今年は、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」を始め、「過保護のカホコ」(日本テレビ系)、「陸王」(TBS系)と、話題のテレビドラマに立て続けに出演、バラエティやCMにも引っ張りだこで、今最も勢いがある俳優の一人である竹内涼真。透明感のあるルックスと、幼少期からプロのサッカー選手を目指し磨き上げた肉体美から、メディアでは「国民の彼氏」というキャッチフレーズで紹介されることも多く、「そんな素朴さがいい」「まさに私たちの彼氏」とファンは納得のようだ。このように、芸能人を売り出す際に付けられる、または後付されるキャッチフレーズの中には、名フレーズといえるものが多くある。

地方出身を前面に押し出した福山雅治のキャッチフレーズ

今をときめく人気俳優の山﨑賢人は、2014年に剛力彩芽とW主演した映画『L♥DK』でクールでありながら、時に優しさを見せるイケメン高校生を熱演。本作で男らしい壁ドンを披露したことから「壁ドン王子」と呼ばれ、ブレイクのきっかけとなった。

18歳で仕事を辞めて地元・長崎から飛び出して上京、その翌年には『ほんの5g』で映画初出演、21歳でシングル「追憶の雨の中」で歌手デビューを果たした福山雅治。その際にレコード会社が付けたキャッチフレーズが「イナカモン、バイ」。

洗練された今では想像もつかないが、当時はなかなかブレイクすることができずに下積み生活を送っていた福山。地方出身の若者が夢を追いかけて悪戦苦闘する姿が「田舎もん」のイメージに重なり合ったのだろう。ブレイク後も、ことあるごとに地元を訪れ、長崎愛を忘れることのない現在の姿を見ると、なかなか的を射たキャッチフレーズだったのかもしれない。

今も活躍する80年代アイドルは名キャッチフレーズの宝庫

名キャッチフレーズの宝庫と言えるのが80年代に一世を風靡(ふうび)した女性アイドルたちだ。宮藤官九郎脚本の今秋ドラマ「監獄のお姫さま」(TBS系)に出演中の小泉今日子のデビュー時のキャッチフレーズは、「微笑少女」と書いて「びしょうじょ」と読むもの。「君の笑顔が好きだ」というサブキャッチとともに大ブレイクを果たした。

また、今では定番となった「国民的美少女」というキャッチフレーズが最初に付けられたのは、1986年にデビューした後藤久美子。以降、「第2の後藤久美子」を探せというコンセプトのもと、上戸彩などを輩出したオーディション「全日本国民的美少女コンテスト」が開かれるようになった。

高校生とは思えないほど大人びた雰囲気と圧倒的な歌唱力で、瞬く間にトップアイドルとなった中森明菜のキャッチフレーズは「ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)」というもの。ふざけているように思えるが、“ミルキーっこ”の中に「美人」、「新人=ルーキー」が盛り込まれた、考え抜かれた名フレーズだ。

その他にも、田原俊彦の妹役オーディションに合格しデビューした松本伊代の「瞳そらすな僕の妹」、他には類のない不思議ちゃんキャラで独自の存在感を発揮した山瀬まみの「国民のおもちゃ、新発売」など、他にも言い得て妙なキャッチフレーズはたくさんある。中には「井森美幸16歳、まだ誰のものでもありません」という、今も独身を貫く井森美幸の未来を予測したかのようなキャッチフレーズも存在する。

「岡山の奇跡」と称された女優の桜井日奈子、福岡のローカルアイドル時代にSNSで拡散された「奇跡の一枚」と呼ばれた写真によって全国に名前が知れ渡り、「千年に一人の逸材」と絶賛された橋本環奈など、今でもキャッチフレーズによって有名になった芸能人も少なくない。キャッチフレーズは時代を映す鏡であり、これからも時代に寄り添った芸能人には名フレーズが冠されることだろう。

(文/小澤裕)