2月3日(土)公開の『巫女っちゃけん。』で、夢も希望も抱けず、実家で巫女のバイトを続ける主人公を演じる広瀬アリス。本作では、テレビや雑誌で見せる爽やかな姿とは異なる、荒々しい口ぶりと態度で新境地を開拓しています。

“清純派女優”のイメージが強い広瀬。過去の出演作を振り返ってみると、個性の強い役を多く演じてきていることがわかります。ここでは、広瀬アリスがこれまでに演じた個性的なキャラクターを紐解き、その魅力に迫ります。

 (c) 2017 『巫女っちゃけん。』製作委員会 

てんとう虫コスチュームで戦う電波人間…『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』(2009年)

映画出演2作目にして特撮に挑戦している広瀬。『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』では、岬ユリコという女性戦士を演じました。岬ユリコは、仮面ライダーと同じ改造人間ですが、本作ではすでに亡くなっている岬の魂がこの世に残り、実体化した存在として登場。岬ユリコから電波人間タックルに変身し、テントウ虫をモチーフにした赤と黄のコスチュームに身を包みんで戦う姿を披露しています。

複雑な設定の役ですが、当時15歳だった広瀬は、演じた岬ユリコの元となった“岬ユリ子”が登場する「仮面ライダーストロンガー」(1975年)を視聴し役作りに勤しみ、アクションにも挑戦。その努力が実り、本作では往年の仮面ライダーファンをも唸らせるほど、存在を強く示しました。その後、個性的なキャラクターたちを演じることとなる広瀬にとって、原点とも言える役です。

本番では乗馬も披露!北海道の酪農女子…『銀の匙 Silver Spoon』(2014年)

「鋼の錬金術師」などで知られる荒川弘の漫画を実写映画化した『銀の匙 Silver Spoon』。北海道の農業高校で、恋や友情、将来に悩みながらも成長していく高校生の姿が描かれる本作で広瀬は、酪農家の娘で馬が大好きな馬術部の女子・アキを演じました。

撮影前は5ヶ月の乗馬レッスンを積み、クランクインの直前には北海道で合宿を敢行。毎朝3時起きで、搾乳やばんえい競馬の練習をしたそう。さらにアキに近づくため、長かった髪の毛をカットすることも厭いませんでした。

時間をかけてどっぷりと役に浸かったことで、取材時のインタビューでは「今回の映画を通して、女優・広瀬アリスとしても、一人の人間としても一回りもふた回りも大きくなった」と語るなど、自信をつけた様子をみせた。また、「超悪役とか、ぶっ飛んだコメディとか、広瀬アリスのイメージを壊すくらいの役をやってみたい」とも発言しており、本作での経験がその後の女優人生に影響を与えていることがうかがえます。

家出少女から出産まで! 2時間かけたギャルメイク…「佐知とマユ」(2015年)

NHKドラマ「佐知とマユ」では普段の清純派なイメージから一転、茶髪と派手なギャルメイクに身を包み、家出少女・マユを演じました。メイクに毎回2時間かけたとあり、一見しただけでは広瀬とわからないほどの仕上がりになっています。共演した門脇麦も「最後に素顔を見た時にかわいくてびっくりした」と語ったほどです。

今時のギャルならではの軽い口調でありながら、深い孤独を抱えるマユを体現した広瀬。繊細さと奔放さを併せ持ち、最後には妊娠・出産を経験するという難しい役どころを、アドリブを多分に盛り込みながら演じ切りました。決して明るいストーリーではありませんが、人の命に対するメッセージ性を持った一作となっています。

大人な一面を見せた艶やかなキャバ嬢…『新宿スワンII』(2017年)

園子温が監督を務めた『新宿スワンII』では、ヒロインのキャバクラ嬢・小沢マユミを演じています。露出の多いドレスに身を包んだマユミは、借金まみれという悲惨な状況でありながらもあくまでピュアで、時に見せる無邪気な仕草が男心を鷲掴みに。広瀬が本来持つ純粋さと、これまでとは異なる大人の色気を同時にまとい、新たな一面を見せることに成功しています。

また、撮影時には橋の欄干に立ったり、頭から水をかぶったりと、共演した綾野剛が賞賛するほどの女優魂を見せており、現場の士気を高めるのにもひと役買った様子。キャリアを重ねてきたことで、演じられる役の幅や対応力が広がっていることを感じさせました。

『巫女っちゃけん。』で広瀬が演じている主人公・しわすは、常識も礼儀もなく、態度や口も悪い今時の若者。就職した会社をすぐに辞めてしまい、文句を言いながら、神社で巫女のアルバイトをして日々を過ごしていました。ところがある日、口のきけない5歳の少年が現れ、面倒をみることに。少年の抱える問題に巻き込まれるうちに、しわすに児童虐待の疑惑がかけられてしまうのです……。

 (c) 2017 『巫女っちゃけん。』製作委員会 

しわす役をオーディションで射止めた広瀬。舞台挨拶では、「台本を読んだ時に、自分にすごく合っていると感じた」と語っています。出演にあたり所作や舞の習得に努め、巫女の衣装も一人で着られるようになりましたが、撮影時には、習ったことをすべて忘れて、従来の巫女の世界観をぶっ壊す心意気で望んだとのこと。

体当たりで挑んだ広瀬の演技に対し、メガホンを取ったグ スーヨン監督は「感が良い役者さんの最たる例」「(演出の意図を)すごく上手く汲み取ってくれる」と語り、全幅の信頼を寄せました。

 (c) 2017 『巫女っちゃけん。』製作委員会 

破天荒な巫女のしわすは、これまでに広瀬が演じた役とはまた違う味わいを醸し出しています。夢も希望もないしわすが少年との出会いを通して向き合う、家族や親子のあり方、そして自分の人生とは……? 神社という非日常を舞台に繰り広げられる物語は、きっと日々の忙しさの中に埋もれてしまった大切なことを思い出させてくれるはず。

『巫女っちゃけん。』は、2月3日(土)より全国ロードショーです。

『巫女っちゃけん。』
(c) 2017 『巫女っちゃけん。』製作委員会
2018年2月3日(土)より新宿武蔵野館・渋谷TOEI他全国ロードショー
1月20日(土)より福岡先行公開
配給:スリーパーエージェント

(鈴木春菜@YOSCA)