赤いルージュに臆病な女は、人生にも臆病かもしれない……。12月9日に公開されるマルタン・プロヴォ監督の『ルージュの手紙』は、カトリーヌ・ドヌーヴとカトリーヌ・フロというフランスが誇る2人の名女優がみせる愛と喪失、そして再生の物語です。

映画内では1本の赤いルージュが、人生に消極的な女の行く末を変えるキーアイテムとして登場します。赤いルージュをまとう女の、自信に満ちたエレガンス……。2人のカトリーヌのように、赤いルージュを使いこなせる大人の女に憧れますよね。今回は、『ルージュの手紙』の見所とともに、どんな女性にも似合う“赤いルージュ”を選ぶコツをお届けします。

対照的な2人の女性の“生”をめぐる物語

(C) CURIOSA FILMS – VERSUS PRODUCTION – France 3 CINEMA

“生“を自由奔放に消費してわがままに生きるベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)と、新しく生まれ落ちる“生”を手助けする助産婦のクレール(カトリーヌ・フロ)。2人はこれ以上にないといってよいほど真逆の生き方をする、血のつながらない親子です。

輝かしい“生”の誕生を手伝う仕事の反面、人生の愉しみにはとんと無縁のクレールのもとに、ベアトリスからある日突然電話がかかってきます。「今すぐ、あなたに会いたい」。クレールの父親の後妻だったベアトリスは、クレールと父を捨てて30年前に突然失踪していたのです。

しぶしぶ会いに行くクレールですが、案の定ベアトリスを許すことができません。とはいえ、次第に、“生”を燃やすようなベアトリスの生き方に魅了されていく自分に気がつきます。そして、ベアトリスの家で1本の赤いルージュを見つけたとき、思わず手がのび、化粧気のない唇にルージュを引いてしまう……。1本の赤いルージュで“生”を取り戻したクレール。過去の確執を乗り越え失われた時間を2人が埋め始めたとき、新たな試練が彼女たちに襲い掛かります……。

ヒョウ柄でさえ“エレガンス”に格上げする赤いルージュ

(C) CURIOSA FILMS – VERSUS PRODUCTION – France 3 CINEMA

本作では、カトリーヌ・ドヌーヴがくわえタバコに酒をあおりながら、怪しいオジサンたちとギャンブルに興じる、その日暮らしの女性ベアトリスを熱演しています。

ドヌーヴがまとうヒョウ柄ファッションは、一歩間違えば下品になってしまうのに、貫禄たっぷりの“エレガンス”がにじみでていて圧巻! それは、フレンチ・ビューティーを半世紀以上も体現してきたドヌーヴの、円熟した人間性の賜物なのでしょう。そして大人の官能や情熱を演出するには、ベアトリスのような赤のルージュの存在も欠かせないのです。

赤いルージュは太陽や火のエネルギーを表わす“パワーリップ”。なにかをスタートアップしたいとき、自分を変えたいとき、生き生きとしたいときにオススメです! ここからは、自分に似合う赤いルージュの見つけ方と、魅力的な赤リップのつくり方を紹介します。

イエローベースかブルーベースか?

自分の肌を美しく魅せるため、どんな“赤”が最適であるかを見つけるには、まず肌のトーンが、ブルーベースかイエローベースであるかを知ることが先決です。

左はイエローベース、右がブルーベース

写真のように、手首の血管の緑色が目立つならイエローベース。一方、血管の青紫が目立つならブルーベースです。血管が見えにくい人は、日焼けしたときを思い浮かべましょう。日焼けをしてすぐに黒くなる人はイエローベース、赤くなりやすい人はブルーベースだと考えられます。

肌トーン別、似合う赤色は?

上2色はイエローベースに、下2色はブルーベースに似合います

イエローベースの人はオレンジ系やベージュ系など黄味がかった赤が似合い(写真上、上から2色)、ブルーベースの人はボルドー系やローズ系など青味がかった赤(下2色)が似合います。

カトリーヌ・ドヌーヴv.s.カトリーヌ・フロ 赤リップのつくり方

リップブラシをねかせてブラシの側面でルージュを引きましょう

たとえ周りを振り回そうとも傷つけようとも、自分が決めた生き方を貫くベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、赤いルージュをキチンと引いて情熱的な唇を演出しています。ベアトリス風のエレガントな赤リップを実現するには、ルージュをリップブラシにとり、唇の輪郭にそって“口角→唇の山”の順序で唇になじませることがコツです。

ここで大切なのが、リップブラシをねかせること! リップブラシを立ててブラシの先端で輪郭をとるよりも、写真のようにリップブラシをねかせるようにしてブラシの側面でルージュをつけるとリップライナーなしでもキレイなリップラインを作ることができます。

また、クレール(カトリーヌ・フロ)がベアトリスのルージュをつけるシーンのように、ルージュをそのまま唇にぽんぽんとのせると、カジュアルな赤リップに。その際は、唇の中央を意識して重ね付けると、唇がふっくらと立体的になり若々しい仕上がりになりますよ。

このようにイエローベースの肌に黄味がかった赤いルージュをつけると、肌が明るく輝きます。

対照的な女性2人が過去を受け入れて心を通わす愛の喪失と再生、生と死を笑いと涙たっぷりに描いた『ルージュの手紙』。人生の酸いも甘いも噛み分けた大人の女性にこそ観てほしい――。そう、赤いルージュを友にして。 

(文・此花さくや)