言わずと知れたカンフー・アクションのヒーロー、ジャッキー・チェン。あの魅惑のスマイルからは想像し難いですが、じつはとうに還暦を超えていて、70歳という大台を前にアクションの引退を示唆しています。しかし、これまでも引退発言をしながら、アクションしまくってきた“前科”があり、その信憑性には少々の疑問符も……。

最新主演作『カンフー・ヨガ』(12月22日公開)ではバリバリのアクションは当然のことながら、キレッキレのボリウッドダンスまで披露していて、もう引退なんてどこ吹く風といった調子ですが、過去には引退どころか命を落としかねない危険なアクションに挑んできました。今回は、もはやリスクしかないジャッキーの伝説的スタントについて振り返っていきます。

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時計台から落下して頚椎強打! 命懸けのスタント3連発

ジャッキーのスタントアクションの代名詞とも呼べるのが、『プロジェクトA』(1983年)で見せた高さ25メートルの時計台からの落下シーンです。彼はすべてのスタントを成功させたわけではなく、真っ逆さまに地面へ脳天を直撃させ、頚椎を強打して重症を負ってしまいます。しかし、治療後にその危険なシーンを撮り直し、なんと合計3回もこの命懸けの落下スタントに挑みました。

ジャッキー映画でおなじみのエンドロールNG集には、本編で使われなかった落下映像、そして支えられながら辛うじて歩く痛々しい彼の姿が……。全身エンターテイナー、ジャッキーの尋常ではない役者魂を感じさせるスタントです。

半身不随寸前の大ケガ! アクション映画史に残る名スタント

傘一本でバスにしがみつく驚異的なスタント、そしてクライマックスに向かうラスト10分で一気に畳み掛ける怒涛のアクションが見せ場になっている『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)。特に印象的なシーンとしてファンの間で語り草になっているのが、デパート内の電飾ポールをつたって滑り落ちるスタントです。

割れた電飾からは火花が飛び散り、ガラスを突き破って床に叩きつけられたジャッキーは脊髄を損傷、さらに骨盤脱臼によって半身不随寸前となる大ケガを負いました。ポールに飛び移る直前のジャッキーは、まさに覚悟を決めた“男の顔”。ジャッキーの緊迫した表情からは、いかにこのスタントが危険なのか、そしてこのスタントに対する並々ならぬ想いが伝わってきます。

朝飯前と思いきや…死亡説すら報じられた悲劇のスタント

ジャッキー史上最悪ともいえる大ケガを負ったのが『サンダーアーム/龍兄虎弟』(1986年)の冒頭のシーン、木へ飛び移るスタントでした。ジャッキーなら難なくこなすと思われましたが、掴まった木の枝が不運にも折れてしまい、そのまま高所から岩場に激突します。

ジャッキーは頭蓋骨を骨折、脳出血まで起こし、一部ではケガの影響で片耳の聴力をほとんど失ったと囁かれてもいます。しかし、死亡説まで流れたケガに見舞われた後でも、すぐに復帰して映画完成にまで漕ぎ着ける彼の精神力には脱帽、もはや畏敬の念すら感じます。

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「存命中の俳優で最も多くのスタントをこなした人」というギネス世界記録を達成するほど、スタントマンを使わずに自ら危険なアクションに挑み続けるジャッキー。アクション引退を示唆しつつも、先日『ラッシュアワー4』が実現する可能性を匂わせるなど、まだまだアクションに挑戦する意欲は衰えていないようです。人々を惹きつけてやまない“リビング・レジェンド”は、誰が何と言おうと、これからも観客の魂を揺さぶり続けることでしょう。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)