憂いと優しさが同居する眼差し、綺麗な手、艶のある声……。“色気がある俳優”というと、松坂桃李を思い浮かべる人も少なくないだろう。そんな彼が、かわいすぎるモフモフクマさんの日本語吹替版声優を務めて話題となったのが『パディントン』(2016年)だ。2018年1月19日(金)には、続編となる『パディントン2』がスクリーンに登場する。物語の主人公で愛らしいクマさん、パディントンの声を続投した松坂だが、なぜ彼がパディントン役にハマったのか? その魅力と共に、理由を探ってみたい。

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ハプニング続きだったパディントンがすっかり都会っ子に

ジャングルから憧れのロンドンへとやって来たクマのパディントンが、ブラウン一家と出会い、数々のハプニングを巻き起こしながらも家族の一員となっていく姿を描いた『パディントン』。『パディントン2』では、すっかり“ロンドンっ子”となったパディントンが、無実の罪で刑務所へ! 自身の無実を証明すべく、ブラウン一家と共に奮闘する姿を描く。日本語吹替版では、前作に引き続き、松坂がクマのパディントンの声を担うほか、新キャラクターの声優として斎藤工が参戦している。

相性がいいのは “優しさ”が共通しているから?

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セクシーさにも定評のある松坂が、モフモフのボディに赤い帽子とダッフルコートをまとったパディントンの声を務めるのは、なんとも新鮮な驚きだった。前作でオファーされた際には、彼自身も「僕ですか?」と何度も聞き返したのだとか。

起用の理由は、「パディントンのように礼儀正しく、好青年でありながら、チャーミングな印象がぴったり」だったから。なるほど、その言葉を聞くと大いに納得だ。映画やドラマではセクシーさを見せる彼だが、スタッフからは好青年ぶりも評判。取材をした映画ライターからも、「いつも目を見て挨拶をしてくれる」「こちらの話を『なるほど』とうなずきながらしっかりと聞いたうえで、きちんと話をしてくれる」といった声をよく耳にする。

『パディントン2』では、育ての親・ルーシーおばさんの誕生日プレゼントを一生懸命探すパディントン。その過程で事件に巻き込まれてしまうのだが、事件解決と共に描かれるのが、パディントンの周囲への思いやり。

不器用でドジっ子なパディントンに、「やれやれ、困ったちゃん!」と笑わせられながらも、分け隔てなく、誰にでも親切に接する姿には心がほっこりと温まる。松坂は、地声よりちょっと高めのトーンでパディントンの声を演じているが、それがなんともかわいらしく、また声からも“優しさ”が感じられる。

松坂とパディントンの相性が良いのは、やはりこの“優しさ”がカギを握っているのだろう。松坂は続投に向けて、「みなさまにパディントンのパワーアップした世界をお届けできるよう、全力で言葉を吹き込んでいきます」と意気込みも十分だ。

演技の振り幅がすごい!世代を代表する俳優に成長

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2017年の松坂といえば、“イヤミスの女王”と呼ばれる沼田まほかるの原作を映画化した『彼女がその名を知らない鳥たち』で、超ド級のクズ男を演じたり、NHK連続テレビ小説「わろてんか」でダメ夫を演じたりと、一癖も二癖もある男に扮して、観客をクギ付けにした。また、ドラマ「ゆとりですがなにか」のスペシャル版「ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編」で再び演じた、愛すべき童貞教師“山ちゃん”も忘れがたい。そう、イメージを覆すような難役に果敢に挑むのが、彼の俳優としてのスタンスだ。

2018年も出演作が多数公開待機中だ。“視線だけで人を死に導くことができる男”というダークヒーロー役で、不気味さと怪しさを炸裂させる『不能犯』に、白石和彌監督のもと、役所広司とアウトローなバディを演じる『孤狼の血』。自身が主演した舞台をR18指定で映画化する『娼年』では、娼夫として生きる主人公に扮するなど、目を見張るようなセンセーショナルな作品、役柄にトライ。松坂にとって大きな飛躍の一年となりそうだが、その幕開けを飾るのが『パディントン2』というのがまたおもしろい。

セクシー&キュートのギャップを見せつけ、演技の振り幅も広げる彼から、ますます目が離せない。まずは、抱きしめたくなるほどかわいらしい! パディントン=松坂桃李を堪能してみては。

文=成田おり枝/SS-INNOVATION.LCC