第1弾ドラマ「娘と私」が放送されたのが1961年。そこから現在に到るまで半世紀以上に渡って、“朝ドラ”の通称で国民に親しまれ、数多くの流行語や、名女優を世に送り出してきたNHK連続テレビ小説。

俳優にとってもこの朝ドラで主演を務めることは大きなステイタスで、放送終了後も俳優としてその後の動向が注目されます。しかし、半年にわたる放送期間や視聴者の興味の高さゆえに、ドラマの役どころが俳優の印象を大きく決めつけてしまうのもまた事実。そんな朝ドラのイメージを覆そうと、挑戦的な役に挑んでいるのが芳根京子です。

清純派女優として着実なステップアップ!

高校一年生の頃にスカウトされ芸能界入りをした芳根は、2013年にドラマ「ラスト シンデレラ」で女優デビュー。翌年には朝ドラ「花子とアン」に出演、さらに2015年には『幕が上がる』、1000人以上の中から主役の座を勝ち取ったドラマ「表参道高校合唱部!」など、抜群の透明感を活かし順調なキャリアを築いてきました。

そして2016年に、朝ドラ「べっぴんさん」の主役に抜擢。若干19歳にして、戦後の混乱を乗り越え、アパレルメーカーを立ち上げた女性の一代記に挑むと、おっとりした性格だが自分の意見を曲げない芯のあるヒロインを体現し、ドラマファンの心を掴みました。

清純派から一転!? 主演最新ドラマはクセの強いクラゲオタク役

(C)フジテレビ

いまや映画やテレビドラマに引っ張りだこの彼女が「べっぴんさん」に続いてドラマで主演を務めるのが、東村アキコによる同名コミックを実写化したラブコメドラマ「海月姫」(1月放送開始)です。イラストレーターになるために上京した主人公が、アパートで出会った仲間たちとの交流や、縁遠いはずだった恋愛を通し、新しい自分や生き方を見つけ成長していく姿を描く本作。芳根は筋金入りのクラゲオタクの主人公・月海を演じます。

この月海、おさげヘアーにメガネ、スウェットにちゃんちゃんこを羽織った冴えない外見に加え、自分のことを“女性として魅力がない”と自己卑下したり、異性の前ではおどおどしたりと爽やかさゼロ! ちなみに、映画版では月海を、同じく朝ドラ女優として国民的人気を獲得した能年玲奈(のん)が演じました。朝ドラ出身女優が同じキャラクターを演じるということで、比較されることは必至ですが、能年を上回るはっちゃけぶりに期待です。

主演映画では特殊メイクを施してダークなヒロインを熱演!

主演ドラマに続いて、朝ドラ「まれ」に主演した土屋太鳳とW主演を果たす映画『累-かさね-』(9月7日公開)でも、意欲的な役に芳根は挑戦します。「イブニング」で連載中の松浦だるまの同名コミックを実写化した本作。天才的な演技力を持ちながらも口が大きく裂けた自らの醜い容姿に強いコンプレックスを抱く累、美貌に恵まれながらも女優として大成できないニナ。2人の女性が、キスをすると顔が入れ替わる不思議な口紅に導かれて出会い、苛烈な運命に身を投じていく様を描きます。

醜い顔が原因で、周囲の人間からひどい仕打ちを受けて育ち鬱屈した性格の累。彼女を演じるにあたり芳根は、「新たな自分を見つけられるよう、全力でぶつかっていきたいと思います。爆発します!」とやる気満々のコメントを、公式サイトに寄せている。特殊メイクを施し、暗い過去と業を背負うヒロインに挑んだ彼女は、持ち味を封じ、どんな新たな姿を見せるのでしょうか。

これまでの輝かしいキャリアから清純派&優等生タイプのイメージが定着しつつある彼女ですが、2018年に出演する作品からは自らのイメージを打ち破ろうとする攻めの姿勢が感じられます。俳優としてこれからも成長を続けるであろう芳根京子にとって、2018年は勝負の年になることでしょう。

(文/スズキヒロシ・サンクレイオ翼)