2018年1月19日公開の『ジオストーム』は、2022年の地球を舞台にした物語です。この未来においては気象コントロール衛星が天候を管理しており、人類は自然災害の危機から解放されます。「わずか4年で世界がこんなに変わるなんて」と、映画の中の人だったら、思わずつぶやいたのではないでしょうか?

『ジオストーム』と同じ2022年の未来は、どんな世界になっているのか。それを占うものとして、他にもまだある“映画の中の4年後の世界”を覗いてみましょう。

1年に1回、犯罪が合法になる2022年…『ザ・パージ』(2013年)

『ザ・パージ』では、2010年代に経済が崩壊。2015年に“新しいアメリカ建国の父たち”とよばれる独裁政権が誕生しています。2022年の街並みは今と変わらず、景色としてはリアルな未来像といえるかもしれません。

この世界においては1年に1日だけ、夜7時から翌朝7時までの12時間はすべての犯罪が合法となる「パージ法」が制定されています。その日は警察も消防も活動を停止するので、日ごろの恨みをはらしたり、憂さ晴らしをするにはうってつけ。一方で身を守ろうとする人々はすべての窓をシャッターで閉じ、扉も厳重に施錠して、要塞のようになった家にこもります。

パージとは“浄化”という意味で、他人を殺したり、犯罪を犯すことで心の闇を解放し、魂を浄化させるという考えに基づいています。このパージ法によって犯罪率は激減し、失業率は1%まで低下。アメリカは経済成長を遂げて、豊かな国になりました。防犯システムが大繁盛しているというのが、笑えるようで笑えない世界観ですね。

人口爆発でスティック食しか食べられない2022年…『ソイレント・グリーン』(1973年)

人口爆発が進んで地球上に人が溢れ、ニューヨーク市だけで4,000万人が在住。その半分が失業者という、人類が繁栄の際から零れ落ちようとしている未来が、『ソイレント・グリーン』における2022年です。

主人公ソーンはアパートに暮らしていますが、それは恵まれたごく一部の人にのみ許された特権です。アパートの階段では足の踏み場がないほどに人たちが寝床を作り、教会はホームレスの収容所となっている始末。科学の発展が環境を汚染したため動植物が激減し、温暖化は一気に進みました。そこで問題になったのが食料不足です。

貧困層の人々はソイレントという名前の、海洋プランクトンなどから作られた固形食を食べて生きています。なお、ソイレントは1kgが2ドルなのに対し、イチゴジャムは一瓶150ドル。食料以外の価格も暴騰しており、作中である若者が殺しの依頼を受けた際に渡される鉄パイプには、宝のような値打ちがあるのでした。

一方で富裕層は優雅な生活を送っているのですが、その内装が1970年代のレトロ・フューチャーのようになっているのがオシャレです。公衆電話はコードレスで、当時にこの映画を観た人たちは、彼らの生活に未来を感じたかもしれません。

無人島に捨てられた囚人が殺し合う2022年…『ノー・エスケイプ』(1994年)

『ノー・エスケイプ』は刑務所が民営化され、囚人たちを使ったビジネスが盛んになった2022年が舞台。主人公ロビンスが収監された刑務所は砂漠の真ん中にあり、モノレールのような護送車によって運ばれてきます。DNAをスキャンすると、権力への異常な憎悪と凶暴性をもっていることが分かるというのは、さすが近未来といったところでしょうか。

やがて、刑務所長に逆らったロビンスは、刑務所替わりとして秘密裏に使われている孤島アブソロムに送られることに。そこではアウトサイダーという暴力に支配されたグループと、文明社会を築こうとするインサイダーというグループが戦い合っています。その実は手に負えない受刑者を殺し合わせるためのものなのですが……。ただ、刑務所替わりといっても、ただの島なので、テクノロジーなど存在しません。そのため、物語は肉体派のサバイバルアクションへと急転直下していきます。

ちなみに、ロビンスが収監されたのは、2011年にリビアのベンガジのある村を、細菌兵器を作っているという理由で攻撃をしたことがきっかけ。公開当時には未来の話だったのかもしれませんが、現在においてはリアルな危機であるかのように感じられます。

山のような高層ビルが建ち並ぶ2022年…『ブレードランナー:ブラックアウト2022』(2017年)

『ブレードランナー2047』の前日譚といえるストーリーを、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の依頼を受けて、渡辺信一郎監督が脚本とともに手掛けた短編アニメ。YouTubeで無料で観ることができます。

舞台となるのは2022年のロサンゼルス。レプリカント・ネクサス6型が寿命を迎えて絶滅し、新たにタイレル社が寿命の長いネクサス8型の製造を開始しました。しかし、レプリカントを探して殺す事件が多発したため、惑星カランサから地球にやってきたレプリカントが、自分たちを守る為にテロを計画します。

作中で描写されるロサンゼルスは、前作となるリドリー・スコット監督映画『ブレードランナー』の世界そのままです。まるで山のような高さの超高層ビルの数々は、夜景になると実写とはまた違った美しさ。お馴染みといえる空を飛ぶ車も登場し、いたるところの看板に日本語が使われているのも、原作の世界観を受け継いでいます。

『ジオストーム』 /2018年1月19日(金)全国ロードショー/配給:ワーナー・ブラザース映画/(c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

『ジオストーム』では気象コントロール衛星が突如暴走。アフガニスタンでは砂漠のど真ん中が凍り尽き、香港では地底からマグマが吹き出し、東京では直径5メートル級の巨大な雹が降り注ぎ、ムンバイでは巨大な竜巻が続発します。この異常事態に立ち向かうのが、衛星を設計したジェイク。彼は国際宇宙ステーションに向かいますが、そこで不自然な事故が発生し、怪しい動きを見せる作業員の姿も……。果たして、ジェイクは地球の環境を取り戻せるのでしょうか?

作中に描かれている2022年では、まるで飛行機に乗るような手軽さで、スペースシャトルに乗って国際宇宙ステーションへ行くことができます。最も新しい2022年を描いた作品ということで、ある意味では一番リアルな未来を描いたといえる『ジオストーム』。その未来像をぜひスクリーンで体験してみてはいかがでしょうか?

(文/デッキー@H14)