今年も様々なアメコミ・ヒーロー映画が公開されますが、その中でもいろいろな意味でユニークなのが、2月2日からIMAXで限定公開される『マーベル インヒューマンズ』です。アベンジャーズやアイアンマン同様、マーベルが原作ですが、まずこの作品、“映画であって映画でない”のです。どういうことかというとベースはTVドラマ・シリーズで、日本でも3月からDlifeやHuluで放送・配信されます。しかし、第一話・第二話はIMAXで劇場公開されるのです。

なぜ、ドラマを映画館で上映するのか?

(c)2018 Marvel & ABC Studios.

これは単なるTVドラマのプロモーションとしてIMAX劇場でお披露目、ということではなく、この2話だけIMAXカメラで撮影された、立派なIMAX作品であり、つまりIMAX劇場とTVを連動させたいまだかつてない試みです。なぜこのような方法をとったのか? それは「インヒューマンズ」という物語の独自性にあります。

「インヒューマンズ」は1965年にコミックに登場しました。インヒューマンズは、我々人類とは違う“超人類”です。彼らは、あるエイリアンが、太古の地球にやってきて地球人を遺伝子的に改造し、自分たちのために戦う超人軍団を作ろうとして誕生しました。しかしこの企みは失敗し、超人たちは地球に取り残されたのです。彼ら、インヒューマンズが独自の王国を作り上げ、我々人類とは一線を画し暮らしていたのです。

従って“チーム・インヒューマンズ”を名乗って世界の平和のために戦うみたいなヒーロー物ではなく、この超人一族の家族ドラマ、しかも主人公がこの種族の王ですから、本作はロイヤル・ファミリー物というわけです。

マーベル最強クラスの家族ドラマ!?

(c)2018 Marvel & ABC Studios.

家族の話なら、映画より連続ドラマの方が描きやすいわけですが、その一方で、このファミリーが持っているスーパーパワーは、マーベルの中でも最強クラス。

例えば主人公のブラックボルトは“しゃべらない”のですがその理由は、一声発すれば山でも吹き飛んでしまう衝撃波を発生させるから。従ってもし彼が絶叫マシーンなんかに乗ったら、地球が吹っ飛んでしまう(笑)。そのため、キャラクターたちの持つ能力を活かしたアクション描写は映画向き、お話はドラマ向きということで、IMAXとドラマの組み合わせを試みたのでしょう。

昨年のサンディエゴ・コミコン(毎夏開催される、アメコミ系カルチャーの最大級のファン・イベント)でも「インヒューマンズ」がフィーチャーされており、マーベルが力を入れているのがわかりました。

(c)2018 Marvel & ABC Studios.

個人的注目キャラは…

個人的にはこの作品に登場する“メデューサ”がどう映像化されるか楽しみです。彼女は、赤い長髪を自由自在に操って戦います。昔読んだスパイダーマンの翻訳コミックで、その髪の見事さでシャンプー会社のCMに起用された(!)メデューサが撮影現場でブチ切れて、スパイダーマンと戦うというエピソードがありました。この話の印象が強くてずっと心に残っていたのですが、まさか実写で観られるとは。

あと“ロックジョー”も注目です。彼は、瞬間移動能力を持つブルドッグのようなクリーチャーです。アメコミ・ヒーロー物の中に犬キャラはあまりいませんが、今年は戌年。マーベル・イヤーのオープニングに相応しいキャラですね(笑)。

写真は2017年のサンディエゴ・コミコン BY すぴ豊 (c)2018 Marvel & ABC Studios.

(文・杉山すぴ豊)