『ザ・リング』シリーズ最新作、『ザ・リング/リバース』が2018年1月26日に公開される。同シリーズは、鈴木光司原作の『リング』シリーズのハリウッドリメイク版。実に13年ぶりの新作となることもあり、大きな話題だ。最新作では、「呪いのビデオを観た者は7日後に死ぬ」「ビデオ視聴後に少女の声で電話がかかってくる」というシリーズの”お約束”を守りつつ、呪われし少女サマラ(=貞子)がスマホや動画を通じて主人公に忍び寄るという現代的な恐怖が表現されている。

『ザ・リング/リバース』を鑑賞する際に一番気になるのは、やはり本家本元である『リング』(1998年)の怖さ、面白さがハリウッドでどう昇華されているかという点ではないだろうか。そこで本記事では、前作である『ザ・リング』(2002年)『ザ・リング2』(2005年)の内容を振り返りつつ、『リング』と『ザ・リング』、2つのシリーズの違いを分析していきたい。

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悪夢の始まり『ザ・リング』(2002年)

『ザ・リング』シリーズの栄えある1作目、『ザ・リング』のストーリーは、ほぼほぼ元の『リング』の流れを踏襲している。シアトルの新聞記者・レイチェルが変死した姪・ケイティの母親から「真相を究明してほしい」と依頼され、呪いのビデオの存在にたどり着く。元夫・ノアや息子のエイダンともども呪いのテープを観てしまったレイチェルは、ビデオの映像を手掛かりに呪いを解こうと奮闘するが……という内容だ。Jホラーならではの「静の恐ろしさ」を取り入れつつ、ハリウッドらしい緩急あるアクションが特徴の作品といえる。

『リング』と『ザ・リング』の違いは主に3つだ。まず、TVレポーターの女性が主人公であった『リング』と異なり、本作の主人公は記者のため、「姪の変死の謎を調査する」というミステリー的な要素が含まれる。ホラー映画の恐怖と謎解きの快感、一粒で二度おいしいというわけだ。次に、貞子の立ち位置にいるキャラクターが、超能力を持つ女性ではない。哀れな過去を持つ少女だ。彼女の過去こそが、『ザ・リング』シリーズの物語の根幹となっている。

極め付けとして、『リング』と『ザ・リング』で呪いの解き方が少々異なっていることが挙げられる。その相違によって、ふたつの作品はまったく違う結末を迎えるのだが、それは是非自分の目で確かめていただきたい。

『ザ・リング』から半年後…。レイチェル母子に再び呪いが襲いかかる『ザ・リング2』(2005年)

続く『ザ・リング2』の舞台はアストリアという田舎町。『ザ・リング』の事件から半年経ち、逃げるように片田舎に移り住んだレイチェルとエイダンだったが、そこで再び呪いのビデオによる惨劇が起こる。サマラから逃げ切ることができなかったと確信したレイチェルは、サマラの呪いから息子を守るため数々の災厄に立ち向かっていく。

『ザ・リング2』ではさらに日本版『リング』との違いが顕著になっている。貞子が激しい恨みを力に変えて無差別に人を攻撃するのに対し、サマラはある理由から、レイチェル母子を執念深く追いかけてくるのだ。彼女が母子を狙うわけ、それはおぞましくも哀しく、ついついサマラに憐れみを覚えてしまう。

レイチェル母子とサマラの物語は『ザ・リング2』で完結する。『ザ・リング/リバース』で未だ衰えを見せぬサマラの呪い、そして死の運命に対峙することとなるのは新たなヒロイン・ジュリアだ。彼女は平凡なイマドキの女子大生。しかしジュリアは、恋人・ホルトとともに「呪いのビデオ」が生み出す死の連鎖へ取り込まれていく。その呪いはインターネット社会で着々と進化を遂げ、どうあがいても絶望必至の脅威となって襲いかかってくるのだ。

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原作者を「ハリウッドで作られたリングシリーズ史上、もっとも原作に忠実で、もっとも怖い。驚いた」と唸らせた『ザ・リング/リバース』、是非劇場でご覧いただきたい。

(小泉ちはる@YOSCA)