていない。トレジャーハンターには香港出身のイケメン俳優アーリフ・リー。ジャッキーのもうひとりの助手役には、超人気韓流アイドルグループEXOの中国人メンバーのレイ。そして悪役を演じるのはボリウッドスター、ソーヌー・スード。この全員が美男美女というのだから恐れ入る。

ここで考古学者のジャック、というジャッキーの役名を聞いて「あれ?」と思われた方もいるかもしれない。もしくは映画の冒頭、ジャッキーが研究室でヒロインと出会う場面で、掛け軸に描かれている美人画の主が韓国の女優キム・ヒソンであることに気づく人もいるだろう。そう、本作は2005年に製作されたジャッキー主演のラブファンタジー『THE MYTH/神話』の続編的な作品なのだ。姫君と将軍の時空を超えた切ない愛を描き、ジャッキーとキム・ヒソンがデュエットした主題歌も大ヒットした。ここを押さえておくと、よりこの映画を楽しめるだろう。

懐かしの「拳シリーズ」を彷彿させるポーズを披露するシーンも!?

『カンフー・ヨガ』
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ちなみに『カンフー・ヨガ』と『THE MYTH/神話』の監督はともにスタンリー・トン。ジャッキーのことを知り尽くした盟友だけに、アクションシーンの見せ方が実にうまく、テンポも素晴らしい。前述したカーチェイスはもちろんのこと、つるつる滑る氷の洞窟での乱闘。ドバイのホテルを舞台にした宝石争奪戦。クライマックスの寺院での大立ち回り、すべてがみどころ。ちなみにアーリフ・リーは『李小龍 マイブラザー』(2010年)でブルース・リーを演じた経験があるだけに、なかなかの動きを見せてくれる。だが、やはり、我らがジャッキーは別格だ。クライマックス、悪党との一騎打ちで、懐かしの「拳シリーズ」を彷彿させるポーズを披露するシーンはファン必見!

そして本作の最大のお楽しみともいえるのが、ボリウッド名物の圧巻の群舞。ジャッキーはダンスが苦手で、このシーンの撮影は大きなチャレンジだったというが、なんのなんの、キレッキレのダンスで魅了してくれる。なによりも、ジャッキー自身がとても楽しそうなので、見ているほうも自然にテンションが上がってしまう! ジャッキー映画のお約束のNGシーンのかわりには、おまけ映像がついている。こちらも見逃せない。

2016年にアカデミー名誉賞を受賞したジャッキー。普通はこのような賞をもらうと落ち着いてしまうものだが、実際には攻めに徹した仕事が続いている。なかでも話題を呼んでいるのが、娘を殺された父親が復讐鬼と化す、元007のピアース・ブロスナン共演のアクション・スリラー『ザ・フォーリナー(原題)』(日本公開日未定)。本格的SF映画に初挑戦する『ブリーディング・スティール(原題)』(日本公開日未定)も、これまでのジャッキー映画には全くなかった超クールな雰囲気だ。1954年生まれ、63歳のジャッキー・チェン。その活躍を見るにつけ“年齢は単なる数字でしかない”という言葉を思い出さずにいられない。