全世界の天気を管理していた「気象コントロール衛星」が暴走し、世界が滅亡の危機にさらされてしまうディザスター・アクション映画『ジオストーム』(2018年1月19日公開)。本作で地球の危機に立ち向かうメンバーの一人が、圧倒的な美貌を持ちながら時に派手なアクションを披露する“スーパーキャリアウーマン”のサラという女性です。

そんなサラの日本語吹き替えを担当しているのが、キャリアウーマンネタでブレイク中のブルゾンちえみ。あまりにも適役であるため、公開前から期待が高まりますが、実は日本語吹き替えは評価が大きく分かれる難しいものでもあります。そこで今回は、吹き替えで好評を博した芸人の声演技に着目してみましょう。

クールな美声にみんな惚れ惚れ!『アベンジャーズ』シリーズの宮迫博之

山口智充とともに「くず」としてCDをリリースしたり、テレビ番組のナレーションをしたりと、その声の良さを活かした仕事も多い雨上がり決死隊の宮迫博之。彼の美声は吹き替えでも発揮されています。

宮迫が吹き替えを担当したのは、マーベル映画『アベンジャーズ』シリーズのホークアイ役でした。宮迫は、地上最強の射手であるクールなホークアイを演じるにあたって「『感情を全面に出さないように』と言われたが、つい入り込んでしまって感情をこめたくなってしまった」とその難しさを語っています。しかし作品を観たファンからは「すごく自然だった」「宮迫の声に惚れた」と称賛の声があがりました。

その後、シリーズ3作にわたってホークアイ役を担った宮迫ですが、声優を本業としていないタレントが吹き替えを担うことに対する非難があることも承知しており、公開時のインタビューでは「(洋画吹き替えは)アニメとは違って元の俳優さんがいるからたたかれるのでは」と分析。「納得していただけるよう頑張るしかないですね」と謙虚な姿勢を見せています。

吹き替えネタの主ならではの苦悩も!『ゴーストバスターズ』(2016年)の友近

「吹き替え×芸人」といえば、忘れてはならないのが友近です。海外ドラマの吹き替えをモチーフにした「ディラン&キャサリン」のコントで知られる彼女は、映画『ゴーストバスターズ』で主人公エリンの吹き替えを担当しました。

吹き替えの喋りに慣れている友近ですが、エリンの吹き替えは苦労したそう。自身のラジオでは、「当初は、映画を観た人の頭に、友近や友近の吹き替えネタが浮かんでしまわないよう抑えめにした」と吹き替えネタの持ち主ならではの悩みを告白しました。しかし、抑えすぎたところ迫力がなくなってしまったので、自分が思う役のイメージを全開にしてみたら良い仕上りになったとのこと。

結果、友近の吹き替えは「言われなければ演技だとわからない」「違和感がない」と絶賛されました。また、友近と一緒に吹き替えに挑んだ渡辺直美や南海キャンディーズのしずちゃん、鬼奴も高い評価を集めています。

毒舌キャラがハマりすぎ!『テッド』(2012年)の有吉弘行

吹き替えの上手さや声の美しさ以外にも、キャラクターに合った人物が吹き替えを担当することで、魅力を引き立たせることができます。『テッド』で主人公のテッドを演じた有吉弘行がその好例だと言えるでしょう。

テッドは一見愛らしいテディベアでありながら、その実態は下ネタやブラックジョークを連発する中年男性という斬新すぎるキャラクター。毒舌キャラで有名な有吉が吹き替えをすることで、テッドが持ついかがわしさと人情味を醸し出すことに成功しました。有吉はとび抜けて吹き替えがうまいわけではないものの、本作では棒読み加減さえ「ぬいぐるみっぽさがあっていい」と歓迎されました。中には「吹き替えで見た方がいい」という声まであがっています。

本作の公開アフレコで、有吉は「吹き替え版って誰が見ているんですかね」「慣れない仕事でストレスがたまる」といつもの調子で毒舌を炸裂。しかし許されてしまうのは、テッドと同様、その奥に優しさが秘められているからなのでしょう。

キャリアウーマン役で声優初挑戦!『ジオストーム』(2018年)のブルゾンちえみ

『ジオストーム』では、気象コントロール衛星の暴走によって、世界各地で寒波や地割れ、大洪水など空前絶後の巨大災害が勃発! 恐ろしい超異常気象から地球を救うために立ち上がった人々の奮闘が描かれます。

女性シークレット・サービス・エージェントのサラ役をブルゾンちえみが演じるほか、主人公の科学者ジェイク役は上川隆也、国務省職員のマックス役は山本耕史と、吹き替えには豪華なキャストが揃いました。

ブルゾンの起用について、担当者は「いま日本中の誰もが憧れるスーパーウーマンは誰かと考えた時に、男女ともに大人気で、キュートで艶のある声をお持ちのブルゾンちえみさんを真っ先に思い浮かべました」と明かしています。まばたきさえ忘れてしまうほどの迫力溢れる映像の中で、一体どんな声演技を見せてくれるのでしょうか。

芸人の吹き替えは、滑らかで聴きやすさでプロの声優に敵わないかもしれませんが、キャラクターへの愛情や個性は決して負けていません。普段は字幕派の人も、『ジオストーム』では吹き替え版にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

『ジオストーム』は、2018年1月19日(金)より全国ロードショーです。

(鈴木春菜@YOSCA)