直木賞候補となった伊吹有喜の傑作ヒューマンドラマを映画化した『ミッドナイト・バス』が2018年1月20日より新潟で先行公開、1月27日より全国公開される。

本作の主人公は、故郷の新潟で長距離深夜バスの運転士として働く中年の男、利一。東京で定食屋を営む恋人・志穂との再婚を考えていた矢先、16年前に別れた妻・美雪と思いがけない再会を果たし、心が揺れ動いていく。

利一を演じるのは、お笑い芸人として大活躍する一方、NHK大河ドラマ「篤姫」「龍馬伝」「花燃ゆ」に出演するなど、演技力が高く評価されている、原田泰造。本作の監督を務めた竹下昌男と、初主演映画『ジャンプ』(2004年)以来、2度目のタッグを組んだ彼にお話を伺った。

僕にとって、竹下監督は先生

Q:初主演作『ジャンプ』の監督を務めた、竹下監督と再び組んだお気持ちは?

単純に嬉しいですね。監督の作品には全部出たいと勝手に思っていましたし。

Q:竹下監督とは、初主演作でご一緒した後も交流があったそうですね。原田さんの以降の出演作を観て、竹下監督から意見を言われたことは?

たくさんありますよ。僕にとって、竹下監督は先生ですから、厳しいことを言われています。  

Q:『ミッドナイト・バス』の主演が決まって、竹下監督から最初に言われたことは“大型バスの免許を取って欲しい”だったとか。

監督の鶴の一声みたいなもので。免許の取得には、約3ヵ月かかりました。

前張りは葉っぱ!? 入浴シーン秘話

Q:本作では、利一の元妻・美雪を山本未來さん、利一の10年越しの恋人・志穂を小西真奈美さんが演じていらっしゃいます。大人の恋を描いているということで、セクシーな場面も期待しつつ観ていたのですが、まさかのサービス・カットが原田さんの入浴シーンでした(笑)

確かに、そういうシーンがありましたね(爆笑)。僕が昔、コントで「はっぱ隊」(※)をやっていたので。このシーンを撮る時、スタッフが大きな葉っぱを僕に渡して、“前張りの代わりに着けてください”と言ったんですよ。

※フジテレビ系で放送されていたバラエティ番組「笑う犬の冒険」内に登場した、裸で股間に葉っぱ1枚のみをつけて踊る集団。CDデビューも果たすなど人気を博した。

Q:スタッフの遊び心ですね(笑)。そのほかで印象に残っているシーンは?

気に入っているシーンがたくさんあります。僕がバスを運転しているシーンや白鳥がたくさんいるシーンなど。小西さんと僕がふたりで水辺に歩いて行くと、白鳥たちが寄ってきて。ところが、音声さんがガンマイクを向けた途端、白鳥たちが“ウォー”と唸り声を上げるようにして、飛び立ってしまったんです。“白鳥がいっぱいいるね”みたいなセリフがあるのに、白鳥が一匹もいなくなってしまって(笑)。

Q:それは音声さん、ものすごく焦りますね(笑)

もう、その場にいた全員がビックリして。餌を巻いても白鳥が戻って来ないので、その日は違うシーンを撮って、白鳥がたくさんいるシーンは別日に撮りなおしました。

Q:ガンマイクは無しで?

そうですね(笑)。小西さんも白鳥がいるパターンといないパターンのセリフを喋って、臨機応変に対応されていました。

Q:本作は、ラストシーンもすごく素敵でした。

ありがとうございます。僕は、ラストシーンの続きも観てみたいと思いました。

Q:原田さんは、映画ファンに本作のどのようなところを楽しんで欲しいですか?

この映画は家族の物語であり、恋愛映画でもある。いろんなところを観ていただきたいですね。

(C)2017「ミッドナイト・バス」ストラーダフィルムズ/新潟日報社

映画『ミッドナイト・バス』
2018年1月20日から新潟先行公開、1月27日から東京・有楽町スバル座ほか全国公開
配給:アークエンタテインメント
公式サイト:http://midnightbus-movie.jp/
(C)2017「ミッドナイト・バス」ストラーダフィルムズ/新潟日報社
 

取材・文/田嶋真理 写真/横村彰