華やかなイルミネーションが街を彩り、お店を覗けば、楽しそうに恋人や子どもに向けたプレゼントを選ぶ……。年末のビッグイベントであるクリスマスに向けて、街には幸せなムードが漂っています。そのムードはクリスマスを題材にした映画でも同じで、ファミリームービーや、恋愛映画など、心が浮つくような作品が数多く作られてきました。

その一方で、そんな浮かれ気分に中指を立てるかのような、子どもの夢ぶち壊しの映画も数多く存在します。そこで今回は、幸せそうな人たちなんて見たくない! という人に向けて、家に籠ったままダークな気分に浸れるクリスマス映画をご紹介したいと思います。

戦慄のキラースマイルにゾワッ!人でなしサンタVS少年

クリスマスについて子どもの頃に教えられたことを今一度思い出してみて下さい。12月24日のクリスマスイブの夜、赤い格好の白いひげを蓄えた顔も良く分からないおじさんが、「サンタだから不法侵入ではありませんよ」と言わんばかりにスッと家に入り込み、すやすや眠る子どもの枕もとにプレゼントを置いていく……。冷静になってみたら、恐ろしくないですか!?

そんなサンタのお決まりを利用したのが、フランス製スリラー『ウォンテッド Mr.クリスマス』(1989年)です。サンタを信じる10歳の少年トマは、サンタに会えるとワクワク気分。しかし家にやってきたサンタは、到着するなりトマの愛犬を殺害! そう、その男はサンタに扮した危険人物だったのです。そんな相手にトマは果敢にも立ち向かっていきます。

何より鳥肌が立つのが闇夜に浮かび上がる、ニヤリとしたサンタの不気味な微笑み! 大人が見ても戦慄が走るスマイル、子どもが見たらトラウマ間違いなしでしょう。少年がクリスマスの夜に1人で悪漢に立ち向かう本作は、あの人気シリーズ『ホーム・アローン』の元ネタになったのではと言われています。

「子どもの夢を壊す」という理由で公開中止に追い込まれた曰く付きホラー!

子どもにトラウマを与えるという意味で、忘れてはいけないのが『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』(1984年)です。そのタイトルからしておどろおどろしい本作ですが、中身もかなり強烈!

クリスマスの夜にサンタの格好の強盗に両親を殺されたトラウマをもつ青年・ビリーがあることをきっかけに、殺人サンタ化してしまう本作。敬虔な施設で育ち「エッチなことは罪!」と教え込まれたビリーは、働いているおもちゃ屋でサンタの役をすることに。営業後、リア充店員同士がイチャイチャしているところを目撃してしまうと、祖父に教え込まれた「サンタは悪い子に罪を与える」という教えとともにスイッチがオン! “悪い子”を捜しに夜の街へと繰り出していきます。

その後は鹿の壁飾りに裸の女性を串刺しにしたり、ナイフで男をめった刺しにしたりと残虐描写のオンパレード! あまりのグロさに、全米公開時には上映禁止運動が行われたという本作ですが、カルト的人気を博しシリーズ化しました。数々のスラッシャー映画に影響を与えたほか、2012年には『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』としてリメイクもされましたが、こんなに人気作になったのも、リア充が痛い目に遭うところに爽快感を見出す人が多いということなのかもしれません。

金、酒、女好きなアウトローサンタの生きざまに思わずほろり?

アメリカでは、クリスマスシーズンになるとショッピングモールにサンタが常駐し、子どもの欲しいものを聞くという風習があるようですが、そんな“職業サンタ”ウィリーが主人公のブラックコメディ『バッドサンタ』(2003)を最後に紹介したいと思います。

このウィリー、前科あり、バツ2、酒浸り……と、とにかくダメ男。サンタをしている理由もショッピングモールの金庫破りに向けたセキュリティのチェックのためで、サンタとしては、酒臭いまま子どもと話したり、ブチ切れたりとやりたい放題。しまいにはサンタの格好のまま女性とベッドイン。思わず引いてしまうほどのブラックジョークが炸裂します。

子どもにとってはサンタのイメージが崩壊してしまいますが、大人が見ると身につまされたり、ある少年との出会いにほっこりさせられたり、心に突き刺さる場面も。ただ、ふとした時に精神的なダメージを喰らうので、鑑賞の際はご注意を!

小さな子どもには、絶対に見せられませんが、大人こそ楽しめるこれらの作品たち。クリスマスに街に繰り出して楽しむのも良いですが、お家でこれらの映画を鑑賞し、暗黒な一夜を過ごすというのも、たまにはいかがでしょうか?

(文/ケヴィン太郎・サンクレイオ翼)