「ドラえもん」の定番ひみつ道具“スモールライト”を始め、古くはハリウッド映画『ミクロの決死圏』(1966年)など、マンガや映画では、これまで“もし人間の体が小さくなったら…?”という発想の物語が作られてきました。皆さんも一度くらいは“体が小さくなったら何をしようかな…?”と想像したことがあるのではないでしょうか。間もなく公開のSFコメディ『ダウンサイズ』(3月2日公開)にも、そんな“体が小さくなっちゃった”というオモシロ描写が満載! 過去の作品と合わせてご紹介したいと思います。

等身大のクラッカーに、お酒も飲み放題!? 誰もが夢見た描写が満載…『ダウンサイズ』

(C) 2017 Paramount Pictures. All rights reserved.

『ダウンサイズ』の舞台は、科学者によって人類の体長が13センチに縮小する方法が発見された近未来。人口増加による住環境の悪化という社会問題に直面したアメリカは、解決策として“人類縮小計画”を立ち上げます。マット・デイモン演じる真面目だがうだつの上がらない男ポールは、少ない蓄えでも裕福な生活が送れることから縮小化に自ら志願します。

縮小化された人間も、普通の人間と同じような暮らしを営みますが、人間のサイズが変わることで、何気ない日常生活がシュールな空間に変わっていくところも本作の面白さ。縮小化の施術から目覚めたポールが、係員から“お腹すいたでしょ?”的な感じでクラッカーを差し入れされますが、その巨大さに驚いたり、人間サイズでは普通の大きさの書類に、四つん這いになりながら必死にサインしたり……。さらには、人間サイズのボトルのお酒をたらふく飲んだりと、思わず縮小化してもいいかもと思ってしまいそうな光景が描かれています。

(C) 2017 Paramount Pictures. All rights reserved.

浴槽も大海原に大変身!蟻んこサイズのヒーローの活躍を描く…『アントマン』

2015年に公開された『アントマン』は『アベンジャーズ』シリーズでおなじみのマーベルスタジオ発のアクション映画。体長1.5センチになれる特殊なスーツを着た、蟻サイズのヒーロー・アントマンの活躍を描きます。

アントマンが浴槽で初めてスーツを着て、何もわからず身体を縮小させてしまう場面では、蛇口から溢れ出た水が、津波のように襲い掛かってきたり、羽アリが移動手段になったり、普通は入ることができないコンピューターの内部に入り込んだりと、蟻んこサイズという設定を活かした、アイディアに満ちた映像が堪能できます。

極めつけは、アントマンと同じサイズになることができる悪役とのバトルシーン。アントマンの娘の部屋で行われたこの戦い、敵がおもちゃの機関車に轢かれそうになるのですが、ぶつかる寸前に敵の目線だったカメラが、通常の人間サイズに戻り、コテッと音とともに機関車が脱線する様子が描かれます。迫力満点のシーンだったにもかかわらず、突如として一気にスケールがダウンする演出は斬新で、絶妙な笑いを生み出しています。

日常が大冒険に様変わり!アトラクション化したファンタジー…『ミクロキッズ』

ファンタジーアドベンチャーのクラシックとして、今でも多くの映画ファンに愛されているハリウッド映画『ミクロキッズ』(1989年)も忘れてはいけません。あらゆる物質を260分の1に縮小する“電磁物体縮小機”の開発に勤しんでいた科学者のウェイン。ある日、ひょんなことから機械が暴走し、4人の子どもが6ミリのサイズに縮んでしまいます。

体が小さくなった子ども達は、とあるきっかけで家の外に放り出されると、そこで彼らが目にしたものは、巨大な世界。レゴブロックのデカさに驚いたり、アリやサソリから逃げ回ったりと日常が大冒険に様変わりしていきます。家の中にたどり着いても、コーンフレークになみなみ注がれたミルクが入った器で溺れるといった、ファンタジックな世界観が全編にわたり広がります。

等身大サイズの虫や、巨大な植物を作って撮影されていますが、アナログな質感で作られた特撮はCG全盛の現代には逆に新鮮に思えるかも。ちなみに、アメリカのウォルト・ディズニー・スタジオでは、「Honey, I Shrunk the Kids:Movie Set Adventure」という映画の世界観を模したアトラクションも誕生しました。

(C) 2017 Paramount Pictures. All rights reserved.

現実では起こり得ない想像の世界を映像化できるのも映画ならでは。巨大なセットを実際に作ったり、最新の技術を駆使して作り出された、イマジネーションとアイディアにあふれる映像は、映画の可能性を大いに感じさせてくれるものです。

(文/スズキヒロシ・サンクレイオ翼)