グレイがかったエキゾチックな瞳、そしてどこかダウナーな雰囲気をまとった佇まいが印象的なモデル・SUMIRE。母親は、独特な甘い歌声とガーリーな楽曲で女性のハートを鷲掴みにするカリスマミュージシャン・Chara、そして父親はハリウッドにも活躍の場を広げる俳優・浅野忠信と、芸能界でもトップクラスの血を引くスーパーサラブレッドです。

そんな偉大な両親のもと、幼い頃から自然とアートや音楽に触れ合う環境にいた彼女が、この度、『サラバ静寂』(1月27日公開)で映画デビュー。演技未経験でいきなり映画のヒロインを務めた彼女ですが、その実力は?

母CharaのCDジャケットで一躍注目の的に!

2013年にCharaがリリースしたアルバム「JEWEL」の裏ジャケットや「やさしい気持ち(Special Kiss ver.)」のMVに登場し、その独特のオーラと親譲りの美貌が注目を集めたSUMIRE。2014年からは雑誌「装苑」専属モデルとして活動を開始。すると「透明感が凄すぎる!」などすぐにネット上で話題になりました。

その後は、モデルとして主に雑誌で活動する傍ら、Charaと親子共演を果たした住宅会社のCMや、化粧品会社のショートムービーなどに出演していた彼女ですが、今回、満を持して『サラバ静寂』で女優としてデビューを飾りました。

両親の結婚のきっかけとなった作品を彷彿?

(C) 映画『サラバ静寂』製作委員会

音楽、映画、小説などあらゆる娯楽を禁止する「遊楽法」が施行された30年後の近未来の世界を描いた本作。偶然、根絶されたはずの音楽と出会って魅了された若者たちが、非合法で行われる闇ライブ「サノバノイズ」に行くことを夢見て音楽を作り始めるというストーリーです。SUMIREは、音楽を所持した罪で父親を殺されたヒロイン・ヒカリ役を演じ、吉村界人演じる主人公・ミズトと行動をともにしていきます。

ミズトとともに音楽のある場所求めて、さまようヒカリの姿は、Charaが浅野忠信と共演を果たし、結婚のきっかけになった映画『PiCNiC』(1996年)での、ツムジ(浅野)とココ(Chara)のよう。この作品がCharaの映画デビュー作だったというところもどこか、この親子が重なって見えてしまいます。

演技は父親譲り?演技経験ゼロで醸し出すナチュラル感

(C) 映画『サラバ静寂』製作委員会

「パーソナルな部分がどこか近い」と役柄について述べているSUMIREですが、その言葉通り、彼女の演技には、余計な力が入ってなく、とても自然です。特に劇中で数回飛び出す「えっ?」という反応は、演技ではなく素なのでは? と疑ってしまうほど。それは、力の入っていない演技で一世を風靡した若かりし日の浅野忠信を彷彿とさせます。

そんな彼女が1番大変だったと語るのは、父親が警察に暴行を受けた末に殺害されて泣くシーン。「泣くまでの気持ちを持っていく、感情の表現が難しかった」という彼女ですが、控えめながら確かに感情が伝わってくるその表情の巧みさは、とても演技未経験の人のものには見えませんでした。

『リバーズ・エッジ』(2月16日公開)の公開も控えており、女優として“キテる”SUMIRE。「これから、役者としての自由な自分を見つけてゆきたい」と語る彼女ですが、世界で活躍する父親のように俳優として大成することができるのでしょうか? 本作での器の大きさを感じさせる演技を見た後では、今後のSUMIREの活躍に期待せずにはいられません。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)