1月15日に各部門の優秀賞が明らかになった第41回日本アカデミー賞。その優秀賞の中から最優秀賞を発表する授賞式が3月2日に行われます。編集部が予想した最優秀賞と共に、各部門の注目ポイントを紹介します!

優秀作品賞

『君の膵臓をたべたい』

(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社

『三度目の殺人』

『三度目の殺人』DVDスタンダードエディションは発売中(C)2017 フジテレビジョン アミューズ ギャガ 発売元: フジテレビジョン 税抜価格:3,800円

『関ヶ原』

(C) 2017「関ヶ原」製作委員会

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

(C) 2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

『花戦さ』

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<注目ポイント>

 最多10部門の優秀賞を受賞している『三度目の殺人』『関ヶ原』どちらかが最優秀作品賞になるのでしょうか? それとも他の作品のサプライズ受賞? “最多受賞”作品の行方も気になるところです。

<予想>

『三度目の殺人』

 編集部では『三度目の殺人』が一番人気でした。その次に票を集めたのは『関ヶ原』。やはり最多の2作どちらかが有力なのではないでしょうか。興行収入面では、『君の膵臓をたべたい』が35億2,000万円、『関ヶ原』が24億円、『三度目の殺人』が14億6,000万円、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が10億9,000万円(日本映画製作者連盟発表)と10億円突破作品が4本。興収的には5本の中で『君の膵臓をたべたい』がトップですが、ここ10年の傾向を見ると第33回以外は作品賞&監督賞の最優秀賞が合致しているので、この中で唯一優秀監督賞に選出されていない『君の膵臓をたべたい』はやや不利と考えられます。

優秀監督賞

黒沢清『散歩する侵略者』

是枝裕和『三度目の殺人』

篠原哲雄『花戦さ』

原田眞人『関ヶ原』

廣木隆一『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

<注目ポイント>

 黒沢清、篠原哲雄、廣木隆一の初受賞組が最優秀賞受賞となるのかに注目。今回も作品賞&監督賞が同じ作品に? という点も密かなポイントです。

<予想>

 混戦模様の監督賞ですが、編集部の一番人気はダイナミックで迫力満点の合戦シーンが見どころの『関ヶ原』の原田眞人監督。『日本のいちばん長い日』『わが母の記』『クライマーズ・ハイ』『突入せよ!「あさま山荘」事件』『金融腐蝕列島 [呪縛]』で優秀監督賞の受賞経験はありますが、今回初の最優秀監督賞受賞となるのかに視線が集まりそうです。2番目に票を集めたのは初の優秀監督賞受賞となった『散歩する侵略者』の黒沢清監督。勢いにのって最優秀賞も手にすることができるのでしょうか。3番目に予想者が多かったのは『三度目の殺人』の是枝裕和監督。5人の中では唯一、最優秀監督賞を受賞した経験(『海街diary』)があります。

優秀主演男優賞

大泉洋『探偵はBARにいる3』

佐藤健『8年越しの花嫁 奇跡の実話』

菅田将暉『あゝ、荒野 前篇』

藤原竜也『22年目の告白-私が殺人犯です-』

岡田准一『関ヶ原』

<注目ポイント>

 昨年は佐藤浩市(『64−ロクヨン−前編』)が受賞した最優秀主演男優賞。今回は初めて菅田将暉や佐藤健が優秀主演男優賞に選ばれるなど、若手の活躍が目立った年でしたが、その勢いのまま若手俳優が最優秀賞に輝くのでしょうか。ちなみに、5人の中で過去に最優秀主演男優賞を受賞しているのは岡田准一(『永遠の0』)のみです。

<予想>

 編集部では、昨年大活躍だった菅田将暉の名前が多数挙がりました。『あゝ、荒野 前篇』ではボクサー役のため肉体改造にも挑み、韓国の名優ヤン・イクチュンと共に男の絆を見事に表現しました。その次に支持を集めたのは、昨年も『海賊とよばれた男』で優秀主演男優賞に選ばれている岡田准一。『関ヶ原』では“義”に生きる石田三成にふんし、人間味あふれる三成像を作り上げました。時代劇経験の豊富な岡田の堂々たる貫禄がにじみ出た一本でした。

優秀主演女優賞

蒼井優『彼女がその名を知らない鳥たち』

新垣結衣『ミックス。』

土屋太鳳『8年越しの花嫁 奇跡の実話』

長澤まさみ『散歩する侵略者』

吉高由里子『ユリゴコロ』

<注目ポイント>

 今回の5人は全員過去に日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しているという共通点があります。蒼井優、長澤まさみは最優秀助演女優賞を受賞したことがあるものの、今回の5人は、誰が最優秀賞になっても初の最優秀主演女優賞という顔ぶれです。昨年は『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえが同賞を受賞しましたが、今年は主演男優賞同様に若い女優陣の活躍が評価されました。

<予想>

 コメディエンヌとしての才能を発揮した新垣結衣、病に侵されていくヒロインをリアルに演じた土屋太鳳、別人のようになってしまった夫に戸惑いながらも愛のために奔走する主人公にふんした長澤まさみ、人の死でしか心を満たせない女性の狂気を表現した吉高由里子といった強力なラインナップの中で、編集部で圧倒的な支持を集めたのは『彼女がその名を知らない鳥たち』で恋愛に依存しなくては生きられないヒロインを演じた蒼井優でした。すでに第42回報知映画賞、第30回日刊スポーツ映画大賞、第39回ヨコハマ映画祭、第91回キネマ旬報ベスト・テンと多数の主演女優賞を獲得するなど、国内の映画賞での評価も高いことから本命と思われます。

優秀助演男優賞

西田敏行『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

西村雅彦『家族はつらいよ2』

松田龍平『探偵はBARにいる3』

村上虹郎『武曲 MUKOKU』

役所広司『三度目の殺人』

役所広司『関ヶ原』

<注目ポイント>

 日本アカデミー賞の常連である西田敏行や役所広司らの中で異彩を放つのが初の優秀賞受賞となった弱冠20歳の村上虹郎。もし最優秀賞となれば、史上最年少の最優秀助演男優賞受賞となります。

<予想>

 編集部では『三度目の殺人』で殺人の前科がある男役を務めた役所広司が予想多数。不気味な雰囲気を漂わせ、福山雅治演じる弁護士を翻弄する怪演が光りました。次点は心優しいナミヤ雑貨店の店主役の西田敏行と、恐るべき剣の才能を持つ高校生役の村上虹郎、『関ヶ原』で天下取りの野望に燃える徳川家康にふんした役所が同率で並びました。役所は『三度目の殺人』『関ヶ原』の2作選出という強さを見せていますが、もし受賞となる場合はどちらの作品に軍配が上がるのかも要チェックです。

優秀助演女優賞

尾野真千子『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

北川景子『探偵はBARにいる3』

夏川結衣『家族はつらいよ2』

広瀬すず『三度目の殺人』

薬師丸ひろ子『8年越しの花嫁 奇跡の実話』

<注目ポイント>

 今回はベテランから若手まで幅広い年代から選出された助演女優賞。薬師丸ひろ子は『ALWAYS 三丁目の夕日』で最優秀助演女優賞の受賞経験がありますが、他の4人は選出されれば初の最優秀賞受賞です。

<予想>

 編集部では『三度目の殺人』で被害者の娘役を務めた広瀬すずを予想する声が多数。役所広司らベテランに囲まれながらも、引けを取らない演技で魅せました。次点は『探偵はBARにいる3』で謎多き美女にふんした北川景子。今回初の優秀賞受賞となった北川が、最優秀も受賞となるのかに視線が集まりそうです。

その他の部門

 これ以外の部門も注目作が目白押しです! 特にチェックしたいのは、昨年『この世界の片隅に』が最優秀賞に輝いた優秀アニメーション作品賞。2007年に創設された同部門ですが、これまでシリーズもので最優秀賞を受賞したのは『STAND BY ME ドラえもん』のみ。今年は2017年の邦画興行収入1位作品である『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』も選ばれていますが、果たしてどの作品が栄光を手にするのでしょうか。

優秀アニメーション作品賞

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』

『メアリと魔女の花』

『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』

『夜は短し歩けよ乙女』

優秀脚本賞

是枝裕和『三度目の殺人』

斉藤ひろし『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

森下佳子『花戦さ』

山田洋次/平松恵美子『家族はつらいよ2』

吉田智子『君の膵臓をたべたい』

優秀外国作品賞

『ダンケルク』

『ドリーム』

『美女と野獣』

『女神の見えざる手』

『ラ・ラ・ランド』

新人俳優賞

中条あやみ『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』

浜辺美波『君の膵臓をたべたい』

北村匠海『君の膵臓をたべたい』

文・構成:シネマトゥデイ編集部 吉田唯