先天性の病気で95%の視力を失った青年サリーが、「5ツ星ホテルで働きたい!」という夢を叶えるため、障がいを隠して一流ホテルで見習いを始める……という奇跡の実話を映画化した『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』。1月13日(土)から公開される本作は、困難を乗り越える“ロッキー”的な要素もさることながら、タイプの異なる二人のイケメンが成長していく、爽やかな青春バディムービーという要素も楽しめる、魅力に富んだ1本なんです。

先天性の病により5%の視力…だけど夢を諦めない

主人公は、エキゾチックな甘いマスクのコスティア・ウルマン演じる“サリー”こと、サリヤ・カハヴァッテ。真面目で成績優秀、前途有望な学生だったサリーは、ある日突然、先天性の病に侵され、95%の視力を失ってしまいます。それでも「一流ホテルで働く」という夢を諦めきれなかった彼は、丸暗記作戦で高校を無事に卒業し、障がいを隠してミュンヘンの5ツ星ホテルで見習いを始めることに。

とはいえ、5ツ星ホテルのホテルマンと言えば、サービス業のなかでもトップクラスのスキルが求められるハードな仕事。目がほとんど見えないことを隠し通して、客室係から、フロント、キッチン、ホール、バーに至るまで、ホテルのすべての業務を体験する厳しい実地研修をクリアするなんて、どう考えても狂気の沙汰としか思えません。

困ったときはお互い様!女ったらしの放蕩息子が頼りになる相棒に

そんななか、サリーの相棒となるのが、やんちゃな雰囲気が魅力のヤコブ・マッチェンツ扮する、女ったらしの放蕩息子マックスです。あろうことか人事面接に遅刻してきたマックスの言い訳に、サリーがとっさに口裏を合わせ、マックスのピンチを救ったことから、かすかな友情が芽生えた二人。いち早くサリーの秘密を見抜いたマックスは、「困った時はお互い様!」とばかりに、持ち前の容量の良さと恵まれた環境を活かして、サリーのサポートを申し出ます。

マックスの父親が経営するレストランを借りて、複雑なカクテルの作り方を何度も練習したり、レジ打ちやテーブルセッティングの特訓をしたり……。周囲の人々の協力も仰ぎながら、逆境に負けない強い意思と並々ならぬ努力で、研修課題をクリアしていくサリーとマックス。ところが、サリーが納入業者のラウラに恋したことから事態が一転。慎重に築き上げてきた“偽装工作”に少しずつほころびが出始め、厳しい現実を前に自分を見失ったサリーは、研修でもたびたび問題行動を起こすようになってしまうのです。

一人きりでは不可能なことも、相棒がいれば乗り越えられる!

ホテルマンになる夢ばかりか、生きる希望すら失くしてしまったかのようなサリー。そんなサリーを見捨てることなく、救いの手を差し伸べたのも、ほかならぬ相棒のマックスでした。

マックスからの提案は、ある種のショック療法ともいえるほど、手荒くもありました。しかし、一人きりでは絶対に不可能に思えるチャレンジも、共に走る仲間の存在を信じて突き進めば、成し遂げられるということを、マックスはサリーに身をもって体験させます。そんな二人の熱い友情にしびれます。

障がいの有無にかかわらず、誰もが経験する人生の挫折や喜びがたっぷり詰まった『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』。無謀な夢に挑んだ奇跡の物語は、互いの足りない部分を補い合いながら夢に向かって突き進む、イケメン二人の成長物語としても、きっと多くの人の共感を得るに違いありません。

(文/渡部喜巴@アドバンスワークス)