新時代のブッ飛びスパイアクション映画『キングスマン』の続編『キングスマン:ゴールデン・サークル』が来年1月5日(金)より日本公開となる。

表の顔はロンドンの高級テーラー、実態は秘密裏に活動する最強のスパイ機関“キングスマン”の活躍を描く本シリーズ。スマートかつクレイジーな超絶アクションや、スピード感とウィットに富んだストーリーで全世界を魅了し続けている。「キングスマン」シリーズを観ていてテンションが上がるのはそれらだけではない。エージェントたちが使用するスパイガジェットも大きな見どころの一つだ。

一見、普通の道具のようでいて実は様々な仕掛けが隠されたガジェットの数々に、スパイ映画ファンはワクワクすることだろう。さらに、私たちが日常生活で使用する道具をベースにしたものであれば、スパイ映画ファンならずとも驚きと興奮が込み上げてくる。彼らの戦いを美しくスマートに彩るガジェットの一部をご紹介しよう。

心トキめく! ハイテクノロジーを駆使したスパイガジェット

(c) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

英国のスパイ機関“キングスマン”の紳士たちは、その気品溢れる装いに秘密を隠している。まず、英国紳士といえばダブルのスーツだろう。キングスマンのエージェントたちが着る高級スーツはすべてオーダーメイドで防弾仕様になっており、ちょっとやそっとの攻撃はなんのその。まさに“現代の紳士が纏う鎧”そのものだ。

そして、前作の劇中で、ハリーとエグジーが出会った直後、バーでのシーンで初登場したのが、エージェントがさりげなく持つ傘。こちらは、防弾仕様で銃器にもなる優れものだ。チンピラたちに絡まれたハリーが、彼らに向かって「マナーが作るんだ、人間を」と言い放ち乱闘した際、この傘を巧みに使い、息つく間もなく、たった1人で6人ものチンピラを完膚なきまで叩きのめしてしまうシーンは圧巻だ。

また“キングスマン”の会議では、録画・通信機能付き眼鏡が使用される。離れた場所にいるエージェントたちがあたかもそこにいるかのように映し出され、リアルタイムでコミュケーションが取れるというもので、近未来を感じさせるアイテムだ。さらに、物語のクライマックス、エグジーと、悪役の右腕であるガゼルによる一騎討ちのシーンでは、毒刃が飛び出す革靴が重要な役割を果たした。

エージェントを助け、幾度となく命の危機を救ってくれたガジェットはまだまだある。前作では、5万ボルトの電気が流れる指輪、毒入りペンなど、数々の強力な武器が活躍したが、本作ではこれらのスパイガジェットがどのように使用されるのか楽しみだ。

ガジェットに込められたスパイ映画へのオマージュ

(c) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

「キングスマン」シリーズに登場するガジェットは、1960年代のスパイものからアイディアを得たであろうアイテムがほとんどだ。“キングスマン”が使用するライター型手榴弾や麻酔銃付き腕時計は、「007」シリーズに登場するレーザー時計やペン型手榴弾へのオマージュだと推測される。

また、仕込み傘はイギリスの人気テレビドラマで、その後アメリカで映画化もされた「アベンジャーズ」シリーズで主人公のジョン・スティードが持っている傘から生まれた。そして、“キングスマン”の拠点はロンドンの高級紳士服街「サヴィル・ロウ」にあり、エージェントのスーツはそこで作られているが、ジェームズ・ボンドも同様に「サヴィル・ロウ」で作られたスーツを愛用している。

ガジェットだけでなく、劇中のいたるところにちりばめられたスパイ映画へのオマージュも映画ファンの心を鷲掴みにする。物語の冒頭で繰り広げられる雪山でのアクションは、『007 ユア・アイズ・オンリー』(1981年)など、「007」シリーズではお約束と言ってもいいシチュエーションの一つだ。

また、ハリーはエグジーに「紳士たるもの、マティーニの作り方を知らないといけない」と諭すが、ジェームズ・ボンドが愛するマティーニを注文するときの「ウォッカ・マティーニを。ステアではなくシェイクで」という有名なセリフもオマージュされている。しかし、エグジーがバーテンダーに伝えたのは「マティーニを。ウォッカでなくジンで。ベルモットは入れずに瓶を見ながら10秒ステアで」と、ボンドのスタイルを否定するかのような発言だった。

そして、ハリーと悪役のヴァレンタインが直接会って食事をするシーンでは、スパイ映画についての話題も。「最近のはシリアスすぎてダメだが古い作品は大好きだ」と、昔の「007」について話す2人。“紳士のスパイ”と“個性的な悪役”について、まるで自分たちを示唆するような際どい会話が交わされている。このように、古き良きスパイものの要素が数えきれないほど詰まった本作は、スパイもの好きにはたまらない、新時代のスパイ映画なのだ。

新登場のスパイ機関“ステイツマン”の武器にも注目!

(c) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

『キングスマン』では、ベテランエージェントであるハリーによってスカウトされた新人エージェント、エグジーの成長を描いたが、『キングスマン:ゴールデン・サークル』では、“キングスマン”の拠点が謎の敵によって壊滅させられてしまう。そこで、一流スパイに成長したエグジーが共に生き残ったマーリンとアメリカに渡り、同盟関係にあるスパイ機関“ステイツマン”と共闘して敵の陰謀を阻止しようと奮闘する。

“ステイツマン”の表向きの商売がウイスキー製造であることから、エージェントたちの名前は、シャンパン(ジェフ・ブリッジス)、ウイスキー(ペドロ・パスカル)、テキーラ(チャニング・テイタム)など、酒にちなんだものになっている。

彼らの出で立ちはアメリカらしくカウボーイスタイルということで、ムチや投げ縄といった少々原始的(?)な武器で戦うようだが、これらにも隠されているであろうクールな仕掛けに期待が膨らむ。また、イギリスとアメリカの最強スパイ機関が協力して悪に挑む本作。マシュー・ヴォーン監督が両国の文化の違いをどう描くのかも見どころだ。

スマートフォンやインターネットが普及し、VR(バーチャルリアリティ)やAI(人工知能)、IoTという言葉が身近になった昨今では、非現実的と思っていたスパイガジェットもそうではなくなってきたかもしれない。しかし、いつの時代も映画に登場するハイテク道具は私たちの想像を超え、ロマンがあり、単純に「カッコイイ!」と思わせてくれるものばかり。

前作で殉職したと思われたコリン・ファース演じるハリーが復活し、新たな敵“ゴールデン・サークル”のボス、ポピーにジュリアン・ムーアが扮するなど、キャストもストーリーもパワーアップした『キングスマン:ゴールデン・サークル』。アップデートされた最新スパイガジェットにぜひ注目してみてほしい。

(文・SS-INNOVATION.LLC/大原真理子)