“乗り込み型の巨大ロボットアニメ”の元祖として、今もなお多くのファンを持つ「マジンガーZ」のオリジナル作品が、2018年に大スクリーンにて45年ぶりに登場します! 1月13日公開の『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』は、Dr.ヘルとの戦いから10年後の世界が舞台。主人公の兜甲児が再びパイロットとして、マジンガーZで機械獣と戦います。

マジンガーZはその人気から、さまざまな派生作品を生み出しました。一番新しいものでは2009年にTVアニメが作られ、それに伴い漫画の雑誌連載も行われています。そんなアニメ放送開始から45年間にわたって愛され続けてきたマジンガーZの世界から、今回は面白いエピソードをいくつか紹介したいと思います。

車の渋滞を見た永井豪、そのとき生まれたのがマジンガーZだった!?

意思を持ったロボット「鉄腕アトム」、リモコンによる遠隔操縦の「鉄人28号」、人間の心を移植した「エイトマン」などが人気を集めていた1970年代。そこに突如、彗星の様に現れた“人間が乗って操縦する巨大ロボット”がマジンガーZでした。

原作者の永井豪によると、道路の渋滞を見かけた時に「車に足が生えて、渋滞をまたいで進んでいければいいのになあ」と思ったのが、マジンガーZを思いつくきっかけだったのだとか。

ちなみに、企画段階では最初は「アイアンZ」、その後に「エネルガーZ」という名前になっていました。兜甲児が操縦するのも、空飛ぶホバーパイルダーではなく、バイクという設定だったようです。こういった、マジンガー誕生にまつわる逸話の数々は、永井豪の自伝的作品「激マン!マジンガーZ編」で読むことができます。

ジャンプ連載は“このあとの戦いが見たい!”というところで終了!?

永井豪による漫画版『マジンガーZ』は当時、『週刊少年ジャンプ』に掲載されていました。ただ、この連載はDr.ヘルが日本に向けて地獄城を発進させるところ、つまり最終決戦の直前で終わっています。“このあとの戦いが見たい!”というところで終わってしまうという、一部のバトル系漫画の打ち切りなどに見られるパターンの終わり方です。

このような終わり方になったのは、なにも漫画が不人気だったわけではありません。アニメの人気に伴って漫画を幼年誌展開するため、ジャンプの連載が終わることになったからでした。

話の続きは講談社から『グレートマジンガー』の漫画版第1巻が出版されるときに書き下ろされ、きちんと完結しました。この『グレートマジンガー』の第1巻は、9割近くが『マジンガーZ』の最終決戦で占められており、ほぼ『マジンガーZ』の最終巻といってよい内容となっています。

さやかと弓教授は、コミックスでは顔が描き直されている

『週刊少年ジャンプ』に連載された『マジンガーZ』において、弓教授はアニメ版とは全然違う、白髪に白ヒゲのおじいさんとして描かれていました。弓さやかも髪の毛が茶色でしたが、こちらは単行本では黒色に描きなおされています。これは、アニメの人気に伴って、キャラクターの描写を近づけたということかもしれません。

ちなみに、書き直しといえば、近年出版された『改訂版 マジンガーZ』では、なんとマジンガーZの顔がほぼ全コマ描き直されています。

存在したかもしれない、マジンガーZ第三作のもう一つの物語

アニメ版の「マジンガーZ」は、その人気から続編が作られています。シリーズ2作目は「グレートマジンガー」。未知の敵・ミケーネ帝国の戦闘獣にボロボロにされたマジンガーZを、颯爽と現れたグレートマジンガーが助けるという展開は、当時のファンを熱狂させました。

シリーズ3作目は「UFOロボ グレンダイザー」で、こちらは日本だけでなく、フランスでは『ゴルドラック』という名前で放送されています。現地では視聴率100%を記録するほどの人気を集めました。

しかし、シリーズ3作目として、アニメ版には別の構想もあったようです。その名も「ゴッド・マジンガー」。こちらは、ミケーネ帝国の攻撃でグレートマジンガーが大破し、兜甲児がマジンガーZを強化した「ゴッド・マジンガー」で立ち向かう……という内容でした。『鉄の城 マジンガーZ解体新書』などのマジンガー研究本にも載っている、ファンのあいだでは有名なお話です。なお、のちに、「ゴッドマジンガー」というアニメが作られていますが、こちらはマジンガーZシリーズとは関係のない作品となっています。

永井豪によってさまざまな魂を吹き込まれたマジンガーZたち

永井豪による漫画版は、『マジンガーZ』の終了後も続き、新たなストーリーの展開を見せています。

まずは、『週刊ヤングジャンプ』に連載された『マジン・サーガ』。この作品で兜甲児は未来の火星へとタイムスリップ。「超精神物質Z」で作られた仮面をかぶり、マジンガーZと化してゴッドカイザー・ヘル率いる機械獣軍団と戦います。

次に登場したのが『Zマジンガー』。物語はかつて超次元宇宙オリンポスの侵略から地球を守った、機械神「Z神(ゼウス)」が遺跡から発見されるところから始まります。死に行く彼から地球を託された兜甲児は、改修されたZ神のボディ「Zマジンガー」に乗り込み、オリンポスの新たなる侵略に立ち向かうのでした。

その他には、『マジンガーZ』は実話を元にして書かれていた!? という、永井豪の自叙伝……らしきセルフパロディ『思い出のK君』という作品も。マジンガーZの世界をここまで膨らませられるとは、永井豪の発想に驚かされます。

リメイクされるマジンガーZの世界

『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』は立ち位置としてはリメイク作品といえますが、過去にも「マジンガーZ」はリメイクされています。

OVAで展開された「マジンカイザー」は、兜甲児が新たなスーパーロボット「マジンカイザー」に乗り込んで、Dr.ヘルと戦うというもの。漫画版『マジンガーZ』のストーリーを取り入れた作品でした。

2009年に放送された「真マジンガー 衝撃! Z編」は、『Zマジンガー』の設定を盛り込み、さらに永井豪の他の漫画からキャラクターも大挙登場するアニメ。永井豪ファンにとってはたまらない作品です。時を同じくしてサポート連載として始まった漫画『真マジンガーZERO』は、続編の『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』と合わせて全17巻を数える大作となりました。

『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』/原作:永井豪/監督:志水淳児/アニメーション制作:東映アニメーション/配給:東映/(c)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』は海外では先行公開されており、いよいよ待ちに待った日本公開となります。声優には森久保祥太郎、茅野愛衣、石塚運昇など豪華キャストが名を連ねており、マジンガーZの大ファンだという宮迫博之なども参加していています。

現在トレイラームービーが公開されていますが、水木一郎によって新録されたテーマ曲も最高にカッコいい仕上がりです。この歌にのせて、どんなストーリーが展開されるか楽しみですね。

(文/ハーバー湊@H14)