ハリウッド版『リング』である『ザ・リング』シリーズの最新作、映画『ザ・リング リバース』の公開を2018年1月27日に控え、再び「貞子熱」が盛り上がっている。そんな中、一部のホラー映画ファンが寄ると触ると話し出すのが「結局、Jホラーの中で最も魅力的なヒロインは誰か?」ということだ。「貞子の『得体の知れない化け物』然とした出で立ちがたまらない!」と熱く語るファンもいれば、「伽倻子の狙った獲物は決して逃さない”肉食女死”ぶりだってなかなか……」というファンも。

(C) 2017 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

そこで今回は、ホラー映画を愛してやまない筆者がJホラーきっての「最恐」ヒロイン達を4人、ご紹介したい。

貞子…『リング』シリーズ

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言わずと知れたJホラー映画の金字塔『リング』に登場する呪いの源泉、それが貞子だ。「呪いのビデオ」を観た者を必ず7日後にとり殺し、映像を通じて無限に増殖していくという悪夢のような能力を持っている。「長い黒髪で顔が分からない」というミステリアスさもさることながら、呪いそのものを回避する方法こそ見つけられても貞子自身を除霊することはできない、という圧倒的な強さが魅力。

能力、知名度ともに他を寄せ付けない、まさにJホラーヒロイン達の頂点に君臨する存在と言っても過言ではないだろう。

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佐伯伽倻子…『呪怨』シリーズ

世界で爆発的な人気を誇る『呪怨』シリーズに登場。息子・俊雄の霊とともに、彼女の死んだ家を訪れた人間や関わった人間をのべつまくなし呪い殺すという容赦のなさだ。可憐な白いワンピースを血で汚し、奇声を発しながら階段を這い下りてくる様は、「人妻」という蠱惑的な響きすら吹っ飛ばすほど恐ろしい。生前ストーカー気質だったこともあり、猫が瀕死のネズミをいたぶるような殺し方や、夫の激しい思い込みから虐待のすえ殺されたという痛ましい過去に心惹かれる人も少なくない模様。

なお、貞子と伽倻子は『貞子vs伽倻子』(2016年)でJホラー史上稀に見る「キャットファイト」を繰り広げている。霊能者すら太刀打ちできない彼女達が正面からぶつかったらどうなるのか、こちらも一見の価値アリだ。

富江…『富江』シリーズ

『うずまき』などの傑作でも知られる怪奇作家・伊藤潤二の『富江』を原作とした映画から、ヒロイン・富江を取り上げたい。

富江とは、行く先々で男達を虜にする魔性の美少女だ。彼女は男を手玉にとり、周囲の女達を嫉妬させ、狂気と混乱に陥れる。そして騒動の元凶である富江を人々が結託して殺しても、富江は何度も何度も同じ姿で蘇ってくるのだ。そう、富江はいわば不死身の怪物、誰よりも美しくおぞましい魔物。細胞の一片からでも再生することができ、頭だけで艶やかに微笑む様子には江戸川乱歩作品のような倒錯的な色気がある。

中でも少女時代の菅野美穂が演じた『富江』(1999年)、仲村みうが演じた『富江 アンリミテッド』(2011年)は富江のほとばしる狂気を堪能できる傑作なので、ぜひご覧いただきたい。

山崎麻美…『オーディション』(1999年)

三池崇史監督の名を世界に知らしめた『オーディション』(1999年)。2014年にアメリカのカルチャーサイトが発表した「死ぬまでに見るべきホラー映画20本」として邦画で唯一選出されている作品だ。評価の一方で、第29回ロッテルダム国際映画祭では記録的な人数の途中退出者を出し、女性客の一人が三池監督に「悪魔!」と激怒して詰め寄ったという逸話も残る。そんな「いわくつき」の映画を彩るヒロインが山崎麻美だ。

『オーディション』は、芸能関係の仕事をする中年男性・青山が息子から再婚を進められ、友人のアドバイスのもと「新人女優オーディション」という体で「嫁探し」を行うところから始まる。そのオーディションに現れた薄幸そうな美女・麻美に惹かれた青山は少しずつ距離を縮めていくものの、やがて彼女の周囲の男が行方不明になっていることを知る……というストーリー。

このあらすじからもわかる通り、貞子、伽倻子、富江と異なり麻美はれっきとした普通の人間だ。しかし、そのサイコぶりは幽霊すら裸足で逃げ出すほど。彼女は不幸な生い立ちのせいで「痛めつけることが愛情表現」と信じきっており、惚れた男を傷つけずにはいられない。当然青山もターゲットになる。「キリキリキリキリキリキリキリ……」と甘く囁きながら、身体の自由のきかない青山を糸のこで痛めつけるシーンはもはやトラウマ級。筆者も鑑賞後、3日は麻美の姿が脳裏にちらついて離れなかった。まさに究極の「ヤンデレ」と言えよう。

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美しくおぞましく狂気に満ちたヒロインの存在があるからこそ、ホラー映画の恐怖がますますかき立てられる。視聴者を驚かす仕掛けや演出はもちろんのこと、一度彼女達に注目して作品を楽しんでみてはいかがだろう。

(小泉ちはる@YOSCA)