『猟奇的な彼女』『ラブストーリー』で、世界中の映画ファンを魅了した恋愛映画の巨匠クァク・ジェヨン。彼がオリジナル脚本を執筆し、監督した日韓合作の映画『風の色』は、流氷の北海道・知床と桜舞い散る東京を舞台に、時空を超えた2組の男女による幻想的なラブストーリーを描いた作品。

東京に暮らす涼は、100日前に死んだ恋人ゆりが遺した言葉に導かれ、北海道へ向かったところ、自分と瓜二つのマジシャン隆の存在を知り、さらには亜矢と名乗るゆりにそっくりな女性と出会ったことで、不思議な出来事に巻き込まれていく。

主演は、2013年に主演を務めたTVドラマ「イタズラなKiss~Love in TOKYO」(CS・BSフジ)の人気から、中国版ツイッター「Weibo」で158万人を超えるフォロワー数を誇る古川雄輝。NHK朝ドラ「べっぴんさん」の村田健太郎役でも注目を浴び、映画『曇天に笑う』『となりの怪物くん』 の公開も控える、ブレイク直前の国際派俳優・古川雄輝にお話を伺った。

華麗なマジックは本番直前に準備 

Q:完成した本編をご覧になって、どう思いましたか?

監督・脚本が韓国の方ということもあって邦画というよりも韓国映画、海外映画に近いという印象を持ちました。セリフの言い回しや笑いどころなども日本人の感覚とは少し違うのかなと。

Q:本作で華麗なマジックを披露されていますが、マジシャンの役作りとしてはどのようなことを?

コインを手の上からコロコロ転がすシーンだけは2週間みっちり練習しましたが、それ以外は撮影直前に準備をしました。本番20分ぐらい前に内容を決めて、リハーサルをせずに撮るという、独特な撮影スタイルでしたから。

Q:一人二役を演じて、いかがでしたか?

ドッペルゲンガーの設定で、比較的近い二役だったため、難しさは感じませんでした。監督からも差を出さなくて良いと言われていましたし。

ガチの氷風呂に入って体調不良に

Q:劇中、水の中や氷風呂に入るシーンがありました。

あれは本物の氷なので、すごく冷たくて。

Q:えっ!氷を模したプラスチックではなく?

普通はそういったものを使うと思うのですが、監督は本物が良いと。温泉のシーンでは極力温度を冷ましてから、氷をバッと入れ、氷が溶けないうちに“すぐ入って!”と言われました。バスタブで氷水に入るシーンはさらに過酷で。人が入ってはダメなんじゃないか?と思うほどの冷たさでした。

Q:体は大丈夫でしたか?

大丈夫ではないです。この映画を撮った後に体調を崩したほどで。

Q:リアリティの追求のため、身を削ったのですね。

僕のこれまでの役者人生で、圧倒的に大変な現場でした。しかも特殊な撮り方でしたから、監督の要求ひとつひとつに対応していくことが、とても難しかったですね。泣くシーンが多かったのですが、それも本番直前に言われて。僕は、演技の前に準備するタイプなのですが、今回は準備出来ない状態で挑みました。

Q:本作でもっとも気に入っているシーンは?

病院から脱出するときにマジックでふたりとも消えて、ステージの下で着替えるシーンが新鮮でした。ふたりが着替えた後、救急車に乗って出て行くシーンも好きです。

Q:映画ファンの方にどういったところを楽しんで欲しいですか?

邦画と思わずに、海外の映画を吹き替えで観る感覚で観ていただきたいですね。

Q:古川さんは、昨年の12月18日に30歳を迎えました。2018年は、どのような年にしたいですか?

大人の男性になりたいですね。俳優としては、本作のような海外の作品にも積極的に関わっていきたいと思っています。

(C)「風の色」製作委員会

映画『風の色』
1月26日(金)よりTOHOシネマズ 日本橋ほか全国公開
監督・脚本:クァク・ジェヨン
出演:古川雄輝、藤井武美、竹中直人ほか
配給:エレファントハウス/アジアピクチャーズエンタテインメント/カルチャヴィル
公式サイト:http://kaze-iro.jp
(C)「風の色」製作委員会

クレジット:
ヘアメイク/赤塚修二
スタイリスト/五十嵐堂寿

取材・文/田嶋真理 写真/横村彰