『キル・ビル』(2003年)、『オールド・ボーイ』(2003年)、『告白』(2010年)、『レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)などなど……。復讐を描いた映画は数多ありますが、“勝手に性転換手術を施された殺し屋の復讐劇”なんて設定の映画はこれまであったでしょうか?

髭モジャ&胸毛ボーボーな殺し屋、フランク・キッチンが、イカれた女医の手によってつるつるボディの美女に改造され、復讐の鬼と化す映画『レディ・ガイ』(2018年1月6日公開)。肉体を女に変えられてもなお、心は男のままというフランク役になり切った主演女優の表現力は賞賛に値しますが、驚くべきはそのハマりっぷり。今回は、男役でも不思議と違和感を覚えない、稀有なワイルド系女優の魅力についてご紹介していきます。

“強い女”が板についたハリウッド女優とは?

本作で男性ホルモン全開の殺し屋・フランクを演じた女優が、勇ましい女性の役を多数演じ、ファンから“兄貴”という愛称で親しまれているラテン系女優ミシェル・ロドリゲス。

代表作『ワイルド・スピード』シリーズの主人公・ドミニクの恋人役といえば、ピンとくる方も多いことでしょう。ピタピタTシャツやタンクトップ姿でグラマラスボディを見せつけながらも、男性顔負けのドライビングテクニックと肝っ玉を併せ持つレティ役は、まさにミシェルのハマリ役です。

その類まれな“ワイルド”さは、高い評価を受けたデビュー作『ガールファイト』(2000年)からすでに確立。男性相手にボコボコに殴り合う女性ボクサーのリアルな姿は、衝撃的ですらありました。その後も、『バイオ・ハザード』(2002年)では勝ち気な特殊部隊員、『S.W.A.T.』(2003年)では雄々しい女性隊員、『アバター』(2009年)では男勝りのパイロットに扮してきたミシェル。今では“ワイルド系女優”の代表格として、ハリウッドに君臨しています。

まさに本領発揮!? ミシェル・ロドリゲスの“兄貴っぷり”が炸裂!

最新作『レディ・ガイ』でのミシェルは、女の身体になった性転換後だけでなく、髭モジャだった“男時代”のフランクも演じており、さらに彼女の“兄貴っぷり”が顕著に。

バーで初めて会った女性を持ち帰るなんて当然朝飯前。避妊具の袋を歯で破るワイルドさもさる事ながら、男時代のフルヌードシーンでは男性ものけぞる男らしさを魅せる。

女の身体になっても裸にバスローブ一丁で酒を買いにいく姿は、妙にナチュラル。逆に不慣れな手つきで化粧を施したフランクが、女性ものの服を身につけるシーンは、どこか“女装”しているようにも見え、演技の奥深さを感じさせます。

女性からもモテモテ!? 巨匠も絶賛した“漢気”とリアリティ

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性転換された殺し屋の復讐劇という風変わりな設定を映画化したのは、『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984)など、これまで“男くさい世界観”の作品を数多く手がけてきた名匠ウォルター・ヒル。

フランク・キッチン役には、当然、男優のキャスティングも候補に挙がったそうですが、ミシェル以上に見事に演じられる俳優はいないと断言。「ミシェルはまさに宝だ。フランク役を演じるには勇気が必要だが、彼女は実に勇敢だ」と絶賛しています。

そんな監督の信頼に応えるように、ミシェルも“男”の役作りに邁進したよう。出会い系アプリで男性アカウントを作成し実際にアプローチしたことで、インスピレーションを得たそうで、しかも何人かとマッチする“モテ男”っぷりだったとか。女性にもモテモテな“ミシェル兄貴”にしか出せないリアリティが、本作をより魅力的にしていることは間違いありません! 兄貴の勇姿をぜひ劇場でご覧ください。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)