2018年2月17日に公開される映画『チェリーボーイズ』は、童貞の3人組が自分を変えるために奮闘する作品です。ヒロインで3人組の心をつかむ釈笛子を、映画『みんな!エスパーだよ!』(2015年)でセクシーな演技を見せた池田エライザが演じます。

男性視点で描かれたいわゆる“性春映画”においては、彼らの男心をくすぐる妖艶なヒロインが、魅力的に描かれています。今回は、そんなヒロインたちが、主人公の心をつかんだ瞬間に迫ってみたいと思います。

美女の敬語からの急なタメ語にドキッ!!…『風俗行ったら人生変わったwww』(2013年)

映画『風俗行ったら人生変わったwww』のヒロインは佐々木希演じる風俗嬢・かよ。彼女に惚れ込んだのが、何事にも自信がなく、すぐ諦めてしまいがちな性格をした遼太郎です。

彼は緊張が高まりすぎた時にパニック障害を起こすことがありました。作中で遼太郎はそんな自分を変えるため、デリヘルを呼ぶことを決意。呼び出し先のホテルでかよと出会うものの、若くてかわいい彼女を見た彼は案の定、パニックを起こして過呼吸になります。そのため、行為も行えずにかよに看病されるのですが、彼女の天使を思わせる優しい対応に惚れ込んでしまった遼太郎は、リピーターになってしまうのでした。

その後、何度もかよに会うものの、何もせずに会話だけでサービスを終了させる遼太郎。彼のことを「変わっている」と言い、たわいのない会話をしている内に、かよはふいにタメ語で話してしまいます。それは遼太郎にとって、これまでの“風俗嬢と客”という立場が、一気に恋人同士になったかのように思える瞬間でした。

遼太郎とかよはその後、友達として付き合っていくことになり、かよは自分と同じく友達のいない遼太郎に親近感を覚えるようになります。彼の隣で笑顔を見せる佐々木希の演技には、ビジネスの相手としてではなく、恋愛が始まる前の気になる相手と休日にデートを楽しむ、年頃の普通の女性としての姿が表現されていました。彼女の無邪気にはしゃぐ柔和な笑顔からは、徐々にお互いの距離が縮まっていることが感じ取れます。

水を口移しで飲ませる小悪魔…『モテキ』(2011年)

映画『モテキ』の主人公・幸世を魅了するのは、長澤まさみが演じるカルチャー誌の編集者みゆき。ルックスだけでなくスタイルも抜群。さらに性格もオープンで、誰とでもすぐ打ち解けるような高スペック女子です。サブカル系ニュースサイトのライターとして働く幸世とは、好きな漫画や音楽の趣味が一致するなど、まさに待ち望んでいた理想の女性といえるでしょう。

みゆきは初めて2人で出かけた居酒屋で、ごく自然にボディータッチをするなど、ピュアな幸世にとって刺激的すぎる存在でした。その後の宅飲みでは酔って無防備に寝るなど、どんどん幸世の心をかき乱していきます。そして、夜が明けた後、喉が渇いたからと水をせがんだみゆきは、それを口に含むと幸世に口移しで飲ませたのです。

朝日を窓越しに浴びながら、眩しそうに眠たげな表情を見せるみゆきの姿は、同作におけるハイライト。幸世はすっかり彼女の虜になってしまいますが、そんな彼を翻弄するみゆきの小悪魔ぶりが見ものです。

近づく距離と艶めかしく顔に触れる指…『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(2010年)

映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』では、ガチャガチャ玩具メーカーで冴えない営業マンとして働く田西が、年下の同僚ちはるに振り回されます。

黒川芽以が演じるちはるは、田西が務める会社で唯一の若手女性社員。社内のマドンナ的存在ですが、外見はどちらかというと派手ではなく、素朴かつ、うぶな女性です。奥手な彼女は田西と飲み会で初めて会話しますが、その時に田西は酔った勢いもあり、以前から想いを寄せるちはるに、自分のアダルトビデオと少女漫画を交換しようと提案。ちはるもまた以前から彼が気になっていたため、恥ずかしさを抑え、交換の約束をするなど、田西との距離を縮めようとするのでした。

そんなちはるを演じる黒川芽以の演技の中でも注目なのが、顔に怪我をした田西に気が付いたときの、男心を刺激する仕草です。アダルトビデオと漫画を交換したことで、田西から下品と思われていたのでは……という不安があったちはるが、それが解消され表情を緩めると、田西の眼鏡を持ち上げて絆創膏を張り替えようとします。ゆっくりと覗き込むように顔を近づけ、指で田西の顔に触れる姿は、あたかも濃厚なキスを交わすようでした。

その後、田西は空回り続け、ちはるを弄んだやり手営業マンの青山とケンカします。田西はボクシングのトレーニングをするなどして青山との決闘に挑むのですが、それが終わったあと、ちはるが思いもよらぬ行動をみせたことで、彼は完全に打ちのめされてしまうのでした。そこには魅力的な女性に翻弄される男の悲哀ぶりが、見事に描かれています。

『チェリーボーイズ』/2018年2月17日(土)より シネ・リーブル池袋、渋谷TOEIほか全国ロードショー/配給:アークエンタテインメント/(c)古泉智浩/青林工藝舎・2018東映ビデオ/マイケルギオン

これらの作品に登場する主人公たちは、フレッシュでさわやかな青春を経験していません。こじれさせてしまった性格と向き合う日々を送り、もがき苦しみながらも前を向こうとします。その過程において転機になるのが、各作品に登場するヒロインたちとの出会いでした。

古泉智浩の人気漫画が原作となった『チェリーボーイズ』では、自己中心的で見栄っ張りな主人公・国森信一を林遣都が、乳首が大きいことがコンプレックスの吉村達也を栁俊太郎が、オタクっぽい外見かつ内気な性格で女性に苦手意識をもつ高杉誠を前野朋哉が演じます。彼ら3人組をヒロインの釈笛子がどのようにして魅了し、影響を与えていくのか? ぜひ映画館で確かめてみてください。

(文/Jun Fukunaga@H14)